2023.12.05

象牙の鑑定はどこで依頼する?初心者が見分ける方法や高値で買取できる象牙についての解説

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象牙

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今現在、日本で象を見るには、動物園しかない、といっていいほど象は珍しい動物になっています。

そして、象牙(ぞうげ)や牙を加工してできた象牙製品は、希少価値が高く、昔から印鑑や箸、根付、印籠、楽器などに使用され、使えば使うほどに、美しい飴色に変化していく天然の高級品です。

しかし、象の乱獲によって、象の数や取得できる象牙の数が激減しています。

さらに、ワシントン条約によって、象牙や象牙製品の譲渡や売買が厳しく規制されるようになり、既存の象牙の価値が高騰しています。

象牙は、現在輸入が禁止されています。そのため、象牙一本丸ごと見かけることが少なくなってきており、専門家でもなければ本物の象牙を見極めることが難しくなってきています。

象牙や象牙製品は、登録された業者でなければ取引ができなくなっています。

象牙の取扱が可能な専門店なら安心して取引できますが、そうでない業者に取引や買取を依頼すると、譲渡した側も場合によっては取引が禁止され、懲役や罰金などの刑罰が与えられる恐れがありますのでご注意ください。

不要になった象牙製品をお持ちなら、正確な鑑定と査定が必要です。

譲渡や売買に際し、トラブルが発生しないような良心的な買取専門店へ相談することが最も安全です。

この記事では、象牙や象牙製品をお持ちの方に向けて、本物の象牙かどうかを鑑定できる場所、初心者が見分ける方法、高値で買取可能な象牙、安全に取引できるお店の選び方、象牙製品の正しい取り扱い方法などについて解説しています。

美術品やインテリアが趣味で、象牙や象牙製品をコレクションしている方は、今でも数多く存在します。

アンティークで美術的な価値のある象牙製品なら、美術品や骨董品として高値で買取が可能です。

お持ちの象牙が気になっているなら、一度正式な「鑑定」を依頼し、正しい価値を確認してみてください。

希少価値が高く高級品として人気の高い象牙

象牙は、象の上顎から生えている大きな歯です。

牙のように見えますが、実際は歯です。

歯ではなく牙として呼んでいますが、象の牙は門歯が発達して大きくなったものです。

象牙の主成分はカルシウムです。

象牙は、弾力性があり、粘りもあるため、彫刻などに使用すると、適度な硬さと元々持つ縞模様がより美しさを引き立ててくれます。

そのため、古くから美術品や工芸品などではよく使用されてきました。

象牙が使われている人気の品物は次のようなものです。

  • 置物(彫刻や牙)
  • 根付
  • 布袋、七福神
  • 仏像
  • 香炉、香合
  • ビリヤードに使用する玉
  • 麻雀牌

現在はワシントン条約によって、

1989年以降、象牙の国際取引が禁止されています。

現存の一部の象牙は条件付きで譲渡や売買が可能です。

象牙に使われる象の種類

象牙に使われる象の種類にも注目しましょう。

アフリカ象、インド象、アジア象から採取可能で、この中では「インド象の象牙」が最高級品とされています。

インド象は、他の象に比べると牙が小さめである、という特徴があります。

さらに、密度・硬度も高く、丈夫で美しい素材が多くなります。

採れる量も少なくなり、現在ではほとんど流通していません。

そのためインド象の象牙は、他とは異なり「幻の象牙」と呼ばれるほど貴重な存在です。

象牙の硬度の違い

現在、市場で流通している象牙は、アフリカ象が最も多くなっています。

しかし、象の生息する地域が同じアフリカでも、食べ物や環境が異なるため、同じアフリカ象でも象牙の硬度が変わってしまいます。

中央アフリカで採取される象牙は「ハード」で、少しピンクがかったアイボリー色です。

一方、南部アフリカで採取される象牙は「ソフト」で白に近い色です。

同じ牙から採れる部位の違い

同じ象から採れた象牙でも部位により価値が異なります。

「芯」の中心部に近いほど、密度が高く硬くなり、目も細かく美しいと評価されます。

象牙を切り取った断面は、まるで年輪のような縞模様を描いています。

加工された製品

象牙一本をそのまま飾るケースもありますが、多くの象牙は、印鑑や置物などに加工されます。

加工された製品の人気が高いと、価値も上がります。

例えば、アクセサリーや印鑑、七福神の置物などに高い人気があります。

象牙の鑑定方法とは?

象牙が本物かどうかを見極めるには、専門家による鑑定が最も信頼できます。

しかし、初心者や一般の方にもある程度見分けることができます。

真贋の保証を得たいなら、ご自身だけで判断しないで、プロの鑑定士に鑑定を依頼してください。プロの場合は、下記の見分け方に加えて、重量や比重、色合い、細工の精密さなどからより緻密な鑑定作業を行っています。

縞模様の状態

象牙にしかないような独特の縞模様で判断します。

人工的に模様をつけた偽物も多く出回っており、本物に比べると無機質で均一な模様になっていることが多くなります。

また、偽物は、縞模様自体がないというケースも多くなります。

より天然らしい状態を確認

天然の象牙には、ヒビや欠け、汚れなどがあります。

象牙は生物由来です。年月が経過すれば、必ずヒビや欠けが発生し、色も黄色くなっていきます。

長い年月が経ってもきれいすぎるものは、偽物の可能性が高くなります。

光に透かしてみる

象牙は天然素材であり、硬いカルシウムが規則正しく並んだ構造をしています。

そこで、光にかざして格子状に透けて見えるかどうかを確認してください。

偽物の象牙に多く使われている素材は、セラミックやレジンです。

これらの素材は、光を通しにくい特徴があり、格子模様に透けないようになっています。

空洞があること

加工された製品ではなく、象牙が全形を保持している状態の場合、本物なら根元から先端にかけての3分の1くらいが空洞です。

偽物は空洞が無いものです。

しかし、詰め物や蓋がされている本物の象牙も存在しますので、内側の状態はプロに確認してもらうしかないでしょう。

象牙の買取相場はいくら?

象牙は、希少価値が高く、本物であれば、高額買取が可能です。以前よりも数が激減していることから、さらに価格が高騰しています。

中古の象牙の買取額は、保管状態、サイズ、切り出した部位などによっても大きく異なります。

この章では、象牙の買取相場の目安について解説していきます。

一本牙の象牙 買取相場 重さ✕1kgの単価

全形を保持しているような一本牙の象牙のケースでは、重さ✕1kgの単価が基本的な価値の相場となります。

装飾や加工が施されていたり、美術的・骨董的な価値があったりすると、プラス査定になります。

例えば、象牙の加工品の場合は、特に置物に高い人気が集まっているため、1つにつき数十万円の高値がつくことがあります。

象牙の印鑑などの小物の場合は、8千円〜数万円前後で買い取りされています。

象牙の査定額が高くなるケース

次に、象牙の査定額が高くなるケースについて簡単に見ていきましょう。

インド象

象の種類によって査定額が変わります。

特にインド象の象牙は最高級品として認識されています。

インド象の象牙は、牙の大きさが小さく、入手も難しいからです。

硬度

象牙は硬いものほど高値で取引されています。

中心部位

芯、牙の中心部に近い部位が高値取引対象です。

牙の重量

「一本牙」という全形を保持した象牙なら、「重さ✕1kg」単価でおおよその価値が決まっています。

象牙専門の買取業者の正しい選び方

安心安全に象牙の取引を行うためにも、買取業者選びは真剣に行いましょう。

この章では、象牙を安心して鑑定・査定・買取に出せる業者選びについて解説していきます。

象牙の取扱実績を確認

買取実績が豊富なら、高値で売却できるルートがある証拠です。

数多くの象牙を鑑定・買取してきた経験によって、審美眼も養われています。

特定国際種事業者であること

象牙を取り扱う業者は、絶滅危機に瀕する野生動植物を守る法律に基づいた「特定国際種事業者」への登録が必要です。

象牙1本物だけではなく、象牙の加工品を取り扱う場合でも要確認事項です。

知名度もあり社会的信用が高い!

メディアへの露出がある程度あり、経営者や担当者にも豊富な知識と経験があることがわかるようなら、信頼度の高い業者です。

また、元会社があり、財務面なども含めてしっかり経営されている会社も、社会的信用が高い会社です。

象牙だけではなく骨董品や美術品に関する専門知識がある

象牙専門の鑑定士の存在は必須です。

さらに、象牙を加工した骨董品や美術品も多いため、それらも同時に取り扱う専門店がおすすめです。

鑑定・査定時にも象牙の価値に、骨董的・美術的価値がプラスされます。

アフターフォローなどの顧客対応が優れている!

受付や電話での対応が丁寧な会社は、きめ細かいサービスで象牙などの貴重な品物も丁寧に取り扱います。

また、不明な点があれば気軽に確認でき、安心して利用できます。

貴重な象牙ですから、取引後のクーリングオフ制度の有無など、アフターフォローがしっかりしていると安心できます。

象牙の鑑定や売買で知っておくべき基本知識

象牙の鑑定や取り扱いに際し、厳しい法規制があるため、注意すべき点がいくつかあります。

この章では、象牙の鑑定に際し注意すべき点、知っておくべき基本知識について解説しておきます。

ワシントン条約の存在

象牙を売買する上で注意すべき点は、ワシントン条約に引っかかる恐れがある点です。

日本への象牙の輸入はアフリカ諸国からですが、アフリカ象は密猟と象牙の違法取引が横行していたため、絶滅の危機に陥っています。

象牙の国際取引は、ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の国際取引に関する条約)によって、1990年に原則禁止となっている点にご注意ください。

「種の保存法」による国内規制

ワシントン条約を受けて、日本では、1992年に「種の保存法」が制定されました。

これは、違法な象牙の国内取引を防止する管理制度です。

1999年と2009年には、絶滅の恐れの少ない個体群とされたアフリカ象のうち、自然死した個体の象牙が日本に輸入されました。

これらの象牙も種の保存法に基づく登録手続きが行われており、国内取引が厳格に管理されています。

種の保存法では、新たに生牙(原木)・磨牙・彫牙・全形を保持した象牙の売買が原則禁止です。

ところが、ワシントン条約規制前に取得したものなら「登録」後に所持・売買可能です。売買を行う場合は、登録番号を提示し、登録票と共に売買を行う必要があります。

象牙製品の取り扱いも登録制へ

さらに、象牙だけではなく、象牙製品全般を取り扱う業者も登録制へと変更されました。

新しい登録制では、5年ごとに審査と更新が必要です。

買取業者も厳正に管理されるようになり、購入側もより安心できるシステムになりました。

また、象牙製品を持つ人は、個人でも登録が必要となっています。

不要になった象牙をお持ちで、家族や友人にあげたい場合も、登録が必要となりましたのでルールを守って、忘れずに正式な手続きを行いましょう。

まとめ

本記事では「象牙の鑑定はどこで依頼する?初心者が見分ける方法や高値で買取できる象牙についての解説」

と題して、象牙の鑑定や査定、買取をお考えの方に向けて参考となる情報を提供いたしました。

お持ちの象牙や象牙製品の鑑定・買取をご希望なら、信頼できる象牙取扱専門店、象牙の取り扱い実績の豊富な骨董品店・美術商などに正式な鑑定・査定を依頼すべきでしょう。

また、象牙製品を多数お持ちで、一緒にまとめて手放そうと考えているならぜひ一度弊社にもお問合せください。



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