2023.11.27

ヴラマンクの鮮やかな原色フランス絵画の魅力と買取査定・売却について紹介

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モーリス(モリス)・ド・ヴラマンク(Maurice de Vlaminck)は、19世紀末~20世紀のフランスの画家です。

音楽教師の子に生まれ、独学で絵画を描いてオリジナルの作品を作っていますが、ゴッホからは影響を受けたと自身が語っています。

フォーヴィスム(野獣派)の創設者の一人となっていて、原色を多用した鮮やかな色彩感、力強く激しい筆使いが特徴です。原色を塗りつけているような作風が魅力です。

そんなヴラマンクの作品の特徴や魅力について紹介します。

また、買取が可能かどうか、売却時の買取査定などについても紹介していますので、参考にしてください。

ヴラマンクとは

モーリス(モリス)・ド・ヴラマンク(Maurice de Vlaminck)は、1876年フランス生まれの画家であり、文筆家です。

19世紀末~20世紀の画家で、フォーヴィスム(野獣派)に分類されている一人です。

1876年パリで音楽教師の子どもとして生まれますが、家を飛び出して自由に暮らした人物と言われています。自分の才能以外は信じない主義がヴラマンクの性格です。

絵画を始めますが、伝統や教育は拒否し、ほとんど独学で制作しています。そんな彼がゴッホからは影響を受けたと言います。

1900年、シャトゥー出身の画家、アンドレ・ドランと偶然知り合って一緒にアトリエを借り、1901年にはパリで開催されたゴッホ展を見て影響を受けます。

そして、そこでアンドレ・ドランからアンリ・マティスを紹介されることで、フォーヴィスム(野獣派)へ作風を移行。原色を多用する作風、力強い筆使いが特徴となっていきます。多くの人を迫力ある色彩やタッチで魅力する独自の作風ができていったと言えるでしょう。

ヴラマンクの作品の特徴と魅力、フォーヴィスム(野獣派)への傾倒

ヴラマンクは、アンリ・マティスらとともにフォーヴィスム(野獣派)の創設者の一人となっていることで有名です。彼の作品は、原色の鮮やかな色のインパクトがあり、力強い筆使いが魅力と言えるでしょう。

フォーヴィスム(野獣派)は、写実主義とは異なり、目に映る色彩ではなく、心で感じる色合いを表現するものです。キュビズムのように理知的ではなく、感覚を重視し、色彩はデッサンや構図に従属するものではないというのが主義です。

主観的な感覚を大事に表現するために色を自由に使うことを提唱しているのが特徴となっています。

セザンヌから刺激を受ける

また、1907年には、ポール・セザンヌの回顧展を見に行き、色彩から画面構成を中心にするようになり、抑えた茶色や白を基調の画風に移行していきます。特に白の印象が強くなっていくのが特徴です。

そして、ヴラマンクは第一次世界大戦で兵役に就き、復員後は、パリ郊外で厚塗りの情感溢れる大きな筆使いで描くようになります。さらに郊外に転居後は、村や周辺の町の風景画や静物画を多く描きました。

またこの期間、文筆家としても活躍し、20点以上の著作を発表しています。1907年から晩年まで多くの絵画作品制作と文筆活動をしていた人物です。

評価される初期の「フォービスム(野獣派)」時代の絵画作品

常に独自の画風を作り上げてきたヴラマンクですが、彼の作品の魅力としては、やはり1905年頃のアンリ・マティスやアンドレ・ドランとともに「フォービスム(野獣派)」で一世風靡をした時代の画風に注目が集まります。

感情を爆発させたような迫力のある筆使いが多くの人の印象に残る作品として、評価されていると言えるでしょう。

ヴラマンクの経歴を紹介

1876年フランスのパリの音楽教師(バイオリニストでベルギー人)の家に生まれる、父親の友人の画家から油絵の手ほどきを少し受ける機会がある

1894年生活のために自転車競技を行うが、軍隊に入営。3年間の兵役で軍楽隊でコントラバスの奏者になり、独学で絵を学ぶ

1900年アンドレ・ドランと出会い、共同でアトリエを借りる

1901年ファン・ゴッホの回顧展に行き、感銘を受けて画家を志す

1902年友人のセルナダとの共著「風に吹かれる種子」を発表

1904年「フォーヴ」の一つのグループを形成

1905年ヴラマンクも出品した、アンデパンダン展の一群の作品が「フォーヴィズム(野獣派)」と呼ばれるようになる

1906年セザンヌの作品を見て強く刺激を受ける

1907年最初の個展を開催。ヴラマンクの「フォーヴィズム」の総決算となる

1908年ポール・セザンヌの影響を受け、強固な構成にこだわるようになる

1914年第一次世界大戦へ召集される

1918年第一次世界大戦終戦後、ドランやマティスから離れ、フォービズムからも遠ざかる

1919年二度目の個展

1920年「作家論」が出版される。写実性の強い画風に変化

1922年ベルネイム・ジュンで個展を開催

1925年ベルネイム・ジュンで全傑作展開催。ノルマンディ平原の小さな村ラ・トゥルイエールへ転居

1933年グループ展とパレ・デ・ポーザルで回顧展

1936年NYカーネギー研究所での展覧会

1937年パリ万博で個人展

1947年シャトゥー派回顧展が成功し現代絵画創始者の一人として認められる

1954年ヴェネツッア・ビエンナーレに出品

1956年シャンパルティエ画廊で80歳を記念する回顧展

1958年ジュネーブのアテネ美術館で回顧展、82歳で逝去

ヴラマンクの有名作品

・「赤い木のある風景|1906年~1907年」

この頃は、印象派のゴッホから大きな影響を受けた時期です。彼自身はこの作品について「私は衝動的に青の上に赤を使い、私が描いているものについて考えずに、私のブラシで気持ちを表現したかった」と述べています。

フランス、イル=ド=フランス地域圏に位置するブージヴァルに直立する赤い木の幹を写実ではなく、感覚的に描いている作品です。この絵を描いた頃から画家として絵画に専念するようになり、それまでの暗い色調から明るい色合いの作品が増えた作品となっています。パリ、ポンピドゥー・センターに所蔵されています。

・「The River Seine at Chatou |1906年」

ルノーワルのゆかりの地シャトウの穏やかなセーヌ川に浮かぶ二艘の小舟が描かれています。赤、オレンジ、青、緑、白のほぼ5色が使われ、ゴッホに影響を受けた作風が見られますが、独自性にもあふれています。手前の内側に曲がったオレンジの枯れた二本の木が特徴的な明るい色彩の絵となっています。

ニューヨーク、メトロポリタン美術館に所蔵されている作品です。

・「Barges on the Seine (Bateaux sur la Seine) |1905年~1906年」

こちらもゴッホの作品にインスピレーションを得ているような作風です。しかし、独創的な作品で、セーヌ川の眺めを描いています。セーヌ川のはしけが一日中行ったり来たりする運河を描いています。後期の作品とは違い、力強い色彩にあふれた作品です。運河の波の白いストロークが印象的な絵となっています。モスクワ、プーシキン美術館にある作品です。

作品が見られる場所を紹介

ヴラマンクの作品が見られる場所ですが、なんと、日本でも見られます。

「画家の父の家|1904年~1905年」「シャトゥー|1906年頃」「湖1913年」「午後の眺め|1916年」「水辺の家|1918年~1919年」「雪|1920年~1922年頃」「雪景色|1921年」「花|1924年頃」「ゆるやかな坂道|1928年」の多くの作品が箱根の「ポーラミュージアムで見られます。

「雪景色1920年以降」「花瓶1935年」「木のある風景|1950年頃」「雪の集落」の作品が「ひろしま美術館」で見られます。

ヴラマンクの作品の売却は可能?買取査定はどのくらいなのか

ヴラマンクの作品が売却可能かどうかですが、「フォービスム(野獣派)」の創設者の一人ですので、その作風の明るい原色の色使いのものが高評価となっています。

それ以降の作品は、さらに作風が暗い物もあり、反復的に描かれたものもあるため、あまり買取査定の評価などは高くありません。

ヴラマンクの場合は、初期の時代の作品の方が歴史的にも有名で、売却時の買取査定は高い傾向です。感情を爆発させたような、絵の具をそのまま付けたような迫力のある作品が人気です。

世界的にも人気のヴラマンクは、日本にも多くのコレクターがいるため、売却の際も注目されておすすめです。美術史上でも著名で多くの国に所蔵されているため、ファンも世界中にいます。そのため、買取査定も安定していてオススメだと言えるでしょう。

輸入され始めた全盛期よりも買取査定は落ち着いていますが、安定しています。

特に売却時は、風景や花を描いている作品が高額査定となり人気となっています。

ヴラマンクの買取査定は、国内に流通している作品は10号以下の小さなサイズが多いのですが、それでも買取査定額は数百万円台が多い傾向です。

クオリティの高い作品では、1,000万円以上の高額買取査定になる場合があります。

また、版画もありますが、こちらは数万円台の買取査定です。原画作品と比べると低くなりますので、売却の際は注意してください。

まとめ

フランスの画家、モーリス(モリス)・ド・ヴラマンク(Maurice de Vlaminck)について紹介しました。独自の画風を貫いた画家ですが、フォーヴィスム(野獣派)の創設者の一人として有名で人気があります。

感情を爆発させたような迫力のある色使いや筆使いが大きな魅力となっています。

また、彼はゴッホに影響を受けながら、独自の作品を作り上げてきた人物と言え、初期の段階のフォーヴィスム(野獣派)の頃の作品が特に高評価を得ています。世界的にも著名で、日本でも人気があると言えるでしょう。

そして、彼は画家として時には文筆家として、生涯自己表現を追求してきた人物とも言えます。82歳で亡くなるまで、作風は変わっていきますが、ダイナミックな迫り来るような魅力ある作品を残しています。ヴラマンクの作品には、常に作品を通して自由に自己表現をし続けた大きな魅力があると言えるでしょう。

今、高額で買取査定してもらえる所を探すのも良い方法ですし、もっと高く売れる状況を待って売却をすることも可能です。

ぜひ、紹介したヴラマンクの魅力をよく知った上で、買取査定と売却について検討されることをおすすめします。



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