2024.10.23
茶道具
2024.10.23
お稽古用として茶道具を準備しようと思っている方々もいらっしゃるでしょう。
果たして、お稽古用茶道具としてどのようなモノを用意しなければならないのでしょうか。
今回は、お稽古用茶道具の道具の種類、また、お家でお点前の練習をするときに必要となる道具について解説をします。
また、お茶の道具には、骨董的価値のあるようなものも多くあります。
そのような道具についてもお話しします。
お茶のことが気になるという方々はぜひ一読ください。
目次
現在、買取専門店では、様々なお稽古用茶道具を買取しています。
お稽古用茶道具の中には、かなり高額価格で買取されるものもありますが、一方でそれ程でないモノもあります。
お茶が初めてという方々は、まずは最低レベルのお茶の道具を用意することが妥当でしょう。初めての方々にとって大事なのは、お茶の道具の種類について知ることであり、お茶のたしなみについて正しく理解することの方です。
初めてでも、お稽古用茶道具として絶対になくてはならないものがあるため、ざっとお茶の道具の種類について解説をします。
お稽古用茶道具として必要なものには、扇子(せんす)があります。
お稽古用茶道具の扇子は、挨拶の時、また、床の間を拝見するときに、閉じた状態のまま自分の前に置きます。流派であったり、性別によって扇子の大きさにも違いがあるため注意が必要です。一般的な扇子と比較すれば、お稽古用茶道では、小ぶりのものを使用しています。
相手と自分の間に扇子を置くということには「結界」を作る意味あいがあります。一定区域を限ることであり、それは、相手への敬意を示すと言っていいでしょう。その意味合いを容易に果たしてくれるものが扇子です。
また、扇子の骨と呼ばれる部分は、「白竹はくち」であったり「煤竹すすだけ」「塗り」などが使われています。どのような素材を正式とするかは流派によって違いがあります。
お茶が初めての方々が扇子を購入される場合、骨に蒔絵などがない、シンプルなものを選ぶのが無難です。
実際問題、茶道の扇子には素敵な絵柄のものがたくさん売られているので、買うのが楽しいという気持ちもあるでしょう。ただし、そもそもお稽古用茶道具としての扇子は、それ程開く機会がある訳ではありません。
一般的には、扇子と言えば、暑いときにあおぐものであるのですが、茶道具としての扇子の場合は、暑いときでも、扇ぐということは決してありません。ちょっと不可思議な気持ちにもなってしまうのかもしれませんが……。開かない扇子であれば、別に扇子ではなく、木の棒のようなものでもいいと思ってしまうことでしょう。
それでは、扇子をいつ開くのかということですが、お茶のシーンでも、扇子を開くような機会には遭遇することがあります。それは、師匠にお月謝をお渡しするときなど、開いた扇子の上に金封を乗せたりするときです。
「扇絵」という文化は江戸時代に一世を風靡しています。多くの浮世絵師が手掛け、そのような扇子には高価買取価値があります。
そのようなお稽古用茶道具をお持ちであれば、一度買取業者に鑑定・査定依頼をしてもらってみてはいかがでしょうか。
お稽古用茶道具として必要なのは、帛紗(ふくさ)です。
ふくさとは何?と思っている方々も多くいらっしゃることでしょう。
実際には、日常においてふくさがそれ程登場することはないのですが。それでも、まったく無縁ということではありません。
ふくさには「帛紗」と「袱紗」があります。
袱紗とは、結婚式や、お葬式などでご祝儀、お香典を包むために使用をします。金封を袱紗で覆い持っていく行為は、相手に対しての心遣いと礼儀のあらわれです。
正式な袱紗は一枚布です。しかし、近年スタイルが違うものも登場し、ポケット型になっている二つ折りのデザインが主流となりつつあります。金封タイプと呼ばれるものであり、簡単に差し込めるような構造です。
お稽古用茶道具としての帛紗は、お点前をするときに道具を拭き清めるために使用します。茶道の先生が着物の帯の部分に、三角形に畳んだ赤であったり、朱色の布地を下げている光景を見たこともあるのではないでしょうか。それが帛紗であり、一辺がおおよそ30㎝のほぼ真四角で、三方に縫い目があって、一方は輪となっています。
帛紗には、いろいろなカラーや、柄があり、お稽古用茶道具としては好きなものを使用していいとおっしゃる先生も多くいます。ただし、正式なものに対しては、帛紗にも決まった流派があります。
古帛紗は濃茶を飲むときであったり、道具を拝見するときに使用します。亭主がお客様にお茶を出すときに茶碗の下に敷いたり、お客様が大事な道具を拝見するときに道具の下に敷いたりします。
既に解説している帛紗が、無地や小さい柄などのシンプルなモノが多めであるのに対して、古帛紗の方は、全体的には柄が入っているものがほとんどです。
古帛紗は、柄や生地もたくさん種類があり、それぞれの人たちの個性があらわれる持ち物と言ってもいいでしょう。
また、流派によって違いがあり、古帛紗ではなく「出帛紗(だしぶくさ) 」を使用することもあります。
買取業者では、現在、古帛紗のようなアイテムも積極的に買取をしています。
古帛紗の中には、袋師である土田友湖などと言った買取価値の高いものもあります。
お家で代々お茶のたしなみがあるという家系では、ひょっとしたらそのような古帛紗が眠っている可能性もあるため、見つけて、ぜひ一度買取専門店に鑑定・査定してもらってみてはいかがでしょうか。
土田友湖の作品は仕立ての良さが魅力であり、優しい色合いが見る者たちを惹きつけます。茶道はじめての方々も、きっと美しいと感じてもらうことができるでしょう。
お稽古用茶道具として必要なものは、懐紙です。懐紙とは、お菓子をとったりお茶碗を拭いたりするための道具です。はじめての方々にとって、一番無難なのは、真っ白の懐紙です。また、男性は、女性より大きい懐紙を使用します。
流派で決まりがあるのかもしれませんが、ない場合、懐紙の柄にこだわりをもつことで、もっとお茶が楽しいと感じてもらうことができるでしょう。
懐紙の他のお稽古用茶道具と違う点は、使えばすぐになくなってしまう消耗品であることです。
お稽古用茶道具として必要なものは、菓子切です。菓子切は、主菓子をいただくときに使用する道具です。出されたお菓子を、菓子切を使用して切り分けをしお口に運びます。
菓子切の材質は様々あります。高級なモノには象牙でできた菓子切もありますが、そのようなものは、買取専門店に持ち込みすれば、高額買取が可能です。
ただし、初めての方々がいきなり象牙の菓子切を使用すること自体どうなの?という気持ちもあるかもしれません。もっと気軽に使用することができるものをイメージするといいでしょう。
はじめての方々のお稽古用茶道具としては、ステンレス製のもので問題ありません。
また、初めてお茶をする方々は、お稽古用茶道具として、まとめてセットで販売されているようなものあるため、そのようなものをお手軽に購入するのもおすすめです。
茶道において、お茶を点てたり、練ったり、いただいたりする時に、なくてはならないものが茶碗です。
茶道で使用する茶碗は、陶磁器であったり、ガラス製、また、季節をあらわす美しい柄が描かれたものなど、視覚的に楽しませてくれるようなものも多くあります。茶碗は、かなり骨董品価値がつくものもあり、買取専門店では、そうとう高い査定額がつくこともあります。
例えば、千利休が愛した楽茶碗のように侘びの風情があるモノであったり、土の味わいを感じられる素朴なモノ、また、豪華な絵付けが施されたモノなどには、海外からも多くの注目が集まっています。
はじめての方々が、まずは自分で用意しようと思えば、楽茶碗は避けるべきでしょう。
なぜなら、楽茶碗は、主として濃茶で使用しますが、茶道で最初に習うのは、薄茶であるからです。
お稽古用茶道具で登場する道具には、盆があります。盆はいつも使用する道具というわけではありませんが、時々は盆を使用するお点前もあるため、三日坊主ではなく長く茶道を続けていればどこかの機会で触れる道具です。
大形のものは葉盆と呼ばれています。中には、芭蕉の葉を形どったものもあります。また、一文字盆とは、煎茶を運ぶために使用する細長いお盆のことで、小さな煎茶のお茶碗が5つ程度並ぶくらいのサイズです。
また、拭き漆を塗ったモノであったり、黒漆、朱漆、肥松と呼ばれる松の樹脂が塗られ、飴色の光沢を放つモノなど様々あります。
ある買取専門店では、煎茶盆 紫檀を、20000円という価格で買取した実績があります。
棗(なつめ)とは、薄茶器、薄器と呼ばれる薄茶用の抹茶を入れる道具のことです。見た感じが植物のナツメに似ていることから、「棗(なつめ)」と呼ばれています。
棗にはサイズが「大」・「中」・「小」とありますが、中棗と呼ばれるサイズが一般的によく使われています。
また、シンプルなデザインの棗を選ぶことで、他の道具との取り合わせもうまくいくことでしょう。棗がどんなに素敵でも、棗だけが出しゃばってしまうことにも問題はあるのではないでしょうか。
棗には、カタチの美しいものであったり、金蒔絵などによる豪華な装飾が施された骨董価値のあるようなものもあります。小さな器ですが、買取専門店によって思わぬ高額査定がつくこともあります。
茶杓(ちゃしゃく)は、茶器の中から抹茶をすくうときに使用する、お匙みたいな道具です。象牙であったり、竹、木などといった素材で作られていますが、その中でも竹で作られた茶杓は、節のありなしと位置で格式の高さが決まります。
お茶はじめてという方々の場合、まずは普通にお点前で使用する、中心部に節のある中節の竹の茶杓を選ぶといいでしょう。
茶筅(ちゃせん)は、薄茶を点てたり、濃茶を練ったりするときに使用する竹で作られた道具のことです。竹の種類であったり、穂の数、また、大きさがそれぞれ違い、竹の種類は、流派によって素材の基本が違ってきます。
いかがでしょうか。今回はお稽古用茶道具の種類、お家で使用する道具の種類、また、茶道具の買取価値について解説しました。
はじめての方々が、お稽古用茶道具として用意するものは、あえてそんなに高価なものを用意する必要がありません。しかし、一方でお茶の世界には、骨董価値が存在しているかなり高額な道具が使用されることもあります。
そのようなものは、買取専門店に持ち込みをすればかなり高い買取額を期待することができます。
お稽古用茶道具として使用されるリーズナブル価格の茶道具があり、いくら出しても欲しいと思うような骨董価値のあるものまであり、お茶の奥深さは、道具によっても感じ取ることができます。