2024.01.24
焼き物
2024.01.24
「有田焼をたくさん持っていて売りたい」という人がいますが、「有田焼は売れない」という声も聞かれます。有田焼の買い取りを依頼する際には、どんな所に依頼すればいいのか、業者選びのポイントや相場を紹介しますので、参考にしてください。
目次
有田焼は、佐賀県有田町周辺で作られた磁器や陶器のことを言い、長い歴史を持っているため多くのファンがいます。
有田焼の歴史は、1616年に朝鮮人陶工の李参平らによって有田町の泉山で磁器の原料となる陶石が発見されたことから始まっています。400年以上の長い歴史があり、多くの窯元があるのが特徴です。
その中でも「三右衛門」が有名で、「源右衛門」「柿右衛門」「今泉今右衛門」の3つの窯元が「有田三右衛門」と呼ばれています。
透明感が強い白磁に金や黄色、青や赤などの色絵が美しく繊細にデザインされているのが有田焼の魅力と言えるでしょう。
例えば、「有田三右衛門」の中の一つ、「源右衛門窯」の特徴は、洗練されたデザインと優雅な美しさにあり、歴史のある古伊万里を基本としながら独自の現代的なデザインが魅力です。色の鮮やかさも人気で、国内外に多くのファンがいます。
また、「柿右衛門」は、赤絵を初めて日本で行ったと言われていて、乳白色の余白に色絵を描き、余白による明るさと繊細さが際立っているのが特徴です。世界中にファンがいて、今は15代目となり、長く伝統が受け継がれています。
「今右衛門窯」は、赤絵が特徴で赤・黄・緑の上絵の調合、技術が重要無形文化財保持団体として認められています。 色鮮やかなデザインで、繊細かつ大胆なデザインが魅力で、格調があることでも人気です。
また有田焼は、歴史的にも西洋磁器に大きな影響を与えています。1647年には有田焼の海外輸出が始まり、ヨーロッパへ輸出されます。
そして、ヨーロッパで有名なマイセン窯にも影響を与えていることも知っておいてください。特に有田焼の「柿右衛門様式」の「濁し手」と呼ばれる乳白色の素地に余白を生かしつつ豊かな色彩で絵付けする、「色絵」の技法がマイセンにも影響を与えています。
日本の有田焼は海外にも多く輸出され、ヨーロッパの西洋磁器に多大な影響を与えていると言えるでしょう。そのため、有田焼は海外でも人気があります。
有田焼は、日本では高級食器と思われることも多いでしょう。磁器のために陶器よりも1.5倍硬く割れにくい器が特徴ですが、そのため、旅館や料亭などでよく使われる器ともなっています。また、白磁の美しい器などが料理を惹き立てると人気です。
一般的に使われる器よりも価格が高いことも多いのですが、品があり、格式が高い磁器として人気となっています。
そのため、家庭でも旅館や料亭のような美しい食器を集めたいという人も多く、有田焼を集めているという人も多くなっていると言えるでしょう。
それだけ人気がある有名な有田焼がなぜ売れないと言われるのかですが、安い陶磁器が最近では多くなり、有田焼は高いというイメージが強くなってきたことも一因です。
なぜ「売れない」と言われるのかについても見ていきますので参考にしてください。
様々な陶磁器が登場するようになった最近では、新品の陶磁器の価格も様々です。本来、旅館や料亭で使われることも多かった有田焼の価格は、相場として高いのが印象としてあるでしょう。
そのため、低価格の陶磁器が登場した現在では、選択肢の幅が広がり、高い有田焼は売れないという現象も少し生まれています。そのため「これまで集めた有田焼を売りたい」「高く買い取ってもらいたい」という場合も、売れないのではと心配する人も多いでしょう。
「有田焼が売れない」などという場合は、買取業者選びに失敗している時が多いとも言えます。
有田焼を高く売りたい場合は、骨董品や古美術品の買取専門店に依頼するのがおすすめです。普通の安い食器と同じように査定されないように、専門の買取業者に依頼するのがいい方法です。
有田焼の価値をしっかり理解している専門の買取業者に依頼しないと高額買取が期待できることも多いでしょう。有田焼の買取に実績のある業者、きちんと焼き物、陶磁器専門の鑑定士がいる買取業者を選ぶことが大切です。
有田焼であること、いつ頃に作られたものであること、窯元、作家名などの鑑定ができ、現在の人気についても理解している骨董品や古美術品の買取業者に依頼するのがいい方法です。
有田焼の400年の歴史や繊細な色やデザインの美しさを理解している業者に依頼しないと高額買い取りにならないこともあります。特に最近では海外からの人気も高い有田焼です。そうした需要に敏感な業者に買取を依頼するようにしてください。海外への販売経路なども持っているような業者があればおすすめです。
よく売れる有田焼としては、有田焼の初期の伊万里焼き「古伊万里」などをはじめとしたものがありますので見ていきます。
江戸時代初期の伊万里焼きは人気で、海外からの需要も高いです。また、1640年代に青・黄・緑を基調としたカラフルな色を使った「古九谷様式」と初期の頃の有田焼の色絵様式も人気です。
そして、「柿右衛門様式」の濁し手もヨーロッパに多く輸出されているためファンが多くいます。「金襴手」と呼ばれる1680年代の濃い染付に赤や金の絵の具で花文様などをいっぱい描き込んだ華やかな大きな壺なども海外で人気です。
「鍋島藩窯様式」も青みがかった地肌やくし高台、裏文様が特徴で、赤・青・緑の3色を基調とした「色鍋島」、藍色の「藍鍋島」、自然の青翠色の「鍋島青磁」の需要が高いでしょう。
有田焼は昔伊万里焼きと言われていて、江戸時代に作られた伊万里焼の中でも古く作られた「古伊万里」は、特に世界中にコレクターがいて、数十万円の高額で買い取られることもありますのでおすすめです。
古い江戸時代の「古伊万里」を持っている場合は探してみるといいでしょう。
有田焼でよく売れる作家についても紹介します。柿右衛門窯の「酒井田柿右衛門」の作品は高く売れておすすめです。世界的なファンも多くいます。特に十三代目の作品は乳白色の地色に仕上げる技術「濁し手」を復活させたことで、人間国宝に認定されています。十三代目、十四代目の作品などは世界的な評価も高く、高額買取が可能です。
また、「今泉今右衛門」は現在十四代目となっていて、白抜きの文様を描き出す伝統技法を独自に発展させ人間国宝となっています。そのため高価で売れる可能性があります。
有田焼のろくろ成形の名手で人間国宝となった「井上萬二」も人気作家です。白磁丸形壺や白磁彫文壺は数十万円で取引される場合もあるでしょう。
「奥川忠右衛門」も大物のろくろ作品が得意な作家です。白磁に美しい文様の白磁彫文のシンプルな色遣いが魅力で人間国宝となっているため高額買取となっています。
有田焼の買取相場ですが、売れないと言われることもありますが、人気のあるもの有名作家の作品はとても高額買取です。例えば次のような買取相場となっていますので参考にしてください。
・十四代目酒井田柿右衛門の濁手 四方割花文花瓶 150万〜170万円
・酒井田柿右衛門の濁手 野茶花文皿 40万〜60万円
・今泉今右衛門の色絵 雪花墨色墨はじき四季花文花瓶 50万〜70万円
・十三代今泉今右衛門の色鍋島 緑地草花更紗文蓋物 10万〜15万円
・井上萬二の白磁 青海波文花瓶 10万〜15万円
・井上萬二の白磁 緑彫文花瓶 5万〜8万円
大皿などについては売れないのではと思う人も多いのですが、有名作家の大皿の場合は次のような相場で高く買取可能です。
・葉山有樹 梅花紋飾皿 大皿 3.5万~6.5万円
・神右衛門作 染錦龍絵大皿 5万~9万円
最後に有田焼が売れない時の注意点についても紹介します。共箱や資料、鑑定書があれば一緒に添えることが大切です。どこでどのように購入したのかなども説明することも重要です。
また、高く売れないような時は、2~3社に相見積もりを取ってみるといいでしょう。自分が持っているものの買取相場なども事前に調べておくなど、適切な価格で買い取りが行われるように注意してください。
売れないとも言われている有田焼の買取について紹介しました。有田焼は売れないのではなく、高価なため安い食器が増えた最近では新品の有田焼の売れ行きが減少傾向にあるとも言えます。
しかし、それは有田焼の価値が減少したということではありません。質のいい有田焼の技術やデザインはこれからもより貴重になるでしょう。
有田焼はヨーロッパを中心に海外でも人気で需要が高いために高く売れる可能性が多いでしょう。世界中にファンがいて、時代やデザイン、装飾などによって高額買取となる可能性があります。
また、自分ではなかなか本物かどうか価値が判断できないことも多いために、買取は有田焼の買取実績のある専門業者、骨董品・古美術品などに依頼するのがポイントです。リサイクルショップや一般の買取業者よりも高く売れておすすめです。
陶磁器は、専門業者でないと、特徴や価値に気づかずに高く売れないことも多くあります。しっかり評価してもらえるように、例え遠くても有田焼の買取に実績のある業者に依頼することをおすすめします。
有田焼の買取に実績のある会社ならば、正当な値段で買い取ってくれる可能性が高くなりますので、ぜひ弊社のような専門業者にお任せください。
買取依頼に悩んでいる場合は、弊社にお気軽にお問い合わせ頂ければ高額買取可能となりますので、ご検討頂ければと思います。