2024.01.19
象牙
2024.01.19
象牙が高い価格で鑑定、査定される理由は様々あります。
1つは象牙の見た目が美しいから、多くの人たちが欲しいと思っているのです。
また、象牙には、アート的魅力も備わっています。
そして、象牙について抑えておかなければならないポイントは、希少価値が存在していることです。
象牙の鑑定において、まずは、その象牙が「ホンモノ」か「ニセモノ」かを見極めていきます。
なぜ、そのようなことを真剣におこなわなければならないのかといえば、象牙には、ニセモノも多く出回っているからです。
今回は、象牙の鑑定がどのようにされていくのかについて解説します。
この記事では、
象牙の鑑定がされる背景
象牙の鑑定方法
象牙の鑑定・査定で買取額が決まる
について知ることができます。
気になる方はぜひ一読ください。
目次
象牙は、熟練した鑑定士がしっかり鑑定し、ホンモノかニセモノかを判別します。ホンモノであれば、次はどの程度の買取価値が存在しているのか査定していきます。
みなさんがお持ちの象牙も、鑑定・査定してもらうことで、思っている以上の買取額になる可能性も充分にあります。
また象牙には、ニセモノも結構多く出回っています。
それは何故なのでしょうか。
それは、象牙には希少性があり、なかなか手に入れることができないからです。簡単に手に入れることができるモノであれば、ニセモノなんて敢えて作る必要もないでしょう。
しかし、たくさんあることで、希少価値もなくなってしまうことでしょうし、美しいと思えていたモノも、ごくごく当たり前のモノに見えてしまうかもしれません……。そのような意味では、美しいという意味も、かなり抽象的なものなのです。
象牙が貴重だと思われているのは、希少性と関係しています。
1977年には、アフリカにはおおよそ130万頭ものアフリカゾウが生息していたと報告されています。しかし、それ以降は、象牙が頻繁に取引されるようになり、需要から乱獲の事態が起こり、象の数が半減してしまったのです。
そして、1989年にはワシントン条約の「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」において、象牙の国際的取引が全面的に禁止されます。そして、日本も含めて多数の国々が、厳正な管理のもと行う象牙取引を世界に働きかけてきたのです。
日本でもそのような厳しいルールが作られたことで、密漁する輩も増え続けてしまうことになります。そして、2017年には、中国では象牙の販売自体が禁止されています。このような事態が日本で起これば、私達は、象牙に触れる機会も見失ってしまうことでしょう。
日本では、現在、他国から象牙を輸入することはできないのですが、国内においては、象牙の取引が合法とみなされています。
・日本国内
象牙・象牙製品の国内での商業取引は禁止されています。ただし、適正に入手し、所持、所有することには制限はありません。と環境省のホームページにも記載があります。
国内において象牙・象牙製品の取引(売る、買う、あげる、もらう、貸し借り、以上のすべての行為について有償無償は問わず)は原則として禁止です。ただし、例外として商業取引が可能であるのは「事業者登録」を受けている業者から、象牙を入手するケースと、あらかじめ登録を受けて登録票のある全形牙を登録票とともに取引するケースです。
ちょっと分かりづらいのかもしれませんが、日本では国内での取引が禁止されているものの、厳格な禁止がされている訳ではありません。そこには、象牙業界と政府機関のつながりがあったため、多少ののりしろが残されてしまったのかもしれません。
しかし、いずれにしても、象牙に対して規制が日本にも存在しているため、私達は、簡単には象牙を手に入れることができないデメリットがあります。しかし、そのデメリットこそが、象牙に希少価値をもたらす大きな要因なのです。
象牙には、ニセモノも多く出回っているため、鑑定士の厳しい鑑定眼が必要であり、鑑定されることで、ホンモノかニセモノかが見極められていきます。ですから、象牙を専門に扱う店舗なら、安心して象牙を購入することもできます。
象牙においては、鑑定がとても大事な役割をもちます。みなさんも、絶対にニセモノの象牙を高いお金で買おうとは思っていないことでしょう。安易にニセモノの象牙を購入しないためにも、象牙がどのように鑑定されるのかあたりも理解しておくといいでしょう。
象牙の鑑定ポイントは以下です。
・縞模様
・劣化具合
・空洞があるかどうか
・光の透過
その象牙がホンモノかニセモノか、象牙の鑑定では、まず模様に注目しています。
ホンモノの象牙には表面に縞模様がありますが、ニセモノの象牙には、模様がないモノが多く出回っています。
模様がないモノが多く出回っているという言い方をしたのは、そうでない象牙もあるからです。中には、ニセモノの象牙でも、縞模様がついているモノもあるため、なかなか素人目では判別は難しいかもしれません。ですから、なおさら象牙の鑑定が必要なのです。
また、ホンモノの象牙の縞模様は、キレイではなくランダムな模様となっていることが多いです。一方でニセモノの象牙の場合、比較すれば、キレイに感じることが多いです。そのあたりも判別のポイントとするといいでしょう。模様がキレイだから高価な象牙であるという考えは、この場合正しくはありません。
また、象牙の鑑定では、劣化具合を見ています。キレイな状態で保管されている象牙は高い価格で買取される可能性が高いですが、あまりにもキレイすぎる象牙は、ニセモノの可能性が出てきます。
そもそも、本物の象牙にはヒビや黄色い変色があるものが多いという認識の仕方も必要です。ニセモノの象牙の場合は人工物であるため変色もなく、ヒビも見られないキレイな状態のモノがほとんどなのです。
象牙は自然から誕生したモノであるゆえ、多少劣化があったとしても、それが普通なのです。しかし、ヒビも変色もないホンモノの象牙もあることはあります。そのような象牙は、やはりかなり高額な取引がされています。しかし、それは、ニセモノの象牙かもしれない……という疑いの目も必要です。
もちろん、熟練した鑑定士の方々は、そのような目線で象牙と向き合っています。
そして、象牙の鑑定のポイントは、空洞があるかどうかです。象牙の知識として、ホンモノの象牙の場合、根本から先っぽの3分の1程度は空洞になっているということも知っておく必要があります。
このポイントを抑えておけば、ニセモノの象牙の場合、詰まっていることがあるため、ホンモノかニセモノか一目瞭然です。
しかし、実際問題、空洞になっているかをチェックするのは素人の方々には少し難しいです。そこで、次で解説する光の透過具合などと合わせて判断してみるといいでしょう。
しかし、最近はニセモノを提供している悪徳業者もそのような知識を素人の方々も持ってしまったがため、さらにもっと手口が巧妙化しています。
また、ホンモノの象牙であってもあえて詰め物をしていることがあるため、詰め物だけでホンモノかニセモノかを判断するのは少し急ぎすぎです。
そして、象牙の鑑定のポイントは、光の透過です。ホンモノの象牙であれば、光で透けています。一方でニセモノの象牙の場合、セラミックであったり、レジンで作られているため、光を通さないと言った特徴があります。
空洞で判別が難しい……という場合には、光が透るかどうかで判断してみるといいでしょう。
象牙の鑑定、また査定によって、その象牙の買取額が決定されていきます。
象牙には「一本物」と「加工物」があります。そして、それぞれが違う基準によって買取されています。
一本物の象牙の場合、重さの単位で価格が決定されますが、加工物象牙の場合、そのものに存在している価値で価格が決められていきます。いざ、象牙を買取してもらおうと思っている方々も、あらかじめ象牙の買取相場を理解しておくといいでしょう。
象牙一本物の買取相場の場合です。
~1kg未満 8000円1kgから3kg未満 10000円3kgから5kg未満 12000円5kgから8kg未満 13000円8kgから10kg未満 14000円
おおよそこのような感じが、重さに対しての象牙の買取相場です。
以下は、象牙加工物の買取相場です。
象牙置物 75万円象牙緒締玉 4.5万円牙彫刻 32万円象牙麻雀牌 28万円象牙彫刻 16万円
象牙加工物は、かなり高額買取してもらうことができると思った方々も多いことでしょう。
象牙自体に、希少価値が存在し、プラスαこちらの場合、ブランド性であったり、アート性価値がつきます。
査定では、ただ象牙がホンモノかニセモノかを見極めるだけでなく、市場をリサーチする能力も必要であり、需要と供給のバランスなど様々な要素によって、買取額が決定されることになります。
基本、象牙の印鑑のようなものは、小さいため買取額もそこそこの値段になってしまうこともあります。
また、象牙はもう簡単には手に入れることができないモノであるゆえ、買取相場が突然下がってしまうようなことも考え難いです。
高く買取される象牙とは、インド象の一本物です。インド象の一本物の場合、特に希少性がありなかなか手に入らないので、市場で高い価格で取引されています。
また、象牙にはいくつかの牙の部位があるのですが、基本、牙の中心部に近い方が高い価格で取引がおこなわれています。
さらに、象牙は重さで買取価格が変わるということは既に解説しています。よって、高く買取されるのは、重さのある象牙です。
また、象牙は、やわらかいモノもあり、硬いモノもあります。基本的には、硬い象牙ほど高い買取額がつく傾向があります。
いかがでしょうか。今回は、象牙の価値とともに、象牙の鑑定方法を解説しました。
象牙はまさに簡単に手に入れることができないモノであるからこそ、希少価値が存在して、どうしても欲しいという方々が大勢います。
今後も、買取相場が下落することも考え難いです。
象牙には希少価値が存在しているからこそ、多くのニセモノが出回っている現状があります。そして、ホンモノの象牙かニセモノの象牙かを見極めることが鑑定士の役割です。
象牙の買取において、鑑定がいかに大事なことなのかも理解することができたのではないでしょうか。