2024.01.17

 浅蔵五十吉の九谷焼を買取したい方必見

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焼き物

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「実家の蔵から浅蔵五十吉の器が出てきた!」

「ところで浅蔵五十吉って誰だろう?」

「この器、売れるのかな?いくらくらいになるのかな?」

箱に入った器が出てきたとしても、その価値はなかなか分かりにくいものですね。

この記事では、浅蔵五十吉についてご紹介するとともに、浅蔵五十吉の作品がどのように評価され取引されるか、また作品を高く売るにはどうすればいいのかを解説していきます。

ぜひご一読ください。

浅蔵五十吉とは

「浅蔵五十吉」と聞いて、どんな人でなぜ有名なのかを説明するのは、焼き物や骨董品に詳しい方でないと難しいかもしれません。

ここでは浅蔵五十吉について、その人物像や略歴、作品の紹介などを交えながら簡単にお伝えしていきましょう。

浅蔵五十吉の略歴

浅蔵五十吉は九谷焼の陶芸家です。1655年の開窯以降、長い歴史を持つ九谷焼の伝統に現代感覚を取り入れ、より高い完成度の作品を数多く生み出した作家が浅蔵五十吉といわれています。

浅蔵五十吉は石川県能美市に生まれ、小学校を卒業すると同時に父親から陶芸の基礎を学びました。その後、本格的に陶工の道へと進み、1928年には初代徳田八十吉に、1946年には北出塔次郎に師事し、絵付けを含めた作陶の技術を身につけていきました。

その努力・研究が実を結び、同年に開催された第一回日展に入選以後は、九谷焼の伝統を踏まえ、独自の色彩感覚で新たな九谷焼を発表し続けました。連続で入選を果たした五十吉は、九谷焼の名工として徐々にその名を馳せていきます。

1997年には日展内閣総理大臣賞を受賞、1992年に文化功労者、1993年に日展の顧問となり、1996年には九谷焼の作家として初めて文化勲章を受章しています。

この時の浅蔵五十吉は二代目であり、1999年には三代目が浅蔵五十吉の名を襲名しています。

五十吉の作品である「白陽彩牡丹飾壷」は「第37回日本現代工芸美術」展に出品されたもので、没年である1998年に制作されたものです。大輪の牡丹の青が銀地に鮮やかに映え、重厚感があるのにどこかさわやかさを感じさせる作品です。色彩と最期まで向き合った五十吉ならではの一作といわれています。この作品に表れている通り、当初明るい黄色や緑を基調に用いてきた作風は、プラチナを用いた銀彩へ移行し、最晩年には「白陽」と称する白釉へ辿り着いたのでした。

浅蔵五十吉の作風

浅蔵五十吉は、伝統の技術をしっかりと学びながら、同時に新たな挑戦も続けた作家として有名です。特定の様式に固執するのではなく、一つの作品を完成させると、すぐに次の技法や様式を試します。

この地道な作業を繰り返しながら、伝統の中に新しい感覚を取り入れるのが浅蔵五十吉のスタイルでした。こうした姿勢から、浅蔵五十吉の作品は、制作時期によって作風が大きく変わることで知られます。

その周期については10年であることを浅蔵五十吉自身も語っています。

陶芸家としての初期作品では、彩度が高めの黄色を用いて比較的明るい印象の作品が手がけられています。その後、より落ち着きのある黄色へと変化し、晩年近くになると、緑や複合色を中心とした、複雑な色合いの作品が中心となっていきます。

浅蔵五十吉の作品は、制作時期によって色味が異なりますが、黄色を好んで使用していたのは間違いありません。

浅蔵五十吉の評価

浅蔵五十吉は、歴史と伝統ある九谷焼の流れを受け継ぎつつ、新たな工夫を重ね、現代感覚を生かした独自の世界観を作品に表現した作家として有名です。

九谷焼の基本となる色絵付けという意味では一貫しているものの、一つの様式が完成されると次にはまったく違う色、形、技法に挑戦するといったバイタリティーに溢れています。

10年の周期があるといわれるその作風と色味は、昭和20年代は明るい黄色、30年代には渋い黄色、40年代にはグリーン系、50年代には黄色がかった複合色と変化していきます。60年代から平成に入っては、プラチナを用いた銀彩に転じた色味は、文化功労者顕彰と傘寿を節目にとして「色無き色」、すなわち白釉の美へと向かいます。

浅蔵五十吉の作品は、一つの様式の完成に甘んずることなく努力を惜しまない姿勢、作家としての確固たる意志が貫かれていることで高い評価を得ています。

浅蔵五十吉の作品買取

文化勲章を受章するほどの陶芸家である浅蔵五十吉がつくった九谷焼の作品は、いったいどのくらいの価格で査定され、買取されているのでしょうか。また、実際に積極的に買取をしてくれるところはどういったところなのかについてもお伝えします。

浅蔵五十吉の作品買取相場

国内最大級のオークション相場検索サイトである「aucfan(オークファン)」によると、二代目浅蔵五十吉の平均買取相場はだいたい12,000円前後となっています。しかしこれはあくまで平均買取相場です。実際に取引されている作品をみると、100万円を超える査定がなされている作品もあり、その価値はひとつひとつに大きな違いがあると考えた方がよさそうです。特に浅蔵五十吉は初期作品からごく最近の作品までで、その作風や技法、色味に大きな違いがあります。文化勲章を受章する前と後の作品の評価も違ってきて当然です。ひとくくりに「だいたいこのくらい」と査定できる作家ではないことは間違いありません。

買取相場はあくまで目安として考え、実際にお手元の作品の売却を検討するのであれば、しかるべき流れできちんとした査定をするのが大切になります。

買取してくれるところとは

浅蔵五十吉の作品を買取してくれるところを探すのにはひと苦労あると考えた方がよさそうです。浅蔵五十吉は九谷焼の陶芸家としては有名ではありますが、それが分かるのは、九谷焼をはじめとする陶磁器にあかるい買取業者だけです。近所の質屋やリサイクルショップでは、浅蔵五十吉の作品を正当に査定できるかどうかも怪しいものです。ましてネットショップなどを頼った時には、自分たちと同様の素人が十把ひとからげに査定をし、買いたたかれて損をしてしまう可能性が非常に高いです。

浅蔵五十吉は、石川県に美術館が建てられているほど有名な作家です。現代九谷に大きな影響を及ぼし、九谷焼という陶磁器を通じて独自の世界観を表現した稀有な作家と考えてよいでしょう。

そんな作家の作品なのですから、価値のある作品をきちんと査定できるところで、納得できる査定をしてもらい、気持ちよく取引できるお店とお付き合いしたいものです。いくつかある大手の骨董品買取業者であれば、大きなトラブルになることのない、しっかりした取引ができると考えてよさそうです。買取額のみならず、査定料金や安心感、キャンセル対応などといったポイントについても忘れず加味して検討することが大切です。

浅蔵五十吉の作品を高く売るには

大切にしてきた浅蔵五十吉の作品であれば、手放すにしてもより高価に取引したいものです。骨董品をより高く売るにはいくつかポイントがあります。ここではそのポイントを3つご紹介しましょう。

付属品をそろえておく

浅蔵五十吉の作品に限らず、どんな骨董品であっても、付属品をあるだけきちんとそろえておくことは、高価取引をするための必須条件です。作品本体はもちろんですが、作品が入れられている箱にも価値があります。箱に書いてある事柄(作品名、作られた時期、制作意図など)は作品の価値を判断する貴重な材料になります。鑑定書があればより安心ではありますが、鑑定書自体が本物ではないということもよくあることです。客観的に作品の価値が判断できる材料をひとつでも多く揃えておけば、より納得できる取引が実現できるといっても過言ではありません。

また、仮にヒビや欠けがあったとしても、その価値を証明できさえすれば、買取してもらえる場合があります。自分だけで素人判断せず、浅蔵五十吉の査定ができる専門店で査定してもらいましょう。

相見積もりをとる

査定に関してはいくつかの骨董品買取業者で相見積もりをとることも大切です。いかに骨董品を専門に扱っているとはいえ、そのお店が確実に浅蔵五十吉の作品を正当に査定できるかどうかは分かりません。

骨董品一般を扱っていても、得意分野が絵画だったり書だったりすることもあります。陶磁器専門に扱っている業者ならともかく、骨董品全般を扱っているような業者であればなおのこと、相見積もりは大切です。

付属品まで揃えて大きな荷物をお店まで持参したり、郵送・宅配・返送の手間をかけなくても、昨今は自宅で必要なものを写真撮影してメール送付するだけでいくつかの業者に同時に査定してもらうことも可能です。

よりよい取引をするためにも、相見積もりは必ずとるようにしましょう。

浅蔵五十吉とその作品についての知識を持つ

所有者として、浅蔵五十吉という人物とその作品についての最低限の知識を持つことが大切です。業者側からみたときに、持っている作品の価値について、全く知識がなさそうな相手だったとしたら、査定をいい加減にされてもおかしくないのです。

所有者としての知性や品格を感じさせる相手には、業者側も適当な査定額は出せません。中途半端なことをしたら、所有者に叱られるかもしれないし、それ以上に「あのお店は浅蔵五十吉の正当な査定すらできない」という評価をされてしまうかもしれないからです。商売をする上で、口コミの影響力ほどおそろしいものはありません。

きちんとした査定をしてもらうためにも、所有者としての最低限の知識は身につけておくようにしましょう。

まとめ

この記事では、浅蔵五十吉の人物像や略歴、作風の紹介などを簡単にお伝えしました。また、浅蔵五十吉の作品がどのように評価され取引されているのか、作品を高く売るにはどうすればいいのかについても解説してきました。

この記事で浅蔵五十吉の作品をきちんと査定し、より高価な取引をするにはどうしたらいいか、ご理解いただけたのではないでしょうか。

所有している大切な美術品である浅蔵五十吉の作品価値を高めるためにも、査定に実績のある弊社にお声がけいただければ幸いです。納得できる取引となるよう、話し合いを進めてまいります。



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