2024.11.22
作家名
2024.11.22
DOLK (ドルク)とは、ノルウェー出身の人気ストリートアーティストです。
BANKSY(バンクシー)主宰の「POW」からデビューを果たし、ヨーロッパ各地にわたり、次々と新作を創造、発表し、絶大な評価を得ています。
最初のころ、DOLK (ドルク)は、バンクシーのような感じで、社会を風刺するようなアート作品を多く提供していたのですが、次第にバンクシーとは違い、抽象的アートへと変化していきます。
目次
DOLK (ドルク)は、ノルウェーのベルゲンに誕生しました。
ノルウェーといえば、ムンクと答える方々は多いでしょう。しかし、DOLK (ドルク)は、ムンクから影響を受けるではなく、バンクシーに多大なる影響を受けています。
DOLK (ドルク)は、メルボルンでグラフィックデザインを学び2003年からベルゲンでステンシルアートと向き合うことになります。
そして様々な世界へと羽ばたき、それぞれの国々に「ミューラルアート」の痕跡を残してきました。
2006年頃からDOLK (ドルク)は、積極的に展覧会やアートフェスティバルへの参加をするようになり、知名度を求めアートのスタイルを徐々に変化させていくことになります。
その努力は実り、どんどんDOLK (ドルク)の知名度は増し、2010年にはアメリカ進出にも成功しました。
しかし、DOLK (ドルク) は生まれた土地ノルウェーを全く忘れてしまった訳ではありません。 彼は、ノルウェー政府からの依頼でハルデン刑務所内の壁に、またノルウェー出身のアーティストPøbelとともにオスロなどの主要鉄道の駅にアートを残すなどの活動も行ってきました。2011年にはオスロではじめての個展を開き、9点のキャンバス作品は即完売されています。
その後も、Webサイトでシルクスクリーンアートを販売すれば、250という数のアートが数分で完売、DOLK (ドルク)はあっという間に売れるアーティストとなり、不動の地位を築いていきます。
また、2016年ころからは、再びアート作品に変化があらわれ、ストリートアーティストとしての活動にいったんピリオドをうち、抽象的で現代的なものが次々と発表されています。
彼は、現代アーティストとしての活動に転換し、それまではインタビューもほとんど拒否し、素顔も明かさないスタイルを貫いていたのですが、2018年には素顔、また本名も公表しています。
DOLK (ドルク)は、バンクシーが主催するPOWから華々しいデビューを果たしています。
結果、当然、バンクシー(BANKSY)と似た系統のアーティストということになります。
バンクシーが主催するPOWとは、2003年、当時の支配的な画商たちに嫌悪されていたアーティスト、グラフィティライター、イラストレーターのコレクションによってスタートしたギャラリーのことです。
「Pictures on Walls」を縮めて、「POW」となります。
POWでは、オリジナルのアートを創造し、かつ販売し、新しい世代のアートを一般の人たちに届け、アーティストを育成しています。
レンガの壁に囲まれた回廊という雰囲気の中で、シンプルに、アートとアートを照らすライトだけ……、鑑賞する方人たちが、バンクシーが生んだ子どもたちと、直に対話することができるようなスペースが続いています。
DOLK (ドルク)が真剣に向き合ったアートは、ミューラルアートです。
ミューラルアートは、壁画のことを言います。決して新しいアートの概念ではなく、古代の洞窟に対しても使われる言葉であり、
また、現在、街で見かけるオシャレなアートも、ミューラルアートに属します。
街で見かけると言っても、日本人の方々にとってはまだまだミューラルアートは、一般的ではないのかもしれません。しかし、海外では、日本以上、街並みを構成する重要なポイントともいうことができます。
それでも現在、日本人の方々もようやくミューラルアートを認知するようになってきたのではないでしょうか。
ミューラルアートといえば、なんとなく格好のいい感じもあるのですが。しかし、ミューラルアートというものの「所詮は落書きでしょ……」と思っている方々もいることでしょう。
日本ではまだまだという感じですが、海外では、政治であったり宗教、また文化の分野に至るまで、何かを問題提起するようなパワフルなミューラルアートを散見することができます。
言葉というものは、直接相手に意味を伝えるために存在しています。ですから、できる限り解釈の違いが起こらないようになっているはずです。
しかし、アートは言葉ではありません。言葉でないから、パワフルな問題提起がされていたとしても、様々な解釈が生まれ、そこに議論の渦ができます。
海外の人たちは、そのような意味では、日本人と比較して全然、議論する機会をもっている人たちであるのかもしれません。
逆に日本人は、それぞれが自分の殻に閉じこもった孤立したおとなしい民族ということができます。
日本人の方々も、今後、ミューラルアートを鑑賞して、様々な議論をかわしていただければと思います。そのためにもミューラルアートが、もっと街のいたるところに登場する必要があるのではないでしょうか。
もちろん、ミューラルアートは、落書きではありません。それは、ミューラルアートが落書きでないと鑑賞する人たちが判断しているからです。また少なくとも、ミューラルアートは壁の所有者の許可を得て描いているため、落書きとは別のものだということができます。
DOLK (ドルク)は、 2012年に原宿にミューラルアートを残しています。原宿のDIESELのウラあたりにある建物です。大阪住吉区においても、DOLK (ドルク)のミューラルアートを鑑賞することができます。
バンクシーのことが好きだから、DOLK (ドルク)のことを知ったという方々も多いのかもしれません。また、ただ格好いいから、オシャレだからという理由で、DOLK (ドルク)のアートを購入したという方々もいらっしゃるのかもしれません。
原宿のDIESELのウラあたりにあるDOLK (ドルク)のミューラルアートは、女の子がキティーちゃんのスカーフをなぜだか口に覆い、厳しい眼光でこちらを見ています。
こちらはモノクロ作品なのですが、「kitty Riot」では、キティーちゃんのスカーフだけが衝撃的に赤いです。
女の子の眼光が厳しいのに比較して、スカーフの内容がやわらかいキティーちゃんであることにも衝撃的違和感を感じますし、女の子がモノクロなのに対して、スカーフの赤いカラーが衝撃的です。また、女の子はなんで、赤いスカーフで口を覆ってしまったのでしょうか。
なんで、女の子が厳しい眼光をしているのか、なんで女の子が赤いスカーフで口を覆っているのか、そんなことも全部こちらでは用意していないから、言いたいことは一杯あるけどあえて語らず、そっちで勝手に考えてくれよと言っているかのようです。
アートを目の当たりにして、見ている側が何か考えざるを得ない……、そのような意味でも、充分、落書きではないことを証明することができます。
落書きは、あえて言えば見ている側と描く側のコミュニケーションは切断され、描いている側の思い込みにすぎなくなってしまう恐れがあります。しかし、ミューラルアートは、見ている側としっかりつながり、見ている側がアートを生き物のように育てていってくれているかのようです。
大阪市住吉区のDOLK (ドルク)のアートは、女の子ではなく、ワンちゃんです。ワンちゃんが吠えようとしているかの様子ですが、残念ながら口には王冠がはめられてしまい、吠えることができない状態です。
ワンちゃんが吠えることができない苦しみを私達に訴えかけているという感じもしないではありませんが、ワンちゃんが吠えることができない状態であることで、逆に私達は、実際に吠えている以上に、ワンちゃんが吠えようとしている理由は何かということまでつい考えてしまうのではないでしょうか。
そして、ワンちゃんの口をふさいでいるのは、意味をなさなくなってしまった王冠です。王冠とは、王様の頭につけられてはじめて意味をもつものではないでしょうか。
王冠が、たかがワンコロの口をふさぐための道具として扱われていることから、権威に対しての反感意識を感じとることができます。
主張するためにただ吠えればいいのではない。権力を奪い取るためには、吠える以上、
心の内部からわきたつイデオロギーが大事なんだと言っているかのようです。
そんな強いメッセージが、ありきたりの街の風景になっている……ということも、まさに不思議さを感じさせます。
王冠のように、DOLK (ドルク)は、アート自体も小馬鹿にしているふりをしているのかもしれません。ふりをすることで滲み出してくるものが、本当の意味でのアートの本質なのかもしれません。
現在、DOLK (ドルク)のアートを所有していて売却査定して欲しいと思っている方々もいらっしゃることでしょう。
現在、DOLK (ドルク)のアートは、若い人たちを中心として人気であるため、高い買取価格がつく可能性が高いです。
世界各国のストリートアートファンに絶大な人気を誇っているDOLK (ドルク)は、プリントを販売すれば数分で完売してしまうほど売れっ子です。
また、近年、作風も変わり、市場に出回る数も少なく、なかなか入手が難しいアーティストの1人であるため、かなりの高額の売却査定で取引されています。
いかがでしょうか。今回は、DOLK (ドルク)のアートについて、また買取情報をお届けしました。
アートという存在も流動的であり、このような形で進化しているのです。
まさに、DOLK (ドルク)のアートは、見ている人たちが参加するアートと言っていいでしょう。
鑑賞する人たちがDOLK (ドルク)のアートを見て、いろいろと考えることで、アートの価値を高めていくのです。
人々は、ただ情報に流され、考えることをしなくなってしまったのではないでしょうか。
そんな現代人の方々のお部屋にぜひ、DOLK (ドルク)を一枚飾っていただきたいです。