2023.12.04

古物商とは?なぜ必要?骨董屋や中古品買取店を営むなら必要な許認可、取得方法などを解説!

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骨董品や中古品の売買を行うなら「古物商許可」が必要です。

「古物商許可」は、事前に都道府県公安委員に申請して取得する必要があります。

許可を取らずにリサイクルショップなどの中古品の売買業を営んでいると

「3年以下の懲役又は100万以下の罰金」(古物営業法第31条)に処せられる可性があります。

中古品の売買では、許認可が必要だということを常識として知っておくがあります。

また、中古品売買でお金儲けをしようと思うなら、必ず古物商許可を取得しておきましょう。

この記事では、古物商許可について、購入側が知っておきたい基本的な事柄について解説していきます。

ネットオークションやフリマアプリが流行していますが、個人売買でも古物商許可を取得しなければならないケースもあります。

また、自分のビジネスを今よりも拡大させようと思うなら、古物商許可が役立つこともあります。

また、古物商許可はどうやって取得するのでしょうか?

試験が不要な許認可であることから、取得するための難しい勉強が不要です。

しかし、書類の提出においては一部手直しなどが必要となることもありますので、スムーズに手続きができる方法については知っておいて損はないでしょう。

本記事では、

  • 古物商について
  • 古物商取得の必要性
  • 古物商許可があるとできること
  • どのようなケースで古物商を取得すべきか
  • 古物商許可の取得方法
  • 古物商許可が取得できない場合

などについて気になる点を解説していきます。

骨董品や中古品の売買を考えている方や、興味のある方はもちろん、これから良質の骨董品を集めたい・売りたい、と考えている方に対しての有益な情報を提供していきます。

古物商について

古物商とは、古物営業法と呼ばれる法律に定められている「古物商許可」のことです。

簡単に言えば、中古品の買取や販売をするために必要な「許認可」です。

法人でも個人であっても必要な許認可ですが、取得する必要がない場合もあります。

古物営業法

古物営業法は、古物の取り扱いについて定めた法律です。

第1条には次のように「目的」が記載されています。

『古物営業法

第1条(目的)

この法律は、盗品等の売買の防止、速やかな発見等を図るため、古物営業に係る業務について必要な規制等を行い、もつて窃盗その他の犯罪の防止を図り、及びその被害の迅速な回復に資することを目的とする。』

古物営業法より引用

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000108

古物には盗品も多いことから、盗品等の売買の防止や発見などが目的となっています。

古物商許可がないのに、中古品の売買業を行うと、3年以下の懲役又は100万以下の罰金に処せられるかもしれません(古物営業法第31条)。

古物(こぶつ)とはどのようなもの?

古物は「こぶつ」と読みます。

古物とはどのようなものなのか?古物商許可において該当する古物について確認しておきましょう。

  • 一度使用された物品
  • 使用されない物品で使用のために取引されたもの(いわゆる新古品)
  • これらの物品に幾分の手入れをしたもの

この定義を見ると、古物には「新古品」や「手入れ」をしたものも含まれており、単なる中古品やリユース品ではない、ということがよくわかります。

・古物営業法に規定された古物商許可対象の13品目

  1. 美術品類 (絵画・彫刻・骨董品など)
  2. 衣類(洋服・古着・着物・布団など)
  3. 時計・宝飾品類(時計・宝石など)
  4. 自動車(四輪自動車・タイヤ・カーナビ・各種部品など)
  5. 自動二輪車及び原動機付自転車(バイク・タイヤ・各種部品など)
  6. 自転車類(自転車・タイヤ・各種部品など)
  7. 写真機類(カメラ・レンズ・ビデオカメラ・双眼鏡など)
  8. 事務機器類(パソコン・コピー機・ファックス・シュレッダー・電話機など)
  9. 機械工具類(工作機械・土木機械・医療機器類・工具など)
  10. 道具類(家具・スポーツ用品・CD・DVD・レコード・ゲームソフト・おもちゃなど)
  11. 皮革・ゴム製品類(バッグ・靴・毛皮など)
  12. 書籍(文庫・コミック・雑誌など)
  13. 金券類(商品券・航空券・株主優待券・ライブチケットなど)

古物営業法より作成

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000108

古物商取得の必要性

古物商許可はなぜ必要なのでしょうか?

古物商の許可が必要な理由は、すでにご説明したように、犯罪を予防し、社会秩序を維持することです。

規制やルールがなければ、どんなものでも売買ができるようになり、犯罪を誘発する恐れがあります。

偽物や盗品の取引が増え、消費者が被る被害やトラブルももっと増えるでしょう。

古物商許可証を発行し、一定のルールがあるおかげで、誰もが安全で円滑、なおかつ自由な取引ができる世の中を維持できている、ということです。

古物商許可が不要となるケースも多い

ネットオークションやフリマアプリなどで売買する機会が増えています。

しかし、個人間での取引では、古物商許可が不要となるケースも多いのでこちらもきちんと押さえておく必要があるでしょう。

古物商が不要となるケースは次の通りです。

  • 自分で使っていた物を売るケース(条件がある)
  • 自分の物をオークションサイトに出品するとき(条件があります)
  • 無償でもらった物を売るとき
  • 相手から手数料をもらい回収した物を売却するとき(古物以外の許可が必要となる場合あり)
  • 自分が売った相手から売った物を買い戻すとき
  • 自分が海外で購入してきたものを売るとき

一般的には、自分が使用していた物を売るときは古物商許可が不要です。

ところが、購入時(商品の仕入れになる)に売却して差益を得ることを目的に売る場合は、中古品の売買とみなされ、古物商の許可が必要となりますのでご注意ください。

他には、海外から購入してきたものを売るときは古物商許可が不要ですが、輸入業者から「仕入れ」の目的で購入した中古品は、売却して差益を得ることが前提となっていますので、古物商の許可が必要となるでしょう。

どのようなケースでも「事業として行う」「お金のやり取りがある」「差益が出る」ときは、古物商許可以外にも何かの許認可や届け出が必要となることがありますのでご注意ください。

古物商許可があるとできること

盗品売買などの犯罪を防ぐ以外のメリットについてもきちんと理解しておいてください。

  • 中古品販売をビジネスとして拡大できる!
  • 古物市場に本格的に参入できる!
  • 所得控除が受けられること

中古品販売をビジネスとして拡大できる!

中古品販売を自分のビジネスとして本格的に行う場合は、必ず古物商許可が必要です。

継続して販売を続けることで、収益が得られ、ビジネスを拡大するのにも役立ちます。

また、近年伸びが著しい「リユース(中古品の再利用ビジネス)」の市場の将来の拡大に併せて、今から新規ビジネスを始めても軌道に乗せられる可能性があるといえるでしょう。

古物市場に本格的に参入できる!

古物市場に参入するには、まとまった資金も必要ですが、良質の中古品をいかに大量に集めることができるかが鍵となります。

大量に仕入れる際には、できる限り安く仕入れることが重要です。それが収益を生み出す元になるからです。

「古物市場」は、「古物営業許可証」を持つ人だけが参加できる市場のことです。

プロだけが集まる市場は、今現在日本全国で1,500箇所もあります。

古物市場は、品物の量だけではなく、その種類も豊富で多彩です。ビジネスチャンスは古物市場への本格的な参入によってその扉が開く、といっても過言ではないでしょう。

所得控除が受けられること

中古品売買を本格的に始めると、税金の問題は避けて通ることはできません。

個人であっても、利益が出ていれば、所得税がかかる可能性が高くなります。

事業として継続して行うなら、青色申告の手続きが必要ですし、最大65万円の所得控除を受けることができます。

税金対策は、中古品売買業においても非常に重要です。節税を行い、働いた分はしっかりと手元にお金を残すようにして賢く生きていきましょう。

どのようなケースで古物商を取得すべきか

次に、古物商許可が必要な取引についてみてみましょう。

  • 古物を買い取って売るとき
  • 古物を買い取って修理をして売るとき
  • 古物を買い取って、まだ使える部品等を売るとき
  • 古物を買い取らずに、売却後に手数料を貰うとき(委託売買など)
  • 古物を別の物と交換するとき
  • 古物を買い取ってレンタルするとき
  • 国内で購入した古物を国外に輸出して売却するとき
  • 上記の取引をインターネット上で行うとき

これらの事例を見ると、中古品を修理して販売する場合や、バラした部品の売買、委託売買、交換やレンタル、輸出などにおいても、古物商許可が必要だということです。

あらゆる取引に幅広く必要となることから、骨董品店やリサイクル店、レンタル業のほか、中古車販売店などでも古物商許可が必要となることがありますので注意しなければならないでしょう。

古物商許可の取得方法

古物商許可証はどのように取得するのでしょうか?

この章では、古物商許可証を取得する方法について解説していきます。

必要書類をそろえる

古物商許可を取得するときに必要な書類は次の通りです。

  • 古物商許可申請書
  • 住民票の写し
  • 略歴書
  • 身分証明書
  • 誓約書

上記は個人用の申請書類の例です。

法人の場合は、登記簿謄本、定款の写しなどを別途用意する必要があります。

さらに、営業形態によっては、「URLの使用権限を疎明する資料」「営業所の平面図」「周辺地図」などの提出を求められることがありますので、管轄の警察署で確認してください。

書類作成や手続きの時間がない、難しいという場合は、行政書士などの法律の専門家に相談してください。

古物商許可の取得費用

自分で申請する場合は、1万9千円〜です。

行政書士などの法律の専門家に代行してもらうと、さらに数万円が上乗せされますのでご注意ください。

古物商許可証の取得手続きの流れ

  1. 古物商許可の欠格要件を確認
  2. 古物商許可証申請に必要な書類をそろえること
  3. 警察署・生活安全課防犯係(公安委員会)に書類を提出
  4. 許可されれば古物商許可証が取得できる

「欠格要件」という用語は、許認可を取得するために満たさなければならない要件のことです。

申請後の審査に影響し、自己破産の経験、古物営業法に違反したことがある、禁固以上の刑に処せられた経験がある、などの条件をクリアしていないと、許可が出ません。

問題がなければ、申請書の受理から約40日間で交付されるのが普通です。

欠格事由(古物商許可が取得できない場合)

古物営業法第四条の「欠格事由」の具体例についてまとめておきます。

犯罪歴がある

未成年(18歳未満)である

成年被後見人、被保佐人である

古物商許可の取消しから5年経過していない

住所が不定である

外国籍であり、適切な在留資格を持っていない

公務員である

暴力団員である

営業所が用意できない

古物営業法より引用

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000108

まとめ

本記事では「古物商とは?なぜ必要?骨董屋や中古品買取店を営むなら必要な許認可、取得方法などを解説!」と題して、初心者が気になる点を解説いたしました。

お持ちの絵や美術品、骨董品の売買を行う場合は、古物商許可証を持っているのかどうかがお店選びのポイントです。

初めての相手であっても安全に取引をするためにも、法人・個人を問わず、ビジネスとして骨董品・美術品の売買を行うなら、相手が古物商許可証を持っているのかどうかしっかりと確認してください。

これから人気作家の良質の作品を集めようと考えている方も、別のアーティストの作品が欲しくなって手放そうと考えている方も、骨董品・美術品の鑑定・査定・売却を検討している方は、ぜひ弊社にお問合せください。



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