2024.01.22
書道具
2024.01.22
「家の整理をしていたら古い硯が出てきたから売りたい。」
「硯の価値や魅力を知りたい。」
「硯を高く売る方法や注意点を確認したい。」
このようにお考えの方のため、今回は硯の売却・買取に必要となる情報を詳しく解説いたします。
一般的にはあまり知られていないかもしれませんが、硯には熱心なコレクターやマニアが存在します。
特に古硯(こけん)と呼ばれる古い硯には価値を認められていることが多く、中古市場でも高額で取引されています。
家で眠っている硯がある方はぜひこちらの記事を参考にして、できるだけ高値で買取をしてもらいましょう。
目次
硯とは、書写のために墨を水で磨りおろすのに使われる文房具です。
素材は石で出来たものが多く、その他には瓦、陶、玉、鉄、銀、竹で作られるものもあります。
形は円形、長方形、風字形等、様々な種類があります。
学校や習い事などで、一度は手にとったことがあるのではないでしょうか。
中古市場で売買される硯は、文具店で気軽に購入できる類のものとは異なり、デザイン性、希少性、作家性などが高い貴重な美術品です。
特に人気のある硯は古硯(こけん)と呼ばれるもので、最低でも100年以上前に作られたものを指します。
古硯の買取相場は様々ですが、評価が高ければ数十万円の値段が付けられることもあります。
一言で硯といっても、その種類は数多く存在します。
特に中国製の硯は、その長い歴史において沢山の手法や素材が用いられてきました。
こちらの章では主な硯の種類について詳しく解説します。
唐硯は中国製の硯で、中古市場で高額取引される硯の多くはこの唐硯です。
中国では、硯に加えて、紙、墨、筆を合わせて「文房四宝」と呼びます。
中国文人の間で、硯は文房趣味の一つとして愛玩され、良品・優品が重んじられています。
唐硯の中でも特に有名なものは以下の通りです。
和硯は日本製の硯で、唐硯に比べて高額買取をされるケースが少なめですが、一部評価の高い硯も存在します。
有名な和硯は以下の通りです。
硯を売却する際、相場と大幅に異なる価格を付けられないよう、硯の相場についても確認しておきましょう。
硯の相場は以下の通りです。
なお、硯の相場は人気の変動によっても変わるため、あくまでも目安としてご確認ください。
硯が中古市場で売買されていると言っても、実際に現場を見るまで想像することが難しいかもしれません。
そのため、こちらの章では実際に買取された硯の実例をその金額とともにご紹介します。
なお、硯の買取価格は状態や買取時期などにも左右されますので、以下の価格は参考までにご覧ください。
・大清乾隆年製 硯
特徴:乾隆御蔵、本翡翠
買取価格:6千円
・中国端渓名硯
特徴:唐木蓋台付
買取価格:9千円
・芭蕉葉彫刻端渓硯
特徴:特になし
買取価格:1万8千円
・漢詩彫刻硯
特徴:特になし
買取価格:3万円
・漢時代磚硯
特徴:甘露2年の銘、漢時代の磚硯(瓦)
買取価格:25万円
買取店が硯を鑑定する際、どのような点をチェックしているのでしょうか。
素人にはなかなか分かりにくい硯の査定ポイントについて、詳しく解説します。
まず大きな評価の分かれ目として、その硯が古硯か新硯かが重要となります。
中古市場では古硯の方が高い評価を得るケースが多く、それには理由があります。
なぜなら、良質な石材には限りがあるためです。
坑道の中には、すでに採掘され尽くして閉鎖された場所もあるほど。
そのため、古硯は高額取引されるケースが比較的多く、物によっては中国美術品の扱いになることもあります。
和硯にも一部の作家物や有名メーカーのものであれば、高額取引をされることがありますが、中古市場で人気が高いのはやはり唐硯です。
ただし、唐硯であれば高額になるという訳ではありません。
例えば、老坑という坑道から採掘された石材で作られた端渓硯は高い評価がつきますが、麻仔坑や宋坑の端渓硯はあまり高いランクに位置しません。
唐硯には石紋や石眼と呼ばれる独特の模様があります。
石紋には「魚脳凍」「蕉葉白」「青花」「天青」「冰紋凍」「火捺」「銀線、金線」「玉点」などがあり、それぞれ特徴的な美しさを持っています。
作家物や有名メーカーの硯は高く売れる可能性があります。
多くの場合、硯を収納する「共箱」や「落款」を確認し、作家物であるかどうかを判断します。
他の品物と同様、硯も状態が良い方が買取価格は上がります。
どんなに有名な硯でも、割れている、摩耗しているなどのダメージがあれば評価は下がります。
ただし、欠けや汚れがある硯でも値が付くものもあるので、一度買取業者に相談してみると良いでしょう。
高額で買取をされる硯の多くは「共箱(ともばこ)」と呼ばれる木製の箱に収納されています。
共箱には、作家名など硯に関する詳細情報が記載されているため、とても重要で買取価格を左右する付属品です。
なお、硯は共箱ではなく「硯箱」に他の書道具と併せて収納されていることもあります。
硯の評価に関しては、作品の知識に加え、最新の買取相場についても精通している必要があるため、プロの鑑定士でなければ判断が難しいものです。
弊社には硯の専門知識が豊富な査定士が在籍しておりますので、硯の売却をお考えの方はぜひお気軽にお問合せください。
古い硯はどこで売ることができるのでしょうか。
日常生活を送る上で、硯市場に触れることはあまり無いため、このように疑問を持つ方も多くいらっしゃいます。
そのため、こちらの章では硯の売却方法についてまとめました。
硯を売る一番簡単な方法は、買取業者へ売却することです。
主な鑑定方法は、店頭鑑定、写真鑑定、宅配鑑定、出張鑑定などがあります。
近くに買取店がある場合は、直接硯を持ち込んで鑑定してもらうと良いでしょう。
時間がない方は、写真鑑定がおすすめです。
硯や付属品等を写真に撮り、買取店へメールや郵送で送れば鑑定結果をもらうことができます。
インターネット上のフリマサイトやオークションサイトでも、硯を売却することが可能です。
ただし、質問の応答や梱包・配送などを全て自分でする必要があるため、慣れていない場合は少し難易度が高いかもしれません。
また、専門知識がないまま間違った情報を記載して売却してしまった場合、トラブルになり兼ねないため注意が必要です。
硯を売るなら、できるだけ高く売却する方法を押さえておきましょう。
同じ品物でも準備によって買取価格が変わる場合もありますので、必ず売却前に確認することをおすすめします。
硯を高く売る方法は以下の通りです。
事前に、売りたい硯についての詳細情報をまとめておくと良いでしょう。
来歴(誰から譲り受けたか、有名なオークション歴等)、作家名などの基本情報など、査定士からヒアリングを受けた時にすぐに答えられると、取引がスムーズになる可能性が上がります。
古い硯の場合、品物が汚れていたり欠けてしまっていることがありますが、硯はデリケートな側面もあるため、自己流のクリーニングはせず誇りを払う程度にしておきましょう。
古硯の共箱には、硯についての情報が記載されている場合があります。
しかし、箱に書かれた情報が薄れて読み取れないことがあり、知識不足の査定士が鑑定すると、価値のある硯でもただの古い硯と見做されてしまう可能性があります。
誤って安く見積もられないよう、必ず書道具や骨董品の買取に精通している査定士のいる買取業者に依頼し、適正価格で売却するようにしましょう。
硯を売る場合、一般的には買取業者に頼むケースが多いでしょう。
ただ、買取業者には様々なジャンルがあり、テレビ等でCMをしている有名店でもブランド品や金・銀などの貴金属ばかりを扱っている業者もあります。
そのような業者は硯についての詳しい情報について明るくない可能性もあるため、必ず硯の買取実績が豊富な業者を選ぶようにしましょう。
買取実績については、店舗や公式ホームページ上に記載されています。
見当たらない場合は、お店に直接問い合わせると良いでしょう。
今回は硯について、種類、鑑定方法、高く売るための注意点などを解説しました。
硯は歴史的・芸術的価値を認められているものもあり、熱狂的なコレクターが世界中に存在します。
お手元にある古い硯が、コレクターが心から求めていた硯である可能性もあります。
遺産整理や引越しにおける財産整理などで硯を処分したい方は、一度弊社へご相談ください。
弊社では硯の買取に力を入れており、骨董品や書道具についての専門知識が豊富な査定士が丁寧に対応いたします。
硯の鑑定をお考えの方は、ぜひ弊社へお問合せください!