浮世絵を趣味で集めていて査定額がどのくらいか気になる人も多いでしょう。浮世絵の査定額は素人では検討が付かないことも多くあります。本記事では本物かどうかの見分け方についても紹介します。また、買取の値段についても詳しく紹介しますので参考にしてください。

浮世絵とは

浮世絵とは、江戸時代に発達した風俗画で、美人画や昔の人気の歌舞伎役者や武将、花鳥風月、日本の各地の風景などを題材に描かれている絵です。

「肉筆画」と「木版画」という2つの方法で描かれているのが特徴となっています。

肉筆画の浮世絵

肉筆画の浮世絵は、絵師が手筆で描いているため、版画の浮世絵にはない1枚しかないという貴重さがあります。当時、肉筆画はとても高価なもので、富裕層が絵師に直接注文して製作していたものでした。

肉筆画の浮世絵で有名なものとしては、「菱川師宣」の「見返り美人図」や、「葛飾北斎」の「加藤清正公図」、「鏡面美人図」などが有名作品となっています。

木版画の浮世絵

木版画は当時の摺師によって手摺で大量生産されたものです。まず「初摺」では、作った絵師が立ち会って200枚刷ります。「初摺」は枚数も少なく高く評価されています。そして、その後追加して刷られるのが「後摺」で、後摺では絵師が立ち会わず、版木も劣化していくため、「初摺」よりも評価が下がるのが一般的です。

そして、こうした木版画の技術によって、浮世絵は江戸時代から大衆に広く受け入れられるようになりました。

浮世絵の評価や買取査定について

浮世絵は江戸時代に多くの絵師によって作られ、多くの人が知っている有名な浮世絵師が存在しています。

しかし、有名な絵師の作品でも、作品によって人気がある作品とそうでない作品があります。また、あまり知られていないけれども、ファンがいて高価買取されている作品もあります。

浮世絵の中には、今買取市場で高く評価されているものがありますので、どのような査定になっているのかを知っておくことが大切です。

浮世絵の評価や買取査定のポイント

浮世絵の評価や買取査定では次のようなポイントが重要です。

・有名な絵師の浮世絵

・人気の構図や図柄

・保存状態

・摺の状態がいいもの

これらによって、浮世絵の評価や買取査定は大きく変わります。

浮世絵の人気の構図や種類とは

浮世絵が高額査定となるには、人気の構図や種類であることも大事なことです。人気の歌舞伎役者や花魁の絵姿を描いた美人画だけでなく、構図が斬新なもの、デザイン性が高い浮世絵は高額査定です。

また、人気の高い浮世絵の種類には、美人画や役者絵（大首絵）、武者絵などだけでなく、名所絵、死絵、張交絵、物語絵、源氏絵、開化絵、錦絵、春画などといった様々な種類の浮世絵もあります。

他にも怪談話の「ばけもの絵」、人気力士の「相撲絵」、花や蝶がモチーフの「花鳥絵」なども人気ですので、絵柄の題材にも注目した査定が行われています。

高額査定の浮世絵と本物の見分け方について

浮世絵は有名な絵師の作品であり、かつ本物かどうかといった見分けが重要です。落款やサインがある本物の浮世絵ならば高額査定も可能です。

有名浮世絵師の高額査定の浮世絵について

どのような浮世絵が特に高額査定となるのかについてまず見て行きます。誰もが知っているような浮世絵師の本物の作品の場合は高額査定です。

・「菱川師宣」の「見返り美人図」

浮世絵師の祖と言われ、江戸庶民の生活や風俗を描いた人物です。「美人画」の他「枕絵」などで人気です。

・「鳥居清長」の「役者絵」「立美人」「傘持美人」

一枚刷りの役者絵の創始者で、躍動的な役者絵などが人気となりました。力強い墨絵で、ふくよかに遊女を描いた美人画の浮世絵も人気です。

・「喜多川歌麿」の「美人大首絵」

表情豊かな独自の美人画を描いて人気の浮世絵師です。

・「東洲斎写楽」の「市川蝦蔵の竹村定之進」、「三代坂田半五郎の藤川水右衛門」、「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」、「嵐龍蔵の金貸石部金吉」

歌舞伎役者の役者絵を多く描いているので有名となっています。

・「葛飾北斎」の「富嶽三十六景」「諸国名橋奇覧」「諸国瀧廻り」

葛飾北斎の浮世絵はとても有名な作品が多く高額査定です。また、長生きした浮世絵師のため、作品も多く製作しています。葛飾北斎が70代の時に多くの作品が作られ、80年代の最晩年には肉筆画も製作しています。

・「歌川広重」の「東海道五十三次之内　保永堂版」「名所江戸百景」「木曽海道六拾九次之内（英泉と共作）」「魚づくし」「花鳥画短冊」「京都名所」

人気の作品が多く、復刻版も多く作られているのが特徴です。肉筆画や初摺があれば高額査定です。復刻版の場合には年代の古い物であれば買取額もアップします。

・「歌川国芳」の「通俗水滸伝豪傑百八人之一個」シリーズ、「鬼若丸の鯉退治」「弁慶が梵鐘を引き上げる図」など

ユニークな画風で「奇想の絵師」などと言われ、近年再評価されている人気のある浮世絵師です。

・「月岡芳年」の「風俗三十二相」

武者絵、美人画なども描きますが、残酷趣味の無惨絵も描いています。最後の浮世絵師とも評されている人物です。

これらの浮世絵は人気が高く、本物の場合大変な高額査定となるでしょう。

浮世絵の査定で大事な本物の見分け方について

浮世絵を持っていたとしても、本物かどうかの見分け方は、とても難しいのが現状です。また、プロの鑑定士でもなかなか鑑定や査定が難しいことが多くなっています。

本物かどうかを見分けるためには落款やサインなどを探しますが、劣化していて消えている場合もあるでしょう。そのため、贋作と判断されてしまうこともあります。しかし、それでも本物ということが分かれば、高い査定が付くことも。

復刻版が印刷されることもありますが、復刻版とオリジナルの違いは希少さと歴史的な価値が違いです。見分け方が難しい場合もありますが、サインで見分ける方法がおすすめです。昔の浮世絵のサインは、版上に摺られていて、最近の復刻版の場合は摺り終わった後に鉛筆などで記入されることが多いでしょう。

そして、こうした浮世絵の鑑定が難しいと感じた場合は、専門的な知識や買取の豊富な経験を持った鑑定士がいる所で鑑定や査定をしてもらうのが良いでしょう。買取業者選びを慎重にすることが重要です。

浮世絵の査定は安い？浮世絵の買取の値段はいくらぐらい？

浮世絵の査定は、木版画の場合は安いとも言われています。実際の査定額について紹介しますので、参考にしてください。

紹介したような浮世絵の有名作家の場合の初摺作品は、数百万円を超える高額な値段で査定されることもあります。ただし、後摺、復刻版の浮世絵の場合は1,000円～200,000円程度が買取相場の目安です。安い場合は1,000円となってしまうこともあって、あまり査定金額に期待できない場合もあります。

できれば肉筆画もしくは木版画の最初の初摺作品を買い取ってもらうことで、高額査定となっておすすめです。

買取相場の例としては次のようになります。

・アダチ版画研究所　広重　富士三十六景 37枚揃 手摺         25,000～50,000円

・喜多川歌麿 　虫えらみ 全15枚揃            　　　　　　　　20,000～36,000円

・喜多川歌麿筆 虫えらみ 全15図 　　　　　　　　　　　　21,000～40,000円

・吉田博　瀬戸内海集      　　　　　　　　　　　　　　　180,000～350,000円

浮世絵はどこに査定してもらうのがおすすめ

実際に浮世絵を査定してもらう、買い取ってもらう場所ですが、浮世絵の買取実績のある業者に依頼することが大切です。

まず絵画の買取を行っている所、そしてその中でも浮世絵の買取実績がある所を探してください。また自分が持っている浮世絵を買取強化しているような所があれば特におすすめです。骨董品店なども絵画の買取を多くしていますので、チェックしてみてください。

ホームページなどから、今まで浮世絵の買取実績があったかどうかや査定金額をチェックしてみるのがおすすめです。浮世絵を専門にしているような鑑定士がいる所を選ぶといいでしょう。

高く査定してもらえるように様々な買取方法から選ぶことが大事

また、近くに浮世絵の買取をしている業者がいない場合は、遠くてもできるだけ専門の買取業者に依頼するのがおすすめです。

そうでないと、価値をわかってもらえず安い査定額になることも多くなるでしょう。

買取方法は、店頭買取、出張買取、宅配買取の3種類の方法がありますので、もし遠い買取業者の場合は、出張買取や宅配買取を選んでみるといいでしょう。

出張買取では全国に対応している買取業者も多く、無料で出張買取してくれておすすめです。また、宅配買取では浮世絵を宅配で送って査定してもらえ、無料で送ることができます。まとめて何枚か見てもらいたい時も一緒に送ることができていいでしょう。

まとめ

浮世絵の査定のポイントや査定額について見てきました。浮世絵には肉筆画や木版画があり、木版画の中でも初摺と後摺、復刻版などで査定の値段が大きく異なります。

また、人気浮世絵師が描いた本物かどうかを見分けることも大切です。

これらのことを専門に査定してもらうことで高額買取も可能です。しかし、専門家でないと浮世絵を正当な額で査定してもらえないことも多いでしょう。

古い浮世絵でも本物であるかどうかをわかってもらえることが大事です。浮世絵の買取実績がある専門の買取業者に査定してもらえるよう、業者選びが大切です。

自分が売る浮世絵がどんな所で買取されているのかをまずホームページのサイトなどで確認してみましょう。骨董品や美術品、工芸品を扱う業者、絵画・美術品専門の買取業者、画廊、絵画などのオークションを行う業者、様々な品物を扱う買取業者で浮世絵の買取実績がある業者を探してみてください。

また、どの位で査定されているのか、相場を確認して、今売るべきなのかも考えてください。浮世絵の買取査定や売却について悩まれる方も多くなっています。他で買取が難しい作品などもあれば、弊社では高価買取も行っていますのでお問い合わせ頂ければと思います。浮世絵の査定や買取について、お気軽にご相談頂ければと思っています。