2024.05.23
絵画
2024.05.23
リトグラフを持っていて売却したいといった場合には買取相場も気になるでしょう。リトグラフはどのくらいで買い取ってくれるのか。また、リトグラフで高価買取が可能な有名画家は誰なのかが気になりますよね。
さらに、リトグラフを売る場合の買取専門業者についても紹介していきますので、参考にしてみてください。
目次
まず、リトグラフとは何かから見て行きます。リトグラフは、版画の技法の一つで、平らな石の上(現在では金属板などの場合もあり)に描画して印刷するものです。
その絵が版に定着するように、薬品処理を行い、プレス機で紙に圧着し刷るのが特徴です。一枚一枚刷って、作家が認定ナンバーを振りますので限定ものの本物のオリジナル版画がたくさんできます。また、何枚刷るかについても作家側が決めることが多いため、 50~300枚程度のリトグラフが一度に制作されます。
そうして作られたリトグラフの特徴ですが、描いたままの線がそのまま版画になるということが魅力です。画家が描いた絵の雰囲気を忠実に再現することができるのがメリットと言えるでしょう。複製画ではないというのがまさに魅力と言えます。
リトグラフと版画との違いについても紹介します。リトグラフは、版画の技法の一つで、平版画と言われるものです。
版画の技法の種類としては、主に次の4種類がありますので、参考にしてください。
・凸版画
・凹版画
・平版画(リトグラフ)
・孔版画(シルクスクリーン)
また、リトグラフとシルクスクリーンの違いですが、平らな石や金属板などの上に描画して化学反応を利用して刷るのが平版画のリトグラフの特徴です。
一方、メッシュを使って、インクが通る部分と通らない部分を作って、インクが通る部分のみから色を付けていくのが孔版画のシルクスクリーンです。「孔」は「あな」を意味しています。制作工程の違いがリトグラフとシルクスクリーンの違いと言えます。
リトグラフはクレヨンや鉛筆タッチ、水彩タッチ、にじみなども細やかに表現できる特徴があり、作家の肉筆に近い繊細なタッチを作品に出せるのが魅力です。
また、シルクスクリーンは色ムラが出にくく、発色が良い点が魅力で、繊細というよりもやや平坦な印象となります。ただ、作品によっては、リトグラフとシルクスクリーンの違いがあまりないように見える作品もあるでしょう。
リトグラフの魅力は、シルクスクリーンなどと比べて、描いたままの線が版画になることです。作家の肉筆に近いタッチを味わうことができるため、それぞれの作家の雰囲気をより味わうことができるのが魅力です。
また作家自身としても、自分の描くイメージが直接、版に記録され、紙に刷られていくメリットがあります。また、版を媒介とすることで思いがけない効果があり、工夫がなされた作品もあって興味深いものです。
さらに、リトグラフならば多くの枚数を刷っても、そのどれもが画家によって作られた本物となります。リトグラフならば、比較的リーズナブルに本物を手に入れることができるのも魅力です。
リトグラフを高価買取してもらいたいと思っている人も多くいますので、リトグラフで人気の有名作家についても紹介します。多くの画家がリトグラフ作品も制作していますので、有名作品と買取相場についても知っておくといいでしょう。
リトグラフは18世紀末のドイツで美術とは別のもので考えられたものですが、フランスで盛んになっていきます。隆盛期となった19世紀、20世紀の画家を紹介しますので、参考にしてください。
19世紀、20世紀の巨匠と言われているような多くの人が知っている、有名画家のリトグラフ作品があり、高い人気があっておすすめです。
・19世紀の有名画家
ゴヤ、ドラクロワ、マネ、ドガ、ロートレック、ゴーギャン、ミュシャ
・20世紀の有名作家
ピカソ、ミロ、クレー、カンデンスキー、シャガール、ダリ、ビュッフェ
リトグラフは多くの枚数を刷れるメリットもあることから、19世紀、20世紀の多くの有名画家が制作していますので、持っているという人も多いでしょう。
有名画家の中から一部の画家と有名作品を紹介しますので、買取相場なども参考にしてください。
・アルフォンス・ミュシャ(Alfons Mucha)
リトグラフで多くの作品を制作し有名なのが「アルフォンス・ミュシャ」です。1860年生まれで1939年に亡くなっています。アールヌーヴォーの作品が有名で、ポスターや装飾パネルなどを多く見ることができます。
チェコ出身でフランスなどで活躍したグラフィックデザイナー、イラストレーター、画家です。リトグラフで数多くの作品を制作していますので、お店などで飾られているものなどを見たことがある人も多いでしょう。
星、宝石、花などと一緒に女性を描いて表現をしたデザインが特徴で、落ち着いた色使いや華麗な曲線がアールヌーヴォーの雰囲気たっぷりです。インテリアとしておしゃれに飾りたい作品が多いため世界で人気となっています。
ミュシャのリトグラフ作品で有名な作品は次のような作品です。
・ジスモンダ(1894年)
・サロン・デ・サン(1896年)
・黄道十二宮(1896年)
・椿姫(1896年)
・「スラヴ叙事詩」より「原故郷のスラヴ民族」(1911年)
ミュシャの買取価格相場は、数万円となっています。また、人気の作品は数十万円の高額査定となる場合もあります。
・ピカソ
ピカソの絵画は資産価値としても非常に高く、安定した価値があるものです。リトグラフやリノカットなどの版画作品が50万円以上で買取され、モチーフによっては高額査定が可能です。鳩や闘牛、道化師、女性を描いた作品は特に高価買取となっていておすすめです。
・「男と猫」 直筆サイン 30万
・「青い鳩」 15.4万円
・「FEMME ET ROSE」 14万円
・「想像の中の肖像」 12.8万円
・「リー・ミラー肖像」 9万円
・「サバルテスの肖像」 7万円
・「マリーナ・コレクション」 6.3,万円
・「庭で眠る裸婦」 6万円
・シャガール
シャガールの版画作品はリトグラフか銅版画で作られているものがほとんどで、多くの作品を見ることができるでしょう。世界的に人気の作家で、作品数もとても多いため相場も様々となっています。シャガールの場合、技法の違いによる評価の差はあまりないのですが、作品の人気度次第で価格が決まる傾向です。
シャガールの有名なリトグラフ作品には次のような作品があります。
・「ベンジャミン族『エルサレムウィンドウ』より」
・「太陽と赤い馬」
・「魔笛」
高価買取できる条件としてはリトグラフ全般に言えますが、次のような条件があります。
・サインがあること
・限定部数となっていてナンバーリングがあること
シャガールの作品の中には、限定部数の表記のナンバーリングがないものもあり、評価が下がる場合がありますので、次を参考にしてください。
・サインや限定部数の表記あり 数十万円~100万円以上
・サインや限定部数表記なし 数万円台
・ビュッフェ
フランスの洋画家で、シリーズ物を多く制作しています。研ぎ澄まされたギザギザとした直線的な描画が特徴で、抑えた色調で風景、花、闘牛士、ピエロや車など様々なモチーフを描いています。ニューヨークシリーズや花の作品の人気が高く、高価買取されることが多くなっている傾向です。
・「サントロペ」 15~20万円
・「アルバムニューヨークNO.2」 15~20万円
・「バラ」 15~20万円
リトグラフの買取を依頼した場合には、絵画や美術品の買取専門業者に買取依頼をすることをおすすめします。次のような買取専門業者に依頼するのがおすすめです。
絵画の鑑定士がいるような買取専門業者に依頼すると、専門的にしっかり鑑定してもらえていいでしょう。最近では、実物を見る出張査定だけでなく、メールやLINEによる画像での査定を行ってくれるところも増えています。
また、オークションを主催しているような買取専門業者も買取後の販路を持っていておすすめです。絵画の相場は常に流動していますので、最新の相場価格を知っていて、より高く買取してくれる可能性が多くなります。
リトグラフの買取実績が多い業者も高く買い取ってくれるためおすすめです。今まで多くのリトグラフを買い取っていますので、他では買い取ってもらえないようなものも査定してくれる可能性が高いでしょう。
リトグラフの買取実績なども実際に尋ねてみるといいでしょう。
絵画や美術品の買取専門業者は、「買取強化作家」などをホームページに挙げていることがあります。需要が高く、そうした作家のものを探しているということですので、高く買取してくれる可能性が高くなります。
また、それらの作家の作品に詳しい買取業者となりますので、おすすめです。
リトグラフの絵画の魅力と有名画家や買取相場について紹介しました。フランスを中心に19世紀、20世紀の巨匠と呼ばれている有名画家の多くのリトグラフ作品があって人気です。
紹介したリトグラフの魅力や人気がある作品、有名な絵画作品をよく知った上で、専門業者へ買取査定をしてみるといいでしょう。
インテリアアートとして飾ってみたいという人も多く、リトグラフは需要がたくさんありますので、詳しい専門業者に買取依頼をしてみてください。
また、リトグラフは、サインがあるもので、限定部数のナンバーリングがあるものが高くなります。人気の作品や構図や状態によっても大きく買取価格が異なってきますので、実際に専門業者に見積もりを取ることが大切です。
買取査定と売却について悩まれる場合には、弊社は他で難しい作品なども高価買取ができる場合がありますので、お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。