昔使っていた火鉢が倉庫や蔵に眠っているという人はいませんか。昭和前半までは見られていたことも多かった火鉢ですが、最近では中古の火鉢が骨董品としてよく売られることが多くなっています。買取時の値段や業者選びのポイントについて解説しますので、参考にしてください。

火鉢はいつからいつ頃まで使われていた？

火鉢は、中国から伝わってきたと言われていて、最初は上流階級を中心に暖房器具として使われていました。江戸時代後期～明治時代になって庶民の家庭でもよく使われるようになっていきます。

田舎に行けばよく火鉢を見たという経験がある人も多いでしょう。昭和30年代頃までは見かけられたものです。その後、電気やガスの暖房器具が発達してからは、あまり見かけなくなってきたと言えるでしょう。

そして、火鉢は暖房器具としてだけでなく、火鉢で餅を焼いたり、お湯を沸かしたりするなどして団らんの場ともなるものです。

最近では、レトロブーム、昭和レトロ、スローライフブームなどとも言われますが、レトロなオブジェとしても火鉢を求める人が増えてきている傾向と言えます。

火鉢の素材はいろいろ

火鉢の素材としては、陶磁器で作られたものが多い傾向です。しかし、他にも木材や金属などの素材で作られたものもあります。陶磁器で作られているものはほとんど丸い形をしているものが多く、「火鉢を囲んで丸くなって集まる」などということもよく行われていたものと言えるでしょう。

陶磁器の火鉢としては、伊万里焼や信楽焼などが有名です。美しく彩色された伊万里焼などは工芸品として見ていても美しい魅力があります。

また、欅や桐、黒檀、紫檀、黒柿などの硬い木材で作られた火鉢も歴史を感じることができるもので、特に黒柿は珍しいため高額買取が可能な火鉢となっています。

さらに、金属製の「唐金火鉢」という火鉢も経年劣化がしにくく、長持ちし、繊細な彫刻が人気です。

陶磁器、木材、金属とそれぞれに味わいの異なる火鉢の魅力があっておすすめと言えます。

中古の火鉢の魅力とは？高額買取が可能な高級品の火鉢について

中古の火鉢の中でも、高額で買取が可能な火鉢としては、かつて上流階級が使っていたような火鉢が挙げられます。一流の職人の手によって作られ、装飾も美しく、美術品としても価値のあるものが高い評価となっています。

買取例としては、「大名火鉢」や伊万里焼、黒柿製の火鉢などが高い値段で買い取られていておすすめです。

江戸時代の「大名火鉢」の魅力

江戸時代の火鉢として、「大名火鉢」と呼ばれる火鉢があります。「御殿火鉢」や「宮廷火鉢」などとも呼ばれることもあり、高級感のある四角い角型の火鉢です。雛飾りで形を見たことがあるという人も多いでしょう。

黒塗りが美しく、手彫りの銅金具が付けられ、猫脚のデザインがおしゃれとなっています。漆塗りされたものや螺鈿細工が行われたものもあって、美しい大名火鉢は人気です。

高級感のある火鉢として高く買取してもらえる可能性が高いでしょう。

伊万里焼の丸火鉢の魅力

また、伊万里焼は古伊万里として古い骨董の魅力もあり、江戸時代や明治時代などの古伊万里の火鉢などがあれば高額買取になります。

特に人気なのが色絵の古伊万里の火鉢です。中古の火鉢でも美しい色合いが魅力となっているため人気があります。伊万里焼の丸火鉢で、花や花唐草などのデザインが美しいものは高額買取が期待できるでしょう。

黒柿製の長火鉢

また、「黒柿関東火鉢」も人気があります。黒柿を素材にした長火鉢で珍しい物と言えます。柿の木は硬くて緻密です。樹齢を重ねて古い木になると、黒い模様が入るものがあり、その模様が神秘的と人気です。

黒柿製の長火鉢は、材質の雰囲気と長火鉢という形からまさに風情ある火鉢と言えるでしょう。中古でしか手に入らない魅力があって高い値段で査定が付きます。

中古の火鉢の骨董品的な雰囲気のある人気の形とは

また、火鉢は形もいろいろあって、角型（長火鉢も含む）、丸型、卵型などがありますので、知っておくといいでしょう。関東、関西、大名、くり貫き、手あぶりなどという様々な呼び方のものがあります。

中古の古い火鉢では、特に長方形の長火鉢などの形が珍しく、骨董品的な雰囲気がより味わえ、高く買い取られることが多くなります。

時代を感じる長火鉢の形

長火鉢は、時代劇などでもよく見るもので、歴史的な雰囲気があります。江戸時代のはじめの頃は武士が中心となって使っていましたが、その後町屋でも多く使われていたものです。冬には木炭を入れて温まる暖房器具としてなくてはならないものです。

また、火鉢の中でお湯を沸かしたり、長火鉢の引き出しは乾燥するため海苔やたばこをいれて保存したりもしていました。

長火鉢には、「関東長火鉢」と「関西長火鉢」がありますので、知っておくといいでしょう。

「関東長火鉢」の特徴は、端に引き出しのある袖机が付いていることです。上部にいろいろなものが載せられるようになっています。また、銅壺の下の部分にも引き出しが付いたものがあって、収納の役割も果たしています。

「関西長火鉢」はというと、10cm程度の張りが周りにあってテーブルのようになっているのが特徴です。小物が入れられる引き出しが付いたものもあり、収納ができるタイプもあります。

どちらの長火鉢も江戸時代の町屋の暮らしを感じさせるような風情があり、貴重な形のものとなるため高額買取が可能です。

長火鉢はテーブルやちょっとした収納にも

また、長火鉢は、炉の部分をふさぐことでローテーブルとしても使え、今の生活スタイルにも合わせられるため人気です。上に厚みのある強化ガラスの天板を置くことで、味わいのあるテーブルとなります。テレビ台にすることも可能です。

また、もともと小さな引き出しが付いていますので、文房具や小物を収納するのにも最適と言えるでしょう。

もちろん、昔の火鉢のイメージで、炭をおこして鉄瓶でお茶を沸かして団らんの時を過ごすのもおすすめです。コロナ禍以降のスローライフの楽しみ方として、ゆったりとした時間を過ごせて人気です。

中古の火鉢の値段が知りたい！買取相場はいくらぐらい？

中古の火鉢の買取の際の値段はいくらぐらいなのかを知りたいでしょう。次のような値段を参考にしてください。

・蒔絵螺鈿火鉢   難有       　　　　8千~1.5万円

・火鉢 清水公照 銘有/箱無             2.5万~5.8万円

・蒔絵火鉢          難有/箱無             3.3万~6.8万円

・紫檀火鉢　　　　　　　　　　　4万～8万円

・火鉢   中川浄益　　　　　　　　5万～10万円

・陶磁器火鉢 濱田 庄司   箱有       5.5万~12万円

・古銅象嵌火鉢   銘有　　　          6.5万~12万円

・九谷焼火鉢 初代徳田八十吉　銘有/箱有    11万円~13万円

・火鉢 亀文堂　　　　　　　　　　20万～25万円

・青磁火鉢 龍泉窯　　　　　　　　28万～32万円

木製の火鉢で希少価値のある紫檀や黒檀で作られたものは、骨董品としての価値が高くなります。紫檀で作られた火鉢の相場は4万～8万円程度の買取価格です。

また、木製の火鉢の場合、装飾などが美しいとさらに高い値段の査定が付いておすすめです。

茶道具の器を作っていた金物師「中川浄益」の火鉢の買取相場などは、およそ5～10万円前後と高いでしょう。茶道具を作っている作家らしい火鉢の形が魅力となっていて人気です。

陶磁器の火鉢の場合、例えば「濱田庄司」という日本の有名陶芸家の場合で、およそ5.5万～12万円前後の買取相場となります。民芸陶器の作家で、人間国宝にも認定されている昭和の陶芸家です。中古でもそれほど古くはない状態がいいものの場合は高額査定が付くでしょう。

また、鉄瓶で有名な「亀文堂」の火鉢は、現在は工房も閉鎖されているため中古品のみです。幕末から鉄瓶を作り始め、初期の頃に作られた火鉢は、中古でも20万～25万円の評価があっておすすめです。「亀文堂」の火鉢は珍しく、状態が良ければ骨董品として高く買い取ってもらえます。

中国の「龍泉窯」という窯元の青磁の陶器の火鉢も、28万～32万という高額での買取可能です。宋～明時代の「龍泉窯」は、骨董品好きな人にも有名です。ただし、偽物も多くありますので、注意してください。

火鉢の中古の買取専門業者を探すポイントとは

火鉢の中古の買取を依頼するならば、買取品目に「骨董品」「工芸品」「火鉢」「漆塗」などがあり、火鉢を買い取った実績のあるところを探す方法がおすすめです。

・骨董品や美術品、アンティークを扱う業者

・「骨董品」や「工芸品」「漆塗」の中で、火鉢を扱う業者

・火鉢の買取実績がある専門業者

・火鉢を販売兼買取している専門業者

・自社オークションなどを開催している買取専門業者

・ホームページなどで火鉢の詳しい買取内容を公開している専門業者

古い火鉢の価値をしっかり理解している骨董品や美術品、アンティークを扱う業者や買取実績が多くある業者を探してみるのがポイントです。中古の火鉢の魅力もしっかりわかってもらえていいでしょう。自社オークションをしている業者なども、中古の火鉢の最新相場がわかっていていいでしょう。

まとめ

火鉢の中古の買取について紹介しました。中古の火鉢の魅力や買取時の値段、おすすめの業者選びのポイントなどを知っておくのがおすすめです。

火鉢は珍しいものとして、骨董品や工芸品として高く売れる可能性があります。アンティークな家具として、和モダンな部屋にしたい人に人気です。素材や形などによって高額買取となる可能性があるでしょう。

ただ、自分ではなかなか判断が付かないことも多いために、いい買取専門業者を探すことが大切です。リサイクルショップや一般の買取業者よりも、火鉢の買取実績がある専門業者を選ぶことで高く売れます。専門業者でないと、中古の火鉢の特徴や価値に気づかずに高く売れないことも多いため、例え遠くても実績のある業者に依頼するのがおすすめです。

買取依頼、買取業者選びに悩んでいる場合には、実績のある弊社にお気軽にお問い合わせ頂ければと思います。弊社に依頼して頂くと高額買取が可能となりますので、ご検討頂ければと思います。