2023.12.04
香木
2023.12.04
香木をいざ買取してもらおうと思うものの、鑑定してもらえば、ニセモノだった……ということも充分ありうることです。ニセモノを所有し、いつまでも夢を見続けているのもなんなので、やはり潔く鑑定してもらうことが大事ではないでしょうか。
やはり一番大事なのはニセモノか否かの正しい判断です。
鑑定士は、お持ちの香木がどのような香木なのかを判別するプロフェッショナルです。
今回は、初心者の方々が今後香木の鑑定と向き合う上で、とても大事なポイントについて解説をします。
香木を鑑定すればニセモノだった……
まず大事なことは、その香木がホンモノかニセモノかの見極めです。香木を鑑定してもらったところ、偽物だった……ということは大いにありうることです。
ちなみに「鑑定」とは、骨董品や美術品の真贋判断であったり、それらが作られた時代を見極めることを言います。 一方で査定は、鑑定した後で、アート市場の相場などを照らし、買取価格を提示することの方を言います。
香木は、現代社会においてちょっとしたブームとなっています。現代社会においても、ストレスを一杯ためている方々が大勢います。そのような方々がストレスを解消させるために「香り」を選択したのでしょうか。まさに、香りはストレスを解消するためにも有効的手段です。
しかし、何十万円という価格で香木を購入したというのに、鑑定してもらったらただの木に過ぎなかった……、かなりの粗悪品だった……ということも実際によくあります。
そのような方々は、粗悪品をつかまされてしまったショックによりニオイで心を癒そうとする気持ちすら失ってしまうのかもしれません。
実際問題、自分自身で偽物を見極めることは難しい場合が多いのですが、おおよその知識を知っているだけでも最低限のリスクを回避することができるでしょう。
鑑定に値しないような香木があふれている
巷に、鑑定に値しないような香木がかなりあふれていることにも注意しなければなりません。そのようなことを知っているだけでも「注意して購入しよう」という気持ちが起こるでしょう。
最近では、沈香の詐欺事件も起きています。お寺宛てに沈香を突然運送便で送りつけてきたり、購入後、連絡がまったく取れない業者もあります。
突然香木販売の営業に来る業者はほとんど信用できないと考えた方がいいです。香木販売でなくてもそのような業者は信用することができません。それなのになんで高額の香木を、訪問業者から安易に購入しなければならないのでしょうか。
「沈香」とは、東南アジアに生息しているジンチョウゲ科 アキラリア属の木のキズ部に集まった樹脂がバクテリアなどによって変化したものです。樹木のキズあたりの樹脂が変化したものなのであるということは、ベトナム戦争の時代に銃弾が当たって、そのあたりが沈香化したケースも散見することができます。
つまり沈香は、樹脂のあたりがバクテリアによって変化したものであり、その部分以外は沈香ではありません。それはただの木です。それなのにそれを沈香として買わされてしまっていることはないでしょうか……。それは、色も白っぽく、香りも何もしないため素人目に見ても沈香ではないと判断することができます。
沈香の数珠にもニセモノが
沈香の数珠にも人気があります。しかし、沈香の数珠にも偽物が出回っているので注意が必要です。
ニセモノの方が異様に黒っぽいのが特徴的です。クオリティーの低いものは、沈香化していない白いものに沈香の油をつけています。ですから、異様に色が黒っぽく、また、香りが強いです。
慣れれば、油っぽい香りがするのでそれで区別することができるのですが、やはり初心者ではなかなかわからないため、さらに下記のようなポイントをプラスして意識するといいでしょう。
とにかく沈香の数珠は高価な商品ものです。値段が異常に安いものを見つけ「お買い得」と考えるのはあまりにも安易です。初心者の方々は、そもそもそんな安価で販売されている沈香の数珠はないと考えるべきです。
そして、香りが異常に強くて「やっぱり沈香はいいものね」と思うのも、非常に単純です。ホンモノの沈香は、もっと香りは薄めです。沈香の良質ものは常温でも香りがたつのですが、それでも香りはそこまでは強くはありません。沈香は基本、加熱することによって香る木だからです。
また、原木の場合、重さで取引をしますが、そのため、中に砂を混入し、重くするケースもあるので注意が必要です。
香木の鑑定ポイントとは
香木がホンモノかニセモノか、その鑑定ポイントは以下にあります。
・木目・形状・色
・常温での香り
・加熱
・重さ
・木所
木目・形状・色
香木は、本来現物を手にしなければ、なかなか詳細はわかるものではありません。もしもネットで販売されているようなものがあれば、初心者の方々が、そのようなものに触れるのは、非常にリスキーです。直に木目・形状・色がどうなかしっかりチェックしたいものです。
ホンモノかニセモノか、クオリティーを見わけるために切断することも多く、断面はわかりやすいポイントです。
常温での香り
伽羅の一部を除き、常温における沈香の香りはいいか、またはとても穏やかな感じであり、あまりに強く香りを放つものはニセモノの可能性があります。
加熱
最近多く流通している香木のニセモノは、主として、沈香オイルに漬けこんであるため、削ったり、炷いたりする際に強く香ります。
ニオイが強いからホンモノである。
初心者が引っ掛かりやすい盲点なので注意してください。相当慣れていなければなかなか偽物であることにも気づかないでしょう。
重さ
そして、鑑定でとても重要視されているのが、重量感です。そこには、香木の原木をどれだけ見て触ってきたかと言った経験値が充分活かされてくることでしょう。鑑定士であれば、中に仕込まれた異物であったり詰め物を見事に発見します。
木所
香木の高額買取ポイントは、木所が明確かどうかです。
いつ頃の香木かわかれば、香木の買取査定は効率よく進行していくことでしょう。
鑑定士が判別する代表的な香木の偽物や粗悪品
鑑定士が判別する代表的な香木の偽物や粗悪品は、以下のようなものです。
・ニオイ成分に漬けこんである
・高品質の沈香の名をつける
・箱は豪華でも中身は粗雑
・見た目だけホンモノの香木
ニオイ成分に漬けこんである
香木のニオイ成分であったり、香木から抽出されたオイルに木のかけらを漬け込んだ木片が、ベトナムの土産品やネットオークションでたくさん流通している事態です。
高品質の沈香の名をつける
また、クオリティーの低い沈香のかけらを伽羅や、SSS沈香などと言ったでたらめにハイクオリティーの沈香の名をつけて販売していることがあります。
箱は豪華でも中身は粗雑
レベルの低い沈香の塊をもったいぶった大層なな箱に入れ、いかにもクオリティーの高さをアピールし販売しているケースもあります。入れ物や桐箱を用意し、中身は別に用意する、そんな技は誰でも簡単に行うことができます。古物店やネットオークションでも多い手法です。
見た目だけホンモノの香木
また、見た目極上の沈香であるにも関わらず、内部に釘であったり、重り砂などが詰め込まれており、中身は空洞……という事例もあります。蝋や、ベンゼンが仕込んであることもあります。
鑑定士がおすすめする香木の購入方法
素人が安易な気持ちで香木をちょっと購入してみようかなというのでは、ニセモノをつかまされてしまうリスクが相当あります。
古美術店で購入したものが粗悪品だった。
その古美術店は、香木に対してのノウハウをほとんど持っていないのかもしれません。また、我々が知らないことをいいことにつけこむ詐欺業者であるのかもしれません。
露店、ネット通販、オークションでもニセモノを購入してしまうリスクはあります。
出品者のレベルも様々違い、香木を専門としていれば幾分リスクは低いと考えることができるのですが。
ごくごく最近、山田松や松栄堂などと言った有名店の入れ物に適当な香木を入れるなどする中身のすり替え詐欺が横行しています。また、出品者がホンモノとニセモノを混ぜて出品している悪質な事例もありました。
偽物とまでは言うことができないのですが、保存状態が悪いと、香りは失われ価値を損なっていくことになります。
木質がやわらかい伽羅に関して言えば、油質の影響で香りが飛びやすく適切な保存が必要です。小片(0.2g)以下あたりのものは、切断してから数年程度でかなり香りが損なわれてしまうことになります。
実際にどれだけ優良の香木であったとしても、直射日光に長期間さらされてしまうことで、かなり香りは損なわれてしまって、時として香木から異臭が発生することもあります。
そのような香木も販売されているため、決して香木は、安易なルートから入手するべきではありません。
失敗しない香木の鑑定
失敗しない香木の鑑定のため、以下のようなことを行ってみるといいでしょう。
・無料査定を利用する
・専門の鑑定士がいる
・販売ルートを持っているか
・査定力があるか
無料査定を利用する
まず、おすすめは無料査定を利用することです。
無料査定を行っている買取業者は多数あります。有料査定であれば、予算の都合上、一件にとどめてしまったというケースも出てくるでしょう。しかし、その一件が、レベルの低い業者である可能性もあります。
無料だからこそ、複数の業者に依頼しようという気持ちも起こるのではないでしょうか。
まずは複数業者に査定をしてもらってから比較して判断する。それは失敗リスクを回避する方法のひとつです。
専門の鑑定士がいる
そして大事なのは、専門の鑑定士がいてくれるかどうかです。
おすすめは、専門の鑑定士がいてくれることです。実際問題プロフェッショナルでも香木は鑑定がなかなか難しいと言われています。ですから、よりレベルの高い鑑定能力が必要となります。
満足のいく高額査定を実現することができ、さらに、なぜその査定額になったのかの説明も丁寧にしてもらえることが理想です。
販売ルートを持っているか
また、業者が香木を買取して販売ルートをしっかり持っているかも、見極めのポイントです。
買取業者は、買取してそれで仕事が終わり……ということではありません。問題は、買取したあとに、より高い値段で売ることができるかです。それができなければ事業はなりたたないでしょう。
販売ルートを確保できていない買取業者の場合は、買い手を見つけるために苦労をしなければならないため、おのずとリスク回避のため安い額での買取となってしまいます。
査定力があるか
また、香木を鑑定依頼して欲しいのは、査定力に力のあるお店です。大事なポイントは、あなたが売ろうと思っているジャンルに対して、どの程度買取の実績を持っているかです。
まとめ
いかがでしょうか。今回は、香木の鑑定について解説をしました。
香木は、ニセモノが多く出回っているため、相当注意が必要です。
なかなか素人目ではわからないため、専門知識をもつ鑑定士に鑑定を依頼するといいでしょう。
その、香木は、期待以上の価値がつく可能性があります。また、ただの木に過ぎない……ということもあります。
一般によくあるリサイクルショップに持ち込みをしても、なかなか香木の価値を判別することはできないでしょう。そのような意味では、香木とは、家電であったり、家具とは全く違うものです。
香木は「鑑定」や「査定」がより重要視される分野です。