2023.11.06

青島千穂(あおしまちほ)とは?経歴や作品の特徴、買取について解説

Category

作家名

Tags

青島千穂というアーティストをご存じでしょうか?村上隆が代表を務める「Kaikai Kiki(カイカイキキ」所属のアーティストで、少女やビル群などのモチーフのほか、日本的な妖怪や墓地の亡霊などを色鮮やかに描き出し、「異界との対話」をテーマとした作品を数多く発表しています。彼女は国際的なアートシーンで大変活躍しており、世界中の数多くのギャラリーや美術館で個展を行なっています。

本記事では、そんな青木千穂の経歴や代表作、作品の特徴などについてご紹介していきます。また、査定・買取が可能かについてもお伝えいたしますので、青木千穂に興味のある方、これから青木千穂の作品をコレクションしていきたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

青島千穂の経歴

青島千穂は1974年東京生まれ。法政大学経済学部に入学しました。当時、何かを作りたいという気持ちを持ちながら何を作ればよいかわからず、友達といる時ですらとても退屈した日々を送っていたそうです。「毎日時間が過ぎるのが遅く、死にそうだった」とも言っています。大学まで専門的に美術の勉強をしたことがなかった青島は、大学時代にさまざまなアルバイトを経験し、そのうちの一つの会社でグラフィックデザイン部門の仕事に就きました。そこでIllustratorの基本的なテクニックを身に着け、本格的な作品作りをスタートさせます。

しばらく、いわゆる日曜画家的に作品作りを行なってきた青島ですが、カイカイキキの代表である村上隆の元で働いていた際、村上に声をかけられたことがきっかけで1999年に『東京ガールズブラボー』展でデビューし、一躍脚光を浴びました。その時青島が出展した高さ100cm、幅20cmほどの大きさのイラストはどれも買い手がついたそうです。その後、2000年に日本からアメリカにかけて開催され、ロサンゼルス、ミネアポリス、シアトルを巡回した『Super Flat』展に参加し、会場の高さ8m、幅25mほどの壁にプリントアウト作品を出展しました。当時はそれほどまでに大きな作品は大変珍しく、大変注目され、好評を博しました。

青島千穂の壁紙作品はアートシーンに大きなインパクトを与え、BULM & POEやエマニュエル・ペロタンギャラリーなどの名だたるギャラリーでの個展を開催し、カーネギーインターナショナルに選出されるほどのアーティストとなりました。2003年には日本のデザイナー、イッセイミヤケとのコラボレーションが実現し、コラボTシャツなどが発売。2006年には青島の最大の作品「City Glow」(邦題:光る都市)がロンドン地下鉄の使われなくなったプラットホームに展示されました。そののち、同作品はニューヨークの地下鉄のユニオンスクエア駅でも展示され、好評を博しました。

2008年から、出産と育児に専念するために一時活動を休止しましたが、2015年から2016年に開催された個展、『REBIRTH OF THE WORLD』で活動を再開。2020年には香港のエマニュエル・ペロタンギャラリーで個展『Our Tears Shell Fly Off Into Outer Space』を開催しました。

青島千穂の表現手法

デビュー時は、Adobeのデザインソフト「Illustrator」を使用したクロモジェニック、プリントアウト作品が主でした。また、紙だけではなく、作品に奥行きを持たせるため、革やプラスチックなどの素材を使うこともありました。

その後、プリントアウト作品だけではなく、アニメーション作品にも取り組みはじめ、2007年にはニュージーランド出身の映像作家、ブルース・ファーガソンと組み、初のアニメーション作品である「CITY GLOW」を発表しました。

最近では、上記に加えてセラミックなどの立体作品や手書きの作品にも取り組んでいます。

青島千穂の作品の特徴は?

青島千穂は日本的な妖怪と墓場の亡霊をモチーフに、「異世界との対話」をテーマとした作品を数多く発表しています。作品の多くは明るくてポップな色使いですが、花や鳥、少女など自然界のさまざまな物と、墓石や擬人化したビル群などの人工的な物、幽霊や墓石、妖怪などの異世界の物が織り交ぜられて描かれており、混沌とした世界を作り出しています。時には「自然と文明」、「破壊と創造」、「生と死」などの対局の要素を扱うこともあります。青島は、このような超現実的な世界を描くことについては、もっと明るくて楽しいイメージの方が良いと思うこともあったようですが、暗くて不穏な世界を描くことに喜びを感じており、それは結果的にかわいいはずであると述べています。

青島千穂は自然に対する畏怖の念を持っており、自然と溶け合いたいという強い思いを持っていました。そして、死ぬことによって自然に返ることができるのではないか、と死の世界に対する強い憧れがあり、この憧れが作品に強く反映されています。青島は墓地をコンクリートジャングルの中のオアシスと表現し、都会の中で自然に触れることができる数少ない場所として捉えています。そのためか、過去には10年ほど墓地の隣に住んでいたこともあったそうです。

青島千穂とスーパーフラット

青島千穂の作品はスーパーフラットに属すると評価されることもあります。スーパーフラットとは、村上隆によって提唱された芸術運動、および概念のことです。作品の特徴として、平面的で二次元的な絵画空間をもち、余白が多く、遠近法などの技法をあまり使わないということが挙げられます。日本の伝統的な絵画からアニメ・マンガにも共通して見られる特徴といえます。

青島は本格的な芸術の教育を受けておらず、三次元的な表現方法を学ぶことがありませんでしたが、伝統的な日本画を描くことで二次元的な表現をしています。青島は特に葛飾北斎の妖怪を描いた作品に影響を受け、自身の作品の表現方法にも多大な影響を与えていると語っています。葛飾北斎のような絵画に見られるスーパーフラットの要素を青島が自然と身に着けていったと考えても良いでしょう。

青島千穂の代表作を紹介

マグマ魂爆発。津波は怖いよ。

2004年に発表されたクロモジェニック・プリントの作品です。高さ87.1cm、幅589cmあり、画面の左側はマグマがたぎり火山が爆発するようす、右側には津波が発生し火山に迫るようすが描かれています。中央には水とマグマの混ざりあったような少女が描かれ、「火と水」という対極的な要素が見られます。この作品を発表した直後、インドネシアの津波が発生しました。

CITY GLOW(邦題:光る都市)

2005年に発表された高さ4.8m、幅32.5mもある青島最大の作品です。2004年に青島が香港を訪れたときに見た摩天楼にインスパイアされた作品で、擬人化されたビル群と熱帯を思わせる木々や鳥が描かれています。ビルにはひとつひとつ顔がついていて、人のようにも別の生き物のようにも見えます。2004年ごろの香港は中国返還後の混沌とした雰囲気がまだ残っており、それを感じ取った青島は、摩天楼の風景を生き物として描きました。このイラストレーションが起点となった同名の「CITY GLOW」というアニメーション作品も作成されています。こちらは摩天楼のイラストから始まり、自然の霊的な世界や日本の墓場の風景が、混沌と紹介されていく作品です。

高天原

2015年に発表された映像作品。ブルース・ファーガソンとの共同制作で、宮城県高千穂で見た朝日にインスピレーションを受けた作品です。画面の中央に島が描かれ、その上に一塊の雲とそれに乗った赤い着物を着た少女と擬人化されたビル群が配置されています。それを囲むように左右に陸地が描かれ、左側には顔がついた高層ビル群が配置され、都会を表しています。右側にはたくさんの木々が描かれ、暗い山々が見えます。津波や火山の噴火などの自然災害の発生から、人をはじめとする生命がまた再生し栄えていく、「生と死」、「破壊と創造」といったテーマが織り込まれている作品です。青島はこの作品を個展『REBIRTH OF THE WORLD』(2015年シアトル、2016年京都、東京)で発表しました。東日本大震災に大きな影響を受けた青島はこの展示全体を通して、自然によって破壊された文明と災害からの復興を遂げる人間活動を表現することを試みました。

青島千穂の作品の収蔵されている場所は?

青島千穂の作品が収蔵されているのは下記の通りです。

  • オークランド美術館 (アメリカ ノースカロライナ州)
  • シカゴ現代美術館 (アメリカ イリノイ州)
  • カーネギー美術館 (アメリカ ペンシルバニア州)
  • シアトル美術館 (アメリカ ワシントン州)
  • ギャラリー・ペロタン (フランス パリ)
  • カイカイキキ・コレクティブ (アメリカ ニューヨーク州)

青島千穂の作品の売却・査定は可能か?

ここまで、青島千穂の経歴や作品の特徴について紹介しました。ここからは青木千穂の作品の売却や、所有を検討されている方に向けて、査定・売却が可能かについてお話します。

青木千穂は特に海外のコレクターに人気があります。オークションでは高価格で落札されています。また、日本国内でも買取に応じてくれる業者は多くあります。この時にポイントとして挙げられるのが、複数の業者に査定を依頼して、見積もりの比較を行なうことです。また、著名人の愛用品としてメディアに取り上げられるタイミングなどは査定額が上がりやすくなるため、こまめにニュースやSNSなどをチェックするとよいでしょう。

まとめ

本記事では、青島千穂の経歴や作品の特徴、作品の査定・売却についてご紹介しました。青島千穂は村上隆率いるカイカイキキ所属のアーティストだけあって、国際的に高い評価を得ています。国内での人気もこれからますます上がっていくアーティストと言えるでしょう。

これからコレクションしようと考えている方も、手放そうと考えている方も青島千穂の作品を査定・売却したい方は、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。



« »

この記事をシェアする

Category

Tags

この記事をシェアする

あなたにおすすめの記事

人気記事