2023.12.04
鎧兜
2023.12.04
家の床の間には、先祖代々から飾られている兜(かぶと)と 鎧(よろい)があります。
この兜は、どれくらいの価値があるんだろう? 売る場合はいくらで買取されるのか?
そこでこの記事では「兜を売る」とき 失敗しない骨董品買取の解説をします。
目次
古来より兜は戦場で使用していました。
どのような兜をかぶることで、自らを輝かせるのか? 威厳を保てるのか!
本来 兜(かぶと)は戦場において「頭部」を保護するものですが、時を経て武士が自らを主張する役割も果たすようになりました。
日本史の合戦において武器は鉄砲や刀であり、楯の役割をしたのは「兜」や「甲冑」でした。
兜は鎧(よろい)や他の具足とセットで用いられ甲冑(かっちゅう)とも呼ばれています。
日本の武士が戦時でかぶる「兜」は、敵・味方を識別したり、防具としての役割以上に着用する武将に威厳を持たせる役割を担うこともあるようです。
兜は防具としてだけでなく、武士の地位や名誉を示す重要なアイテムなのです。
武士文化において 兜はただの戦場用防具だけではなく、その人の人生や哲学を表現するアイテムでもあり、戦国時代には各大名が独自のデザインや装飾を持つ兜を持っていました。
有名な武将ともなると、合戦用と行軍用、儀式用に数種類もの異なる兜を所持していたりもします。
室町時代末から江戸時代初期の戦乱の世にいたっては、今までの常識にとらわれない「変わり兜」などの斬新奇抜なものが、数多く作られるようになりました。
それまで兜の正面を飾る立物は鍬形が大半でしたが、動物や植物、器物、神仏を象った立物が生まれ「変わり兜」として武将達の間で大流行しました。
なぜ流行したかというと、やはり目立つため!特に戦場で混戦状態になれば、敵・味方の区別がつきにくくなるため 目印の意味もありました。
さらに立物に取り入れる事柄にもこだわりがあり、信仰する神仏を付けて戦勝祈願したり、動物の角を模して威厳を示したりなどしたのです。
特に蜻蛉(とんぼ)は、後ろに退かないことから「勝虫(かちむし)」と呼ばれ、多くの武将に好まれました。
「変わり兜」は、日本だけでなく海外のコレクターにも人気の兜となっています。
甲斐国の武田信玄は、戦国時代の名将として多くの戦いを勝利に導いたことで知られ、彼の兜はその象徴とも言えるアイテムです。
信玄の生涯は多くの戦とともにあり、彼の兜は彼の勇猛さや戦略を象徴するものとして多くの人々に知られています。
武田信玄の兜は、多くの戦国大名が持っていた兜とは一線を画すデザインで、独特の形状や戦場での室別や敵からの攻撃を避けるためのデザインが施され、家紋や色彩もしっかりと刻まれ、武田家の誇りを示しています。
武田信玄の兜は「優れたリーダー性」などの意味が込められていることで人気があり、レプリカが多く製作されています。
兜は、鉄などの硬い材質で作られており、敵の打撃を受けてしまった場合でも着用していることで、工事用のヘルメットのように頭部の致命傷を避けられるメリットがあります。
兜の装飾用には、革、和紙、木を始め、金や銀、銅なども用いられました。
しかし、兜の上からであっても、頭部に敵の打撃を受けることに変わりはありません。
兜の構造とパーツの役目を知ることで、兜の理解が深まります。
兜の構造は、主に頭部を守る金属や革でできた鉢(はち)と、後頭部や首周りを守るため鉢の下部から垂らした錣(しころ)から成り、鉢には額部に突き出した眉庇(まびさし)が付いています。
まびさしは、雨や風などを除けたりするのに加え、額の攻撃を防ぎます。
しころは両端を顔の左右の辺りで後方に反らし、これを吹返し(ふきかえし)と呼びます。
これは単なるデザイン的要素ではなく、視界を広げるためのものであり、側面を「錣」で全体的に覆ってしまうとどうしても視界が遮られてしまうため、横からの敵や様子を見やすくするために工夫された形にしたものです。
兜の顔の部分についているものが「面頬(めんほお)」で、基本的には当然顔の部分を守る役目ですが、敵を威圧する役目も備わっていました。
平安時代以降の兜には、額の部分や側頭部等に「立物」(たてもの)と呼ばれる装飾部品が付くようになり、特に額の左右に並んだ一対の角状の金属の立物を「鍬形」(くわがた)と呼び、クワガタムシの語源となっています。
武将の兜には強い信仰と意志が込められている
「真田幸村」の兜には、神の使いと死後の平安を表す「鹿の角」と「六文銭」。
「上杉謙信」の兜には、妙見信仰を表す「日輪」と「三日月」。
「織田信長」の兜には、鳥の巣と神の御加護を表す「木瓜紋」と「御簾」。
・・・ といったように、各武将の鍬形や前立てには強い信仰と意志が込められています。
兜や甲冑と言えば、一番身近でわかりやすいのが「端午の節句」の五月人形です。
「端午の節句」の由来は、鎌倉時代の武家では梅雨目前の5月になると、兜(かぶと)や鎧(よろい)を外に出して虫干しと手入れを行う習慣があり、その名残りと言えます。
端午の節句になると、男児のいる家庭では兜や鎧、それらを携えた五月人形などを飾ります。
そもそも武士にとって兜や鎧は身を守るための道具で、これらを飾ることは、病気や事故などから男児を守り、困難に勝ち、丈夫に成長してほしいという願いが込められています。
兜が飾られる五月人形で、人気がある武将のランキングは「徳川家康」「伊達政宗」「上杉謙信」の3武将が毎年トップの座を競い合っているようです。
この兜の特徴は、 鉄板を打ち出した形が「大黒天」の頭巾のような形をしていることから、「大黒頭巾形兜」(だいこくずきんなりかぶと)と呼ばれており、この兜は、関ヶ原の戦いを直前に控えた時期に、徳川家康の夢の中に出てきた大黒天を再現させたデザインです。
特に戦国時代にピリオドを打ち、天下統一を果たした徳川家康の鎧兜は“出世兜”と呼ばれ、大変縁起が良いとされています。
独眼竜と呼ばれた戦国時代最後の英雄・伊達政宗は、その異名の通りの隻眼とともに大きな三日月の前立てをつけた黒兜で知られています。
黒塗りの兜に大きな金の三日月がつけられた兜は、シンプルながら頑丈な作りでスタイリッシュな魅力にあふれていて、眼帯と並んで伊達政宗のトレードマークとなっています。
兜の前立てが月をモチーフにしているのは、星や月の天体は神々の象徴でもあり、戦場での加護を願って旗印や模様に取り入れることが多くありました。
生涯で70回の戦に出陣し、うち敗北が2回のみという勝率の高さから「軍神」とも呼ばれた戦国武将・上杉謙信・・・ 彼の兜は太陽を表す「日輪」と「三日月」の鍬形が特徴的です。
謙信が鍬形として日輪と三日月を選んだのは、護身と勝利の神である「摩利支天」を信仰していたからだと言われています。
私たちは兜を目にした時、ほんの一瞬、戦国の世にタイムスリップできます。
でも、この兜はどれくらいの価値があるんだろう? 売る場合はいくらで買取されるのか?
家で飾られている兜と鎧…手放すことを考えたら、少しでも高く買い取ってもらいたいですよね?
現在では刀剣や甲冑と同じく、美術品としての価値も高い「兜」をコレクションにしている人は非常に多く人気も高まっています。
でも、市場には多くのレプリカが出回っています!
本物の兜は、特定の材質と製法で作られているので、レプリカと比べて、質感や重さに違いがあります・・・また、細部のデザインや装飾にも違いが見られることが多いです。
真の兜は、長い時間をかけて熟練の職人・甲冑師が手作業で作り上げたものです。
本物の兜には、歴史的な背景や証拠があります・・・例えば、特定の戦で使用されたという記録や、家紋などの特徴が確認できる場合があります。
兜の査定で重要となるのは、製作年代や甲冑師、保管用の箱です。
製作年代が分かれば、その当時どれくらい兜の生産があったかが見えてくる為です。
兜の生産量自体が少ない時代の作品であれば、自然と希少性は高まり大量生産された時期のものであれば、有名な武将や大名の愛用品かどうか検討する手がかりになります。
兜の製作者である甲冑師は、多くの時代に名のある人物が誕生しました。
鎌倉時代は熊野打、室町時代では雑賀派、戦国時代以降になると岩井派・早乙女派などとさまざまな流派が派生していきました。
兜に有名流派の特徴がよくみられれば、高額査定の可能性があります。
甲冑師が名前を入れるようになったのは室町時代の末期からですが、甲冑師が誰であるか確認できるものが、兜を入れる箱です。
「兜の銘」が箱にしっかり記されていると高評価につながるため、兜の買取では箱の状態も大切なポイントのひとつです。
精巧な贋作の多い兜買取では、高価買取をする為には鑑定士の質が最も重要で鑑定士の質が悪ければ、お客様の大切な兜の買取価格は下げざるをえません。
兜のスペシャリストによる鑑定を受けることで、その兜の真偽を確認することができます。
実店舗があり、大切な骨董品を安心して預けることができ、管理も徹底している。
また、クーリングオフなどのしっかりした制度や、お客さま相談窓口が充実していること。
買取査定や、キャンセルなどをした時に手数料がかからないこと。
日本全国で買取ネットワークエリアを持っている専門店は、情報が豊富で対応が早くスムーズです。
倉庫や蔵に眠らせている骨董品は、保存状況で劣化していきます。
古いからこそ価値が上がる骨董品でも劣化が激しい場合、価値は下がります。
絵画や兜など、興味のない人にとっては無価値に見える品物が、数百万円を超える買取価格になることもあるので、もう一度見直しましょう。
あれこの兜は? メジャーリーグの大谷選手がホームランを打った時にかぶる兜に似ている?…もしかして、高い値段がつくかもしれませんね!?