2023.11.13

ジェフ・クーンズの経歴や作品、査定買取についての解説

Category

作家名

Tags

皆さんはジェフ・クーンズというアーティストをご存知ですか。ジェフ・クーンズはアメリカ出身の美術家で、絵画や彫刻作品で有名なアーティストです。彼は1980年代に美術家と認められ、ニューヨークのソーホー・ロフトにファクトリー風のスタジオを持ち、そこで30名のスタッフと複数の作品を製作していたそうです。

1994年からは、結婚記念日などの特別なお祝いの日に基づいて製作される巨大彫刻「セレブレーション」シリーズの製作を開始しました。この「セレブレーション」シリーズは2010年代から磁器によって再現するプロジェクトを手掛けています。

ジェフ・クーンズの生い立ち

ジェフ・クーンズは、1955年アメリカのペンシルベニア州ヨークで生まれました。

ヨークは州都の南側にある都市で、比較的経済格差の激しいところです。父親は家具屋兼インテリアコーディネーターで、母親はお針子を営んでおり、ジェフ・クーンズ自身もお小遣いを稼ぐために、キャンディなどの訪問販売を放課後にしていたといいます。

10代の頃はスペインの画家、サルバトール・ダリを尊敬しており、ダリが滞在していたホテルなどを直接訪ねたりと、並外れた行動力が伺えます。

シカゴ美術館附属美術大学やメリーランド美術大学で絵画を学び、1976年に大学を卒業し、卒業後は画家のエド・パシュケの元でアシスタントとして働きました。

1977年にはニューヨーク近代美術館で働きながら創作活動に励み、1980年代半ば頃に芸術家としての地位を確立しました。

1985年に「平衡」シリーズを発表し、その年にニューヨークの画廊で行われたグループ展で、『ネオ・ジオメトリック・コンセプチュアル・アート』の中心的人物として、ジェフ・クーンズは一躍アート界の寵児となります。

その後、ニューヨークに工場規模のスタジオを構え、30名以上のアシスタントを雇い、作品製作を始めます。アンディ・ウォホールの『ファクトリー』をモデルとしていました。現在は、広さも1500平方メートルで、アシスタントも90~120人も雇って製作を行っています。

1991年にジェフ・クーンズはイタリアに帰化したポルノ女優のシュターッレル・イロナと結婚し、その後発表された作品が、それまで以上の論争を引き起こしました。

翌年に息子が生まれますが、この直後2人の結婚は破局。共同親権に同意するも、シュターッレルは子をつれてローマへ逃げた。1998年にアメリカ合衆国は結婚の解消とクーンズの単独親権を認めましたが、シュターッレルと息子はローマに住み続けています。この事に対してクーンズは、「あの経験は僕に社会への責任を意識させてくれた。僕は人情を解する気持ちを失っていた」と語っています。2008年にシュターッレルから養育費未払いでクーンズは訴えられています。

作品の特徴

ジェフ・クーンズはシミュレーショニズムの代表的な作家でもあります。彼の他にも、リチャード・プリンスやウォーカー・エバンスなどがいます。盗用をすることによりオリジナリティという概念を問い直し、新たなイメージと視点を示しており、彼は大衆性やキッチュ(安っぽい、派手)なイメージが特徴です。

また、ジェフ・クーンズはポストモダニズムの代表的な作家でもあります。ポストモダンとは脱近代化運動とも捉えられていますが、ジェフ・クーンズ本人にそのような意図はなく、見たままの作品を楽しんでほしいと述べています。

代表作品

ジェフ・クーンズの代表的な作品を紹介します。

①スリー・ボール・50/50・タンク

1985年に発表した「平衡」シリーズの中で、最も有名な作品です。「平衡」シリーズは、物理学者リチャード・P・ファインマンの助けを借りて生み出された初期のシリーズです。

この作品は、蒸留水が半分まで入ったタンクのなかに、3つのオレンジのボールが平衡に浮いています。83年に製作された『Three Ball The Total Equilibrium Tank』では、液体で満たされたタンクのなかに、3つのボールが浮かぶように存在しています。

この作品によって、彼は「neo・ジオメントリック・コンセプチュアリズム」の旗手としても注目されました。

②パピー

画商からドイツのバート・アーロルゼンにある城に展示する作品を依頼され、1992年に作成された高さ約13mの巨大な立体作品が『Pappy(パピー)』です。

12.4mの骨組みに様々な花を植え込み、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの子犬の形になっています。この作品は、アーロルゼン城の中庭に設置され人々を魅了しました。

1995年に解体され、長持ちするステンレス鋼の骨組みと内部灌漑システムを備えて再建され、1997年にソロモン・R・グッゲンハイム財団が購入し、スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館に設置されています。その除幕式の前に、爆薬を仕掛けた植木鉢を作品の傍に置こうとした3人組が、ビルバオ警察によって捕まり未遂に終わりました。これ以降「パピー」はビルバオ市の象徴になりました。

③バルーン・ドッグ

ジェフ・クーンズの代名詞とも言える「セレブレーション」シリーズの中で、最も有名な作品の一つです。この作品はステンレスを用いた彫刻で、結婚記念日などの特別な日に基づいて1994年に作られました。

この作品は、一見風船をねじって犬の形にしたバルーンに見えますが、赤い風船はステンレスで、高さも3m以上もある彫刻です。

ジェフ・クーンズは2010年代から「セレブレーション」シリーズをステンレス製から磁器によって再現するプロジェクトを手掛けています。

2021年にはフランスのベルナルドとコラボレーションし、磁器製の「バルーン・ドッグ」を発表しました。このコラボに関してジェフ・クーンズは「アイデアを追求できること、アイデアを実現させること、ビジョンを可能なものに近づけること、そしてそれを達成できることは、アーティストにとって素晴らしいことです。私がミシェル・ベルナルドと一緒にうまくやっているのは、まさにそういうことだと思います。ミシェルはあらゆる技法を試す努力を惜しまないので、最終的に私たちは素晴らしい成果を挙げることができるのです」とコメントを寄せています。

作品はどこで見れるのか

ジェフ・クーンズの作品はどのような場所で見ることができるのでしょうか。

2008年にはヴェルサイユ宮殿にて回顧展が行われましたが、バロック宮殿とその作品の取り合わせで批判が起こってしまいました。

2014年にホイットニー美術館で行われた回顧展では、当時同館最高動員数を記録したそうです。

2022年に金沢21世紀美術館で「セレブレーション」シリーズの展示が行われました。また2023年2月には、マイアミのギャラリーでも展示が行われています。

マイアミのギャラリーで展示されていた、「バルーン・ドック」が入場者の女性が躓いたことにより、粉々に砕け散ってしまいました。作品の破片は箱に保管され、美術作品の保険の専門家による鑑定を待っている状態ですが、一部の収集家から破片の買取の申し出があったそうです。

ジェフ・クーンズの作品の査定、売却は可能なのか

ここまでは、ジェフ・クーンズの経歴や作品に関してご紹介いたしました。ここからはジェフ・クーンズの作品を所有されている方や所有しようと思っている方に向けて、買取や査定売却についての説明に移ります。

ジェフ・クーンズ作品のオークション価格

ジェフ・クーンズの作品は存命しているアーティストの中でも、史上最高価格で取引されたことでも有名です。

2019年に「ラビット」が9110万ドル(約100億円)で落札されました。この作品はステンレススティールの彫刻で、80年代アメリカを象徴するプレイボーイを表現しています。落札したのは美術商のロバート・ムニューシンですが、顧客のために購入したと言われています。

2013年に「バルーン・ドッグ(オレンジ)」が5840万ドル(約63億円)で落札されました。この時も、存命アーティストの作品として最高額で話題になりました。

ジェフ・クーンズの作品の買取相場

ジェフ・クーンズの作品はキッチュでスキャンダラスなイメージと、ジェフ・クーンズ本人の派手な言動で高い知名度を誇っています。前記したように、オークションにおいて、記録的な高値で取引がされています。

国内で流通しているのは、ウサギや犬のバルーンアートをフィギュアにしたものが多く、作品の人気や保存状態によって価格が左右されます。ただ、3万から6万円前後での取引が一般的なようです。

買取のタイミングによっても異なるようなので、買取業者に連絡をしてみるのも良いでしょう。

ジェフ・クーンズの作品の価値

ジェフ・クーンズの「ラビット」は、ニューヨーク近代美術館のキュレーター(学芸員)が注目したことがきっかけで知名度が上がりました。

「ラビット」もポストモダン(脱近代化主義)を意識して製作されたと思われるため、当初はキッチュで悪趣味と評価されていた可能性もあります。

しかし、この作品は80年代アメリカの繁栄を皮肉的に表現した知名度の高い作品であるため、約100億円という価格で落札されたといわれています。

まとめ

本記事では、ジェフ・クーンズの経歴をはじめ、作品の特徴や査定、売却などについてご紹介しました。

ジェフ・クーンズはなにかと話題に事欠かないアーティストです。作品の特色としてはキッチュな表現を露骨にしていることから、美術界で良い意味でも悪い意味でも物議を醸しています。しかしながら、現代アートの中でもシミュレーショニズム運動の代表的な位置付けと、現代作家の中でも最高額落札価格の記録も保持しています。

彼の作品をこれから所有しようと思っている方、手放そうと思っている方も、ジェフ・クーンズの作品の査定・売却に関して、買取業者に問い合わせてみると良いでしょう。



« »

この記事をシェアする

Category

Tags

この記事をシェアする

あなたにおすすめの記事

人気記事