2024.11.22
作家名
2024.11.22
豊かな色彩の富士山の絵でよく知られている絹谷幸二は、多くの富士山の絵を描いていて有名です。カラフルな色彩で描かれることが多く、パワーあふれる絵が特徴です。
また、真っ赤に燃えるような大きな太陽も絹谷幸二の油絵では印象的です。公共空間でのアートにも精力的に取り組んでいる洋画家、絹谷幸二です。どこかで見たことあるという人も多いでしょう。
「絹谷幸二芸術賞」を創設するなど、後輩の育成にも力を注いでいる、彼のパワフルな絵画の原動力について紹介していきます。
また、絵画の売却が可能かどうか、買取査定についても詳しく紹介しますので、参考にしてください。
目次
1943年、奈良生まれの画家で、小学校一年生の頃から油絵を習い始めています。芸大卒業後の1971年にはイタリアへ留学。ヴェネツィアでアフレスコ(壁面技法)の古典画技法を研究しました。
絹谷幸二がアフレスコ(壁面技法)に取り組んだ理由としては、彼が古都、奈良で生まれたことにも端を発していると言えるでしょう。歴史的にもとても古い壁面技法から彼はいろいろなことを学びました。
また、彼にとって絵を描くことは、物を静止させて見ることであると言います。例えば蝶を描く時にも絵にすることで、羽の様子などを細かく観察できると言っています。
また、富士山を多く描き続けた絹谷幸二ですが、通常はそう長く見られない富士山も、絵を描くと一日中見ていられるそうです。富士山の赤い砂鉄に気づき、様々な自然からできている富士山に気づかされるそうです。
そして、自然が美しくなければ、私たち人間も丈夫に元気に生きていけないもの、一つに繋がっているものと彼は考えています。絵を描いている際に、そうした様々な発見をしながら、気づきをしている画家が絹谷幸二です。
絹谷幸二は、色鮮やかな富士山をたくさん描いていますが、なぜ富士山を描くのかについても語っています。奈良から東京へ向かう際に、富士山の夜明けの景色が印象的だったとのことです。
上京する時に、「富士のように高い志を持って、時間を大切にして頑張っていかないといけないなということを」秘かに誓ったそうです。富士山は、多くの日本人の心の支えにもなっているとも彼は言います。
そしてまた、赤い大きな太陽を描くことが多いのが彼の絵の特徴と言えるでしょう。太陽は、すべてのものに恵みをくれ、光が私たちに色彩を届けてくれると彼は考えます。
生きるものにとって、色彩は大事で、太陽の光から、いろいろな光を感じることができ、色彩があるところが幸せなところというのが彼の考えです。人間の元気や幸せのもとが太陽から来ると考えているのでしょう。
また、絹谷幸二は、1971年にイタリアに留学していますが、イタリアでの経験も明るい色彩になったきっかけです。絹谷幸二の作品を見ていると、パワーを感じ、元気をもらえるのはその色彩の魅力に違いありません。赤い太陽、赤い富士山は生命力にあふれた魅力がいっぱいです。
また、作品の中には、色彩豊かな絵の中に、無情や戦争について描かれた作品もあり、メッセージ性の強い作品も制作されています。自然の中で、「生かされている」ということについても多く考えさせられる作品があるのも魅力です。
1943年 奈良県奈良市元林院町生まれ
奈良県立奈良高等学校卒業後上京
1966年 東京芸術大学美術学部油絵専攻卒(小磯良平教室)、東京芸術大学美術学部油画科卒業制作展「蒼の間隙」で大橋賞、独立美術協会第34回展で独立賞受賞
1967年 独立美術協会第35回展で独立賞を獲得
1970年 新鋭選抜展に「記憶の跡」を選抜出品し優秀賞、ベヴィラックア・ラ・マーサ財団主催の展覧会でラ・マーサ賞を受賞
1971年 イタリアへ留学し、ヴェネツィアでアフレスコ(壁面技法)の古典画技法を研究
1974年 第17回安井賞展に「アンセルモ氏の肖像」を出品し安井賞を授かる
1977年 「アンジェラと蒼い空II」が昭和51年度文化庁買い上げ優秀美術作品となる
1978年 イタリア・マニフェスト展でマニフェスト賞受賞
1983年 第2回美術文化振興協会賞受賞
1985年 第2回日本青年画家展に「光ふる時」を出品し優秀賞になる
1987年 東京芸術大学講師、第4回日本青年画家展に「時の天使」を出品し優秀賞、第19回日本芸術大賞獲得
1988年 第5回日本青年画家展に「涙するカトリーヌ」を出品し優秀賞受賞
1989年 東京芸大助教授になり、第30回毎日芸術賞受賞
1993年 東京芸大美術学部教授となる
2001年 日本芸術院会員になる「蒼穹夢譚」で第57回日本芸術院賞受賞
2008年 35歳以下の若手芸術家を顕彰する毎日新聞社主催「絹谷幸二賞」を創設
2010年 東京芸術大学名誉教授、大阪芸術大学教授になる
2014年 文化功労者受賞
2019年 紺綬褒章飾版、木杯一組を授かる
2021年 紺綬褒章飾版、木杯一組、文化勲章を授かる
1974年に安井賞を受賞した油彩画の作品です。イタリアに留学した際の作品です。鮮烈な光が乱反射するヴェネツイアに留学して、色彩が華やかな「アンセルモ氏の肖像」を描いています。しかし、絹谷幸二は、この絵で色彩自体はつかむことができないもので、この絵のアンセルモ氏の顔のように、いつかほどけていく時間の中にあると表現しています。華やかさの色の中にも、無常を感じているという作品です。
この作品は、東京国立近代美術館で見ることができるでしょう。
イタリアで学んだアフレスコの技法で描かれている作品です。ダイア・ガナッシィーニという女性の周りにかじられたリンゴの皮が飛んでいる構図が特徴です。画家の部屋にいて、窓の外にはイタリアの風景が描かれていますが、不思議な感覚になる絵と言えるでしょう。
新潟市美術館に所蔵されています。
美しい色彩の絵ですが、戦争の残酷さを描いています。イタリアのきれいな晴天の青空をバックに、アンジェラが大粒の涙を流し、身体の半分が広島の原爆ドームの鉄骨のようになっています。背後には戦闘機が飛び、美しい色彩であるがゆえに、いろいろ考えさせられる絵です。東京国立近代美術館に所蔵されている作品です。
長野冬季オリンピックの公式ポスターにもなっているため有名です。槍ヶ岳をバックに銀嶺の女神を描いています。背後の青い空が印象的で、女神の明るい表情や髪の毛の部分で様々な冬のオリンピック競技が描かれているのが魅力です。
太陽、月、春、湖上の富士山が描かれています。最も美しいと思われる富士山と背景を描いた絵です。満開の桜の美しさに、太陽、月も描かれています。赤に染まる色合いの中に、水色のきれいな湖が描かれているのが特徴です。水の力を経て富士山の砂鉄に染まる美しい色が出来上がっていることを感じることができるでしょう。
大阪市の梅田スカイビルには、2016年に積水ハウスによって開館された「絹谷幸二 天空美術館」があります。ここでは、多くの作品を見ることができます。27階という眺めの良い場所に、最新型のミュージアムで、アフレスコ(壁画の古典技法)とミクストメディア(混合技法)による絵画・彫刻が展示されていておすすめです。
絵の中に飛び込むような3D映像体験、ワークショップやアトリエスペース、そしてカフェがあり、身体全体で絹谷幸二のアートの世界に触れられます。
また、油彩の「アンセルモ氏の肖像|1973年」「アンジェラと蒼い空 II」などの有名作品は「東京国立近代美術館」にも所蔵されていておすすめです。
「ダリア・ガナッシィーニの肖像|1975年」は、「新潟市美術館」にあり、「東京国立近代美術館」とともに、イタリア留学時の絵を見ることができます。
「旭日葛城山上不二|2000年」「日月燦燦北海道|2001年」「生命旭日(北海道礼賛)2002年」といった作品が「北海道立近代美術館」にあり、北海道の大自然が描かれた作品をゆっくり堪能することができるでしょう。
また、「トルソーの涙Ⅰ|1973年」「うずもれしは砂の愛|1984年」「黒谷光明寺降臨文殊菩薩Ⅰ|2017年~2018年」の作品は、京都国立近代美術館に所蔵されています。
絹谷幸二の作風は、鮮烈な色彩を使って独自の「アフレスコ画」を確立したことが特徴です。
売却の際の買取査定では、絹谷幸二の色彩が華やかな「富士山」「ヴェネチア」「人物の顔」「薔薇」などの絵画作品が人気です。
華やかな色彩と個性的な人物描写などが魅力で、寒色はあまり使わず、暖かな色、特に赤い富士山や太陽の絵が多くなっているでしょう。
また、現在も制作を続けていて、様々な賞を受賞。日本洋画家界の肩書もありますので、売却時はこれからも高額になる可能性があるでしょう。
具体的な売却時の買取査定額ですが、特に富士山を描いた油絵は、高い人気です。買取金額100万円~500万円にもなります。また、アフレスコの油絵は、若い頃に描かれた作品が多く、イタリアのヴェネチアを描いた作品が多くなっています。少し買取価格が安定していないものが多い傾向です。買取金額は作品によって、数10万円台~100万円以上となっています。
また、絹谷幸二の版画作品でも、富士山をテーマにしたものが人気です。
絹谷幸二について作品の特徴と魅力を紹介しました。
豊かな色彩の油絵に高い評価があり、特に富士山の絵などが売却時にも人気です。高額買取査定となりますので売却にもおすすめです。
今、高く買取査定してもらえる所を探す方法も良い方法ですし、もっと高く売れる状況を待って売却をすることも可能です。
ぜひ、紹介した絹谷幸二の魅力をよく知った上で、買取査定と売却について検討されることをおすすめします。
そして、買取査定と売却について悩まれる場合は、お気軽に弊社にお問い合わせください。