2024.01.19
象牙
2024.01.19
印鑑でも見かけることが難しくなった「象牙」。
日本でも象牙の美術品や骨董品が激減しており、もし今象牙をお持ちなら値段がついているうちに買い取ってもらったほうがいいでしょう。
なぜなら、ワシントン条約が発効した後、象牙や象牙製品の譲渡や売買が厳しく規制されるようになっているからです。
その分、既存の象牙の価値が間違いなく高まっています。
しかし、今後は象牙の全ての取引が突然中止される可能性もあります。
象の乱獲によって、象の数や取得できる象牙の数が激減しているからです。
象牙(ぞうげ)や牙を加工してできた象牙製品は、希少価値が高く、印鑑や箸、根付、印籠、楽器などに使用されており、これらは間違いなく立派な美術工芸品です。
象牙は、使えば使うほどに、飴色に美しく変化し、味わいが深まる天然の高級品です。
美術品やインテリアが趣味で、象牙や象牙製品のコレクターも多いため、アンティークで美術的な価値のある象牙製品なら、美術品や骨董品として高値で取引されることがあります。
象牙一本丸ごとの状態で見かける機会が減っているからこそ、本物の象牙の真贋を見極めることは以前よりも困難になってきています。
象牙製品を譲渡・売買するなら、正確な鑑定や査定が必要です。
譲渡や売買時に、トラブルにならないように、正確な鑑定ができる象牙専門の買取店へ相談すべきでしょう。
そして、現在、象牙や象牙製品は、登録業者でなければ取引ができません。
登録されていない業者に対して買取を依頼すると、譲渡した側にも懲役や罰金などの刑罰が与えられることがあります。
この記事では、今現在象牙や象牙製品をお持ちの方に向けて、象牙の真贋を鑑定できる専門店選び、写真による鑑定方法、初心者が簡単に見分ける方法、象牙製品の正しい取扱方法などについて解説しています。
お持ちの象牙の写真鑑定ならネットでも受付可能です。
一度正式な「鑑定」を依頼し、現在価値を再確認してください。
また、個人の象牙に関する取り扱いも厳しくなっていますので、お早めに売却することをおすすめします。
目次
象牙や象牙製品は、素人でもおおよその真贋判定が可能です。
しかし、偽物も数多く出回っていることから、専門家による鑑定をおすすめします。
事前に象牙を簡単に見分ける方法を知っていると、偽物を購入してしまうような失敗も防げます。
象牙製品でも、かなり精巧に作られた贋作も存在するからです。
ご自身でも象牙の真贋の見極めを行った上で、最後はプロに鑑定を依頼し、真贋の確認を行うことも重要です。
真贋鑑定の第一歩は、象牙の本物を知ることから始まります。
本物とは何か、偽物とは何か、明らかに違うからこそ、鑑定が可能です。
実際に本物の象牙を入手し、本物を理解していきましょう。
理屈では、象牙はカルシウムでできていて、木目のような縞模様があり、色合いは白に近いアイボリーなどといった説明ができます。
また、人工では再現できないような象牙が持つ独特の色合い、質感、艶などを見極める必要があるでしょう。
偽物の象牙で多いのが、レジンや大理石の粉末などを混ぜて型に流し込んで作られた贋作です。天然に比べると、色合い、質感、艶など、全てにおいて不自然さが感じられます。
真贋鑑定は、本物を理解し、数多くの鑑定作業を経験し、偽物との違いがはっきりわかるまで経験を積むことも必要です。
精巧に作られた贋作も増えており、素人が贋作を見抜くことも難しくなってきていますので、最終的にはプロの鑑定を頼るしかない場合もあります。
写真ではなく、現物の象牙が手元にあり、その象牙が全形を保持している状態のものなら、空洞の存在を確認してください。
天然の一本物の象牙は、根元から先端に向かう3分の1程度の部分が空洞になっているからです。
偽物は、根元部分の空洞がなく、詰まった状態です。
ただし、詰め物や蓋がついている象牙もあるため、写真だけでは判断できない恐れがあります。
象牙には、象牙特有の斑模様があります。
まずは、斑模様をよく確認することが鑑定の第一歩です。
象牙が持つ斑模様は、ランダムに存在し、同じ模様は一つとして存在しません。
一方の贋作は、人工的に模様をつけているため、よく見ると、均一な斑模様になっており、幾何学模様のように規則的に並んでいるものが多くなります。
また、斑模様が全くついていない贋作の象牙もあります。
こうした微妙な斑模様の違いは、本物をよく観察して確認するしかありません。
そして、素人であっても「本物の象牙」を一度も見たことがないようなら、鑑定といった緻密な作業は全くできない、といってもいいかもしれません。
象牙の真贋を見極めるには、専門家による鑑定をおすすめします。
ご自身だけで判断しないで、プロの鑑定士に鑑定を依頼してください。
プロの場合は、重量や比重、色合い、細工の精密さなどからより緻密な鑑定作業を行います。
象牙にしかないような独特の縞模様です。
人工的な模様がつけられた偽物は、本物に比べると無機質で均一な模様です。
また、縞模様がない偽物もあります。
天然の象牙には、僅かですがヒビや欠け、汚れなどがあります。
象牙は生物由来です。経年劣化すれば、ヒビや欠けが発生し、色も黄色くなります。
何年経ってもきれいすぎる象牙は、偽物の可能性が高いといえるでしょう。
天然の象牙は、硬いカルシウムが規則正しく並んだ構造です。
光にかざすと、格子状に透けて見えます。
偽物の象牙に使われている素材は、セラミックやレジンが多く、光を通しにくく透けて見えないようになっています。
象牙加工製品ではなく、象牙が全形を保持している状態なら、根元から先端にかけての3分の1くらいが空洞です。
偽物の多くは、こうした空洞がありません。
詰め物や蓋がついている本物の象牙もありますので、鑑定時は外して確認しています。
象牙を鑑定する際に、写真などの画像データを送って専門家に正確な鑑定を依頼する方法があります。現物を見ての鑑定ではないので、あくまでも簡易鑑定にはなりますが、提供する写真を見ての鑑定は可能です。
この章では、これまでご説明した鑑定方法のほか、写真鑑定のポイントについても解説します。
象牙の撮影にあたり、背景は無地の絨毯や壁などが適しています。
最初は、真横から全体が見えるように撮影します。(表と裏の2種類)
次は、先端部分と根元部分を撮影します。
最後に、
表側の彫刻などの装飾部分の「全景」と「詳細」の2種類を撮影します。
最低でもこの6種類の異なる角度から撮影した写真があれば、象牙の写真鑑定がより正確にできるようになるでしょう。
象牙の根元の写真を撮影すると空洞になっているのかどうかはすぐに判断できます。
偽物は、詰め物や蓋などがあり、空洞も浅い造りになっています。
本物は空洞も奥行きがあります。
写真に撮って拡大するとより縞模様の様子がわかります。
本物は、規則性のない自然な縞模様です。
偽物は、規則正しい模様がついており、無機質で不自然な感じがします。
象牙の根元部分に蓋がついている品物は蓋部分も象牙を使用しており、きれいな縞模様がついています。
蓋だけが本物というケースもありますので、総合的に判断すべき箇所でしょう。
象牙は、適度な硬さによって彫刻に適しており、繊細な装飾が可能です。
しかし、偽物の象牙は、柔らかい材質であるため、細かい装飾ができません。
より繊細ではっきりとした加工・細工が施されていれば、本物の象牙の可能性が高い、といえます。
本物と偽物の割れ方にも大きな違いが出ます。
丈夫な象牙も落としたり、倒したりすると割れることがあります。
そして、割れ方にも違いが出ることを確認しておきましょう。
偽物が割れると、割れた箇所は角がなくツルツルした断面になっています。
一方、本物は、硬いため、鋭利に割れています。
破損箇所を撮影した写真があれば、よく見ることで真贋の判断が可能となっています。
希少価値が高い象牙は、高額買取できます。
中古の象牙の買取額は、保管状態、サイズ、切り出した部位により異なります。
この章では、象牙の買取相場の目安について解説します。
全形を保持している一本牙の象牙は、重さ✕1kgの単価が基本的な相場です。
装飾が施され、美術的・骨董的な価値があると、査定がアップします。
例えば、象牙の加工品は、置物が人気が高いです。
置物1つにつき、数十万円の高値がつきます。
象牙の印鑑などの小物なら8千円〜数万円前後です。
象牙の査定額が高くなるケースは次の通りです。
特にインド象の象牙は最高級品です。
硬いものほど高値がつきます。
芯、牙の中心部に近い部位に価値があります。
象牙の取引を安全に行うには、買取業者を厳選してください。
この章では、象牙を安心して鑑定・査定できる業者選びについて解説します。
買取実績が豊富で、高値で売却できるルートを持つ買取業者を選んでください。
象牙専門の鑑定士の存在も必要です。
数多くの象牙を鑑定・買取した経験があれば、十分に審美眼も養われていると判断できます。
象牙を取り扱う業者は、絶滅危機に瀕する野生動植物を守る法律に基づいた「特定国際種事業者」に登録しています。
象牙の加工品を取り扱う場合でも必要です。
一本物だけではなく、象牙を加工した骨董品や美術品も多いためです。
鑑定・査定時にも、象牙に骨董的・美術的価値がプラスされます。
受付や電話での対応が丁寧な会社は、きめ細かいサービスを行っています。
象牙などの貴重な品物も丁寧に取り扱ってくれるでしょう。
気軽に相談や確認ができる点も大きな選択ポイントです。
また、取引後のクーリングオフ制度の有無なども確認しておきましょう。
象牙の鑑定や取り扱いでは、厳しい法規制があることを知っておきましょう。
この章では、象牙の鑑定に際し、注意すべき点について解説します。
象牙を売買するなら、ワシントン条約を知らなければなりません。
日本へ象牙の輸入の多いアフリカでは、象の密猟と象牙の違法取引が横行しており、象が絶滅の危機に陥っています。
象牙の国際取引は、ワシントン条約によって1990年に原則禁止となっています。
ワシントン条約を受けて、日本では、1992年に「種の保存法」が制定されました。
違法な象牙の国内取引を防止する管理制度により、厳格に管理されています。
種の保存法では、生牙(原木)・磨牙・彫牙・全形を保持した象牙の売買も原則禁止です。
しかし、ワシントン条約規制前に取得したものは「登録」後に所持・売買可能です。
売買時は、登録番号や登録票を提示して売買を行いましょう。
象牙だけではなく、象牙製品全般を取り扱う業者も登録制になっています。
しかも、5年ごとに審査と更新が必要です。
買取業者も厳正に管理され、象牙製品を持つ人は個人でも登録が必要です。
象牙をお持ちで、家族や友人に譲渡する時も、登録が必要です。
ルールを守り正式な手続きを行ってください。
本記事では「象牙の鑑定は写真でも可能?プロの鑑定方法や素人でも簡単に真贋を判断する方法を解説!」と題して、象牙の鑑定・写真による鑑定に関する参考情報を提供いたしました。
お持ちの象牙や象牙製品の鑑定・買取をご希望なら、信頼できる象牙取扱専門店、象牙の取り扱い実績の豊富な骨董品店・美術商などに鑑定・査定を依頼してください。
象牙製品を多数お持ちで、まとめて手放そうと考えているなど、象牙の処分や取り扱いにお困りの場合は、ぜひ一度弊社にもお問合せください。