2023.11.27

島田章三とは?これまでの経歴や主な作品の特徴、査定買取時に気をつけたい情報など!

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島田章三(しまだ しょうぞう)は、神奈川県出身の日本の洋画家・版画家です。

近年亡くなられた画家ですが、彼独自の新しい表現手法を開拓したことが知られており、国内でも海外でも高い評価を得ています。

これまで制作してきた作品も驚くような高値での査定・買取実績になっています。

島田章三の作品の大きな特徴といえば、ピカソやブラックらのキュビズム画家の影響を受け、「キュビズムを日本人の言葉で翻訳」することを画家本人の課題と捉え、探求し続けたことです。

その成果として誕生した「かたちびと」と呼ばれる彼だけの独特の人物表現手法が随所に見られる点です。

島田章三の作品は、メディアでも取り上げられる機会が多いのは当然ですが、本人自身も神奈川県横須賀市議会議員や市議会副議長などを歴任したことで、知名度も高いということが大きなアドバンテージとなっています。

画家本人はすでに亡くなっていますので、新しい作品は生まれませんが、今後も目が離せない日本人アーティストの一人といってもいいでしょう。

島田章三の作品を探し求めている人は常にいますが、年々増えているような印象があります。

定期的に世間で話題になることも多く、島田章三の作品はほぼ高価買取になることは間違いありません。

美術品としての価値が高いのは当然ですし、これまでも安定した売買実績がありますので長期保有していても安心できます。

日本を代表する洋画家・版画家である島田章三は、国内外を含めて世界中に多くのファンがいることもわかっています。

初めて査定を依頼すれば、その人気の高さや価値の高さに気づくでしょう。

本記事では、島田章三の経歴や作品の特徴を中心に、島田章三の作品の査定・買取価格の目安や作品の価値についてご紹介しています。

すでに島田章三に興味がある方はもちろん、今から真剣に島田章三の作品を集めたい、と考えている方にとっても有益となる情報提供を行っています。

島田章三とは

島田章三(1933年~2016年)は、神奈川県横須賀市出身の洋画家・版画家です。

ヨーロッパ留学中に、ピカソやブラックなどを代表するキュビズム画家の作品に多く触れたことがきっかけとなって、自身が生み出した「かたちびと」と呼ばれる独特の人物表現手法を確立したことでよく知られているアーティストです。

作品を鑑賞すると、やはりキュビズムを彷彿とさせる作品が多く、島田章三の作品は、メナード美術館をはじめとする多くの美術館でも所蔵されており、定期的に彼の貴重な作品を鑑賞することができるため、一般の人も彼の真作を確認することができます。

島田章三の場合は、特に油彩画の人気が高くなっており、多くが期待通りの高い査定結果となっています。

島田章三の経歴

島田章三は神奈川県横須賀市生まれ

島田章三は、島田英之と敏子の三男として、1933年に神奈川県横須賀市に生まれました。

父は浦賀ドックの客船インテリア・デザイナーで、母は斎藤茂吉門下の歌人でした。

兄は歌人の島田修二です。

中学時代は、絵画コンクールで多くの賞を受賞しました。

神奈川県立横須賀高等学校に入学し、美術部に入部しました。

東京藝術大学へ進学

島田章三は、1954年に東京藝術大学油画科に進学した後、1960年に東京藝術大学を修了しました。

そして、東京藝術大学在学中に「ノイローゼ」という作品で画壇デビューしました。

1961年国画会会員となり、1967年安井賞を受賞しています。

その後、中学校、高等学校で美術の非常勤講師を務めていたことが知られています。

そして、1966年に愛知県立芸術大学に赴任することとなりました。

最終的には、愛知県立芸術大学名誉教授にもなっています。

ヨーロッパ留学

島田章三は、1968年、愛知県の在外研修員としてヨーロッパ留学後、1990年には愛知県立芸術大学芸術資料館館長、のちには同大学の学長にも就任しました。

ヨーロッパ留学によって、抽象表現やキュビズムの影響を受けた作品が多く見られ、彼独自の表現手法を採用しており、どこか冷たい印象がありながらも不思議な情緒が感じられる作風に人気が集まっています。

また、アメリカ旅行なども経験しています。

島田章三は、マティス、ピカソ、ブラック、レジェといった、20世紀の画家たちに興味を持ち、キュビズムを再認識し、日本人の言葉で翻訳し直し、その形態を独自の考えで再構成し表現しました。

晩年も各界から高い評価を受けていた島田章三

島田章三は、晩年も各方面からの高い評価を受けており、2016年に83歳で逝去するまで、数々の賞を受賞しました。

島田章三の場合は、美術教育、ひいては日本の現代美術において多大な貢献をしたことも高く評価されています。

1993年に紺綬褒章、1990年には日本芸術院賞を受賞しました。

1999年には、日本芸術院会員となりました。

さらに、2004年には文化功労者として国からも表彰されていました。

島田章三の作風

島田章三が描いているのは、「かたちびと」です。

彼の描く人物像は、単純化され抽象化されており、個別の人間の感情や性格、特徴などを表現せずに、人物は「ひとがた」のように見える「かたち」に還元されて、絵画の中での重要な造形的役割を果たしています。

「かたちびと」は、彼が表現するモチーフの主役と人間的感情の担い手としての両義的な役割を担っています。

島田章三が「かたちびと」と名づけ、人のイメージを原点とする制作を始めたのは、「愛鳥の日」(1973年)の頃です。

当時の作品の多くは、画面を水平、垂直、斜線を基本とした幾何学的平面を基軸として様々な色彩のかたちによって構成されていました。

しかし、全体的に色調は暗く、人物は小さな顔で長身に描かれ、人物の輪郭線などに細い線が多用されており、繊細で美しく表現されています。

人物と背景を同じように扱う空間構成への意識がより鮮明になっています。

1970年代末から1980年代初めにかけて、「かたちびと」の表現にも変化がみられます。

画面の形体表現においては、線が太くなって、人物はより豊かに描かれ、面の構成は大胆に装飾されていきます。

絵全体も重厚な感じに変化し、曲線が取り入れられ、より構築的なものになっていきます。

色彩とかたちに還元された「かたちびと」の自律した絵画表現として見ることができます。

堅固に構築された絵画の中では「強くはっきりと描く」ことが重要だ、という考えに変わっていったからです。

1980年代中頃になると、輪郭線や陰刻のような線が再び多くなり、フォルムやマチエールなどの画面構成も複雑になりました。

作風の変化は、「いつも自分の中に自分を超える思考をもちながら、絵に立ち向かいたい」という彼の制作姿勢を表しています。

記憶や回想などの過去と現代の両方の時間を、一つの空間の中に重層させて制作した作品が多くなっていきます。彼自身が様々な事象を捉え、色とかたちに還元して構成的な絵画に取り込みながら、線や色彩の織りなす詩情へと高めました。

そして、後期の彼の作風は、初期のドラマティックな表現主義的作風を捨て、具象絵画の道を歩みながら、自らの絵画のモチーフを全て画家自身の日常生活の中に求めるようになりました。

彼を取り巻く日常生活に普通に存在する学校、街角、美術館などの様々な場面を手がかりとして、彼の絵画の世界を創っていきました。

島田章三は、絵画において、生活への愛と絵画への愛、人間が生きる喜びと絵を描く喜び、それらの両方を表現していると考えるべきでしょう。

「かたちびと」は、清澄で平穏な親和的世界を描いており、鑑賞する人は彼が描く見事な色彩と形体による作品を見て大いに共感することになるでしょう。

島田章三を知るための代表的な作品

ノイローゼ(1957年)

とりたのし(1961年)

母と子のスペース(1967年)

机の上のガラス器(1990年)

島田章三の作品所蔵美術館

メナード美術館(愛知県)

佐久市立近代美術館(長野県)

康耀堂美術館(長野県)

平塚市美術館(神奈川県)

島田章三の買取価格情報の一部が公開されていましたので参考情報として紹介します。

花もつ人 油彩 買取相場 5~7万円

島田章三の死後も人気は衰えておらず、真作なら、油彩画が高額で落札されることが多くなっています。

サイズや保存状態、保証書や鑑定書で本人の作品だと判断できるなら間違いなく高値がつきます。出品図録に掲載された作品も同様です。

また、島田章三は作品に「shozo」というサインを書いており、裏側にもタイトルと本人のサインがつけられています。

島田章三の真作「机の上のガラス器」は、1990年に開催された有楽町アートフォーラムに出品された作品で、20万円で取引されたことがあります。

この作品のサイズは、画寸79cm×100cm、額寸88cm×120cm、40号の油彩画です。

表右下にサインがあり、裏には作品年とタイトル、サインが記載されています。

絵画の保管状態も絵、額ともに良好の作品です。

他には、同じく油彩画の「紅白のバラを生ける」は164,000円で落札されました。

画寸24cm×33cm、額寸42.8cm×51.8cm、4号で、状態も良好です。

島田章三の場合、油彩画以外には、版画も数多く手がけています。

こちらも、本人の作品である真作なら、高値で査定されています。

島田章三の作品は、今もなお世界中で高い評価を受けています。

知名度も問題ありませんので、新しい作品も少なくなっていることから、将来もますます高い価値がつくことになるでしょう。

島田章三の作品は査定・売却は可能なのか

ここまでで島田章三の主な経歴や作品の特徴について分かる範囲でご紹介いたしました。

ここからはすでに島田章三の作品を所有している方や、これから所有する予定のある方に向けて、高値査定や売却のポイントについてご紹介していきます。

作品の発売直後が査定のチャンス

美術品等の査定買取では、その作品や作家の知名度の高さが査定に影響します。

特に、発売直後の作品は、メディアで取り上げられて露出機会が増えます。

認知度や注目度が高くなると、一時的に査定額がアップします。

島田章三なら、すでに世界中から高い評価を集めるアーティストであることから、過去に手掛けた作品なら高値査定になることは間違いありません。

さらに保管状態が綺麗かつ発売直後の状態を維持しているなら、期待以上の高い査定結果になるでしょう。

メディアで注目されると高額査定

人気芸能人や海外セレブが、アーティストの作品やグッズを愛用していると公言することがあります。

すると「突然人気が急上昇!」することがあります。

過去にトレンドとなった作品ももちろん高値で売却できるチャンスがあります。

発売から長時間経過していても、再度注目が集まれば高額査定となることがあるからです。

島田章三の作品の売却を検討する場合は、各方面での情報に敏感になってみましょう。

こまめにメディアやニュースなどをチェックしながら、売却の時期を見極めるようにしてください。

島田章三の作品は、独自性が高く希少価値の高い作品も多数存在します。

超有名なアートオークションでも、高値落札された実績が多数あります。

査定すれば、確実に高価買取となりますが、作品のサイズや作品の内容によっても買取金額は大きく異なります。

島田章三作品の売却をご検討の際には、ぜひ弊社にもお声掛けください。

まとめ

本記事では、島田章三の経歴や作品の特徴、その作品の査定価格の目安と売却時の注意点について詳しくご紹介してまいりました。

「島田章三」は、物故作家ではありますが、すでに国内外で高い評価のある洋画家・版画家です。

これから島田章三の良質の作品を集めようと考えている方も、別のアーティストの作品が欲しくなって手放そうと考えている方も、島田章三の作品を査定・売却したい方は、ぜひ弊社にお問合せください。



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