2024.01.19
古道具
2024.01.19
ガラスケース入りの羽子板をお祝いにもらって、いいものだったので、処分するのはもったいないという人も多いでしょう。
買取が可能な場合は見積もってもらいたいと思う人もいます。また、難しい場合はどう処分するのがおすすめなのかも紹介しますので、参考にしてください。
目次
羽子板は、女の子が生まれたときに母方の祖父母から12月中旬頃に贈られることが多いものです。羽子板を飾る風習は、親が子どもを見守り、大事に育てていくことを考えて、飾り続けられてきました。
また、羽子板の羽根が虫を食べるトンボに似ているところから、女の子の様々な邪気をはねのけるとも言われています。羽子板の多くには美人画が描かれていますが、そのように健やかに美しく、凛として育ってもらうようにとの気持ちや祈りが込められて贈られたものです。
一般的には、正月の15日を過ぎると片づけますが、一年中飾っている家もあるでしょう。こうした羽子板は、ガラスケースに大事に保管して飾られることも多いために、きれいなままのことも多くなっています。処分する際にはいい羽子板であった場合は、もったいないと感じてしまう人も多いでしょう。
羽子板は室町時代から正月に用いていたもので、羽子板を使って羽根つきで遊ぶ習慣がその当時からありました。今では羽根つきもあまり行われない習慣となってきましたが、初正月に羽子板を贈る風習はまだ残っている所も多くあります。
まず、羽子板の種類について詳しく紹介しますので参考にしてください。
羽子板には、美人画が描かれることが多いのですが、顔の種類も手描面相と印刷面相などによって顔の表情が違うのが特徴です。最近では美人画の画風も現代的な顔も多くなっていますが、古いものは昔の古典的日本女性の特徴的な美人画のことが多くなっています。
また、押絵で作られることも多く、布と厚紙で綿を包んでパーツを作り、それを組み合わせて羽子板に貼り付け、立体的な絵に見せるのが特徴です。押絵の場合は、特に職人の技術が必要です。
羽子板は、女性の上半身が描かれることが多いのですが、顔や手のバランス、そして着物を着た女性の自然な仕草などがポイントとなります。また、衣装や使用される金襴や友禅、刺しゅうなどによっても価値に違いがあります。衣装は左右の色目や生地の柄のバランスやボリュームなどによっても価値が異なってくるでしょう。
職人の技術とこうしたものによって羽子板の価値が変わります。
ここで、古美術としても人気の「江戸押絵羽子板」について紹介します。
羽子板は、桃山時代までは板の上に梅の絵など、宮中の正月の儀式で悪を追い払う行事の「左義長」を描いていましたが、江戸後期から押絵の技法が確立し、変化を遂げています。押絵の技法により、歌舞伎役者の姿を押絵にしたりすることが流行り、華やかな羽子板を作ることも増えました。
宮中の貴族の遊びから発した羽子板も、江戸後期から庶民の人気を集めていきます。江戸後期頃の羽子板などがあれば、貴重なものとして買い取ってもらえておすすめです。
そして、「押絵羽子板」と言えば、埼玉県春日部も押絵羽子板の名産地です。戦後、浅草の押絵師たちが戦禍の中、良質の桐の産地の春日部に逃れて移り住んだことから、春日部には古い歴史があります。
羽子板という小さな板に、独自の世界、歌舞伎役者などの仕草や、動きを描く技術は伝統的な日本文化、江戸文化と言えるでしょう。春日部の押絵羽子板の魅力は1本ずつ手造りをしていることで、1本の羽子板を作るのに50~70の材料を組み合わせて200の工程を経て作りあげていきます。まさに、巧みな技術が必要な美術品です。
明治時代に全盛を迎え、団・菊・左を頂点とする明治歌舞伎の全盛期とも重なっています。現在の羽子板飾りでの「振袖」と呼ばれる女性の美人画のデザインも、春日部で生まれたとも言われています。伝統の技術が羽子板の歴史を繋いできたと言えます。
羽子板の買取の価値ですが、誰かの有名な作家の古美術としての評価があるものでなければ買取が難しくなっています。ガラスケースに入っていても、ガラスケースは引き取ってもらえませんし、状態がいいものでも買取が難しい傾向です。
羽子板が買取可能かどうかは、古い骨董品としての価値があるかどうかによっても決まります。
買取のため、羽子板で有名な作家についても知っておくといいでしょう。「江戸押絵羽子板」などで多く作られるようになり、江戸時代から技法を引き継いでいる有名な作家がいます。買取をしてもらう場合には、作家がわかることも大切なことです。伝統工芸士として認定されている作家のものなどは貴重なため高額買取も可能です。
・むさしや豊山(むさしやほうざん)
東京都認定伝統工芸士で勲五等瑞宝章授章の作家です。自然な押絵が人気となっています。上品なお顔の表情や全体の自然なバランス、細部まで細かな技術が施されている、「江戸押絵羽子板」です。
・匠一好(たくみ いっこう)
埼玉指定伝統工芸士の節句人形工芸士です。現代的な素材や色彩の衣装を作っているのが特徴です。そのため、幅広い層に人気となっています。匠一好の押絵羽子板は、多くのパーツを使用して製作しているため、立体的な造形美が魅力です。顔は全て手描きされていて、良質な「会津桐」の板を使っているのも高評価です。
・江戸勝(えどかつ)
埼玉県指定伝統工芸師で、埼玉県春日部にて、現在三代目の水野大が羽子板づくりの伝統と技を引き継いでいます。「押絵師」「面相師」「木地師」「裏絵師」などの職人が手作りしていて、江戸時代から続いている押絵羽子板となっています。
羽子板の買取ですが、売る場合には古美術店や雛人形などの人形を扱う専門業者に依頼するのがおすすめです。
羽子板は、古美術品的な扱いになり、古いものや押絵羽子板などになっているものや有名な作家のものなどは高く買い取ってもらえることがあります。人形店などの場合は、雛人形などを扱う人形の専門業者に買取を依頼してみるといいでしょう。
羽子板は、価値をわかってくれそうな専門業者に依頼しなければ、買い取ってももらえないことがありますので、人形と同じような扱いとして考えて、買取を依頼してみてください。
羽子板をきれいに保管する方法についても解説しますので、参考にしてください。押絵羽子板などを保管する場合は、布が日に焼けないようにすることが大切です。また、収納する場合も晴れた乾燥した日に収納することが必要です。シミがつかないように注意してください。
防虫剤は少なめに乾燥した日に収納するのがおすすめと言えます。そして、防虫剤は一般のものではなく、成分が違いますので人形用の防虫剤を入れるといいでしょう。
羽子板の買取専門業者に買取を依頼してもダメだった場合は、リサイクルショップに持ち込んでみるのもいいかもしれません。高額にはなりませんが、需要がある場合は買取をしてくれる可能性があります。
また、羽子板はお正月に飾られることが多いため、それより前に買取について聞いてみるといいでしょう。
羽子板飾りは基本的には成人するまで、女の子の健康を見守って飾る風習があります。どうしても飾れない事情ができたり、手放さなくてはならなくなったりした場合は、捨てるのは抵抗がある場合もあるでしょう。
処分方法としては、羽子板を購入した販売店や専門店に相談してみるのもいい方法です。いい処理の方法を教えてもらえます。
近くの神社に供養をしてもらったり、人形供養でお焚き上げをしてもらったりする方法もあっておすすめです。
また、一般社団法人「日本人形協会」もあり、こちらでは「ゆうパック」で人形を送ると、毎年10月頃に行われる東京大神宮の「人形感謝祭」で代行して供養してもらえます。
羽子板も人形として、女の子を守ってくれたものですので、供養してもらうのがおすすめです。
下記のサイトに詳細がありますので参考にしてください。「お人形差出キット」を活用することで一箱(袋) 5,000円で供養してもらえます。
ひな人形、五月人形、兜、抱き人形、市松人形、 舞踏人形、フランス人形、博多人形などの人形全般やぬいぐるみ、こけしなどの顔のついたもの、天神さま、羽子板などの顔を描いてあるもの、鯉のぼりなどが送れ、箱の大きさが 縦+横+高さの合計が170cm以内で、重量が30kg以内であれば送れます。ただし、ガラスケースは除いてください。
ガラスケース入り羽子板を売りたい時に買取依頼が可能かどうかについて紹介しました。売買したい時には、古いものであることや押絵羽子板、また作家物であることがポイントです。そして、古い羽子板でも状態がいいものが買取可能です。日頃から日焼けやシミが付かないように手入れをしっかりしておく必要があります。
また、売りたい場合は、自分でも作家名なども調べておくことが必要です。
そして、ガラスケース入りの羽子板を売りたい場合は、古美術店や人形の買取専門業者を探すと価値をしっかり理解した上で買取を検討してもらえるでしょう。
弊社では、買取を依頼していただくと高額で買取することも可能です。また、引き取りが難しいような羽子板も買い取りができる場合がありますので、実績のある弊社にどうぞお任せください。
ガラスケース入り羽子板を売りたいと悩んでいる場合には、お気軽に買取専門業者の弊社にお問い合わせ頂ければと思います。