2023.11.06

インベーダーの経歴や作品及び、査定買取について解説

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みなさんはインベーダーというアーティストをご存じですか。インベーダーは匿名で活躍する、フランスの覆面ストリートアーティストです。彼は1970年代頃に流行したゲームのキャラクターを、8ビットビデオゲームのピクセルアートをモデルにしたセラミックタイルのアートとして、現実世界のセラミックタイルで表現できることに気づき、ストリートアート活動をするようになりました。

90年代半ばからは、一つの都市をターゲットに、短期間で街中に多数のインベーダー作品を残してきました。彼自身が、その活動をInvasion(侵略)と呼び、スペースインベーダーを始めとした、パックマンやスーパーマリオブラザーズのような有名キャラクターを描くことが多いです。

インベーダーの生い立ち

インベーダーの生い立ちは、ほとんどが謎に包まれています。1969年に生まれ、パリの国立の美術学校であるエコール・デ・ボザールでアートを学びました。

そして、彼は70年代から80年代のビデオゲームから大きな影響を受けます。インベーダーはゲームのキャラクターを、現実のセラミックタイルで表現するストリートアートとして活動を始めました。本名の公表はしていませんが、バンクシーの初監督映画「Exit Through The Gift Shop」にて、バンクシーの友人であり、「バンクシー以来の超大物」と称される、グラフィティアーティストのミスターブレインウォッシュとインベーダーは従兄弟であることがわかっています。

しかし、彼の本名と顔を知っている人はほとんどおらず、彼の両親さえも彼の仕事は建設業界でタイル張りだと思っているほど謎多き人物です。

作品のコンセプト

インベーダーは、自分自身をモザイク「ウイルス」を広める公共空間の「ハッカー」だと表現して、自身の作品を街中に残します。彼が街に作品を残すのは、博物館や美術館は誰もが利用できるわけではないと考えているためです。普通の人々が、日常的に楽しむためにストリートで作品を公表することが彼の目的なのです。彼の作品の多くはエイリアンを描いていますが、他のレパートリーとして、スターウォーズ、ピンクパンサー、メガマン、スパイダーマン、ポパイなどがあります。

制作期間

作品制作には約2〜3週間程かかり、実際に設置するのに1週間はかかります。彼は自身のアートを都市内の場所ごとにマッピングし、これをまとめた「侵略地図」を定期的に出版しています。モンペリエでは、地図上で見た時に巨大なスペースインベーダーエイリアンが描かれるように配置していたりと、アートを残す場所にもこだわりがあるようです。

アートの削除対策

近年、インベーダーは自分のアートが街から削除や盗難されないように対策をしています。彼の作品が人気になり、盗難が殺到して以来、2010年代以降は、敢えて手が届きにくい場所を選んだり、作品を綺麗に取り外すことができないより繊細なタイルに作品を残したり、より大きな作品を作ったりするようにしました。

しかし、ストリートアートは法律的に見れば違法行為です。許可が降りなければ、無断でアートを消されてしまうことも多々あります。そのため彼は2015年後半に、建物の所有者たちにソーシャルメディアでアートを残す許可を募り、削除対策をしました。

インベーダーの作品を見るには

これまでにインベーダーの侵略対象となった都市は、世界で約30カ国70都市近くあり、その中には東京も含まれています。

かつて東京に残された作品は、130以上発見されていましたが。しかし、最近は盗難などにより数を減らしています。また、文化、歴史的に重要な場所にアートを残すこともあります。ですが、主にパリにて作品が公表されます。

他にも彼が定期的に出版する写真集などで、作品を見ることができます。

他にも、黒と白のタイルを使用したQRコードモザイクは、標準のスマートフォンアプリを使用して簡単に読み取ることができます。いくつかの作品は読み取ることで、「これは侵略です」と表示されます。

ルービックキューブアート

2004年以来、インベーダーは屋内用の作品として、ルービックキューブを使用したアートを制作しています。ルービックキューブをコンピュータプログラムを使用し、目的の画像を作ります。次に、ルービックキューブを実際に動かしてキューブを積み重ねると、コンピューターで作った画像が実際に生成されるものです。一つの作品に、およそ300個必要になります。

INVADERの探し方

原宿、渋谷、代官山辺りにもインベーダーの作品は残されています。もし、この辺りに立ち寄った際は、インスタや地図を通して見つけることができます。ぜひ、探してみてください。昔に比べて、現在は都市が開発されたり、建物の改装工事などにより、作品が街中から消えてしまっています。ですので、現存している作品が失われる前に見ておく必要があります。ただ、既に無くなってしまった作品であっても、作り直して復活しているところもあります。また、これだけ人気のインベーダーの作品は偽物も多いため、注意が必要です。

インベーダーを捕まえるアプリ

自力でインベーダーの作品を見つけるだけではなく、スマートフォンのアプリ、「FlashInvaders」を使用することで、世界中で彼のアートを探すことができます。

このアプリは、街で見つけた作品を撮影するとするとポイントをゲットでき、スコアを他のプレイヤーたちと競い合うことができるアプリです。

見つけたインベーダーには、難易度によって10〜50ポイントのスコアがついているので、ゲーム感覚でアートを収集することができます。

これは、ポケモンGOよりも前から配信されている、スマホを使ったリアルなゲームとしてファンの中では有名です。

インベーダーの作品は査定・売却は可能なのか

ここまでインベーダーの経歴や作品の特徴についてご紹介いたしました。ここからはインベーダーの作品を所有してる人や、これから所有しようと思っている方に向けて、買取や査定売却に関する解説に移ります。

インベーダー作品のオークション価格

インベーダーの作品は、街に描かれた作品がコレクターによって盗まれることで査定、売却されるアートとなりました。そして、インベーダーの作品は、2015年のSotheby’sのオークションにて、約2,800万円の値がついています。インベーダー作品は、5年前頃までは一部のファンに熱狂的に愛されているだけで、ギャラリーやオークションでの価値は、それほど高いものではありませんでした。

最高価格も2015年時点では、クリスティーズ香港で記録された、34万6800ドルほど。この最高価格が出て以降、特別価値が上がることはありませんでした。

しかし、2018年に大きくその価値に変化が現れました。オークションに出品されたバンクシーのアートが、落札直後に額縁に仕込まれたシュレッダーによって切り刻まれてしまうという、有名な出来事が起きたのです。これにより、法律的に後ろめたい雰囲気のあるストリートアートの価値が、美術業界でかなりの注目を集めることとなりました。それ以来、ストリートアーティストの作品が一気に価格を上げていくことになりました。この時から特に注目されたのが、バンクシー、カウズ、バスキア、キース・ヘリングの、ストリートアート四天王と呼ばれる四人の作品です。そして、この4人に劣らないほど作品の価値を高めたのがインベーダーです。つまり、インベーダー作品は現在も価値を上げ続けていると言えます。

近年のインベーダー作品の価値

2019年の5月に、彼の作品である≪ウィーン≫(2007)が39万8800ドルで取引され、2015年からおよそ4年後にようやく、上回る結果となりました。さらに、その半年後の2019年11月には、ニューヨークにて、「Tk_119」(2014)が122万ドルで落札されました。この作品は、手塚治虫の漫画『鉄腕アトム』のキャラクターを模しています。落札される前は、およそ10万ドルから15万ドルほどで落札されると見積もられていたにもかかわらず、実際には10倍の122万ドルという高額落札になりました。また、日本では「tk_69」という作品がヤフーオークションに出品されましたが、勝手に剥がしてオークションに出品したことにインベーダーファンが激怒し、物議を醸すという事件も起こりました。

インベーダーの人気は今も上昇中

ストリートアートのブームが起こった2019年に、オークションに出品されたインベーダーの作品は140点以上あります。そして、その80%が落札されています。そのうちの48%はフランス人です。この結果は、インベーダーがフランスのアーティストであることを考慮すると、妥当な数字ですが、逆に言えば半数以上の買い手がフランス国外であることを示しています。つまり、国外からの人気もかなり高いアーティストといえます。残りの52%のうち、アメリカ人が31%、日本人が11%、イギリス人が5%という結果でした。

日本で生み出された鉄腕アトムや、スペースインベーダーのようなポップカルチャーを引用した作品は、アメリカや日本で特に人気があります。2020年、2月に行われたパリのオークションでは、彼のモナリザをルービックキューブで表現した作品が52万680ドルで落札されています。このように、インベーダーはグローバルなアーティストとして名を上げている最中であると言ってよいでしょう。さらに、オークションで売れたインベーダーの作品の半数近くは、シルクスクリーンなどの版画作品です。彼の作品の平均価格は6600ドル(日本円で90万円程度)ですので、まだまだ入手できるレベルのアーティストの一人です。確実に売れる価値のある彼のアートは今が1番の売却、買取のチャンスかもしれません。

まとめ

本記事では、インベーダーの経歴をはじめ、作品の特徴や見られる場所、作品の査定と売却についてご紹介しました。

謎の多い彼自身と作品の魅力は、美術館で見るアートではない不可解なところにあると思います。現在もその価値を高めつつある、ストリートアーティストの先端を担い、「インベーダー」は、フランスに留まることなく、日本、海外でも今後もさらに注目を集めることになるでしょう。

彼の作品をこれから集めようと考えている方も手放そうと考えている方もインベーダーの作品を査定・売却したい方は、ぜひお気軽に弊社にお問合せくださいませ。



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