2024.11.25
作家名
2024.11.25
フランスのアーティスト兼俳優の「マルシャル・レイスMartial Raysse」は、1971年の映画「ジュピター」で主演を演じた俳優で、詩人の心を宿したマルチな造形芸術家として人気です。
油彩画、フランス名画をネガ処理した平面作品、ブロンズ彫刻、ネオンサインを使った立体オブジェや映画など多様な作品を創出。詩集も出していて、1960年にはプラスチックに魅了されて、大量生産品や廃棄物を使って美術品を作る「ヌーヴォー・レアリスム」の芸術運動の旗手にもなった人物です。
まさに彼のマルチな才能が魅力と言えます。
マルシャル・レイスの魅力と買取査定・売却について紹介しますので、参考にしてください。
目次
フランスの俳優であり、芸術家というだけでもすごいのですが、詩人でもあり、絵画だけでなく、ブロンズ彫刻やネオンサインのオブジェなどを制作するマルチな芸術家です。
彼が画家になるきっかとなったのは、詩を書き始めた当初、様々な言語に翻訳されることで詩が変化することを知ったからでした。それに比べて、絵は世界共通の言葉だと感じ取ったと言います。
そして、彼は1960年初めて、ネオンサインを使った光の立体オブジェを作った芸術家になっています。また、プラスチックやガラス片などにも惹かれ、1960年「ヌーヴォー・レアリスム」の芸術運動のグループに参加。蛍光塗料、プラスチック製品、ネオン管などの人工的なもので芸術作品を作っています。
そうした人工的な明るさを持つ物体(オブジェ)を、南フランスの明るい光に置き換えて、モード雑誌の美女たちを人工的に飾ったのが特徴的と言えます。
マルシャル・レイスの魅力は、「光の作家」などと言われますが、ポスターのような抽象絵画の作品に、蛍光塗料やプラスチック、ネオン管などの人工物をくっつけたユニークな技法です。
最初はモップやプラスチックシャベル、ビニールチューブの集合体を作って注目されたのがきっかけとなっています。その後、当時ニースの大通りについていたネオン管に注目して、ネオン管を使った作品も制作。
安い人工的な素材を加えて、「高性能なアングル(有名フランス人画家)の作品を作ったらおもしろい」というのが彼の発想でした。彼はリサイクルした古い物を材料にするというわけではなく、高い物に走りがちな消費社会を批判した芸術家です。伝統絵画の模倣性や気取りと対極にある、芸術作品を作るためのアイデアが彼の魅力です。
現在、マルシャル・レイスは、南西フランスのワインの町、ベルジュラック郊外の廃墟同然の農家の家に住んでいると言われています。
「私の作品の40~50%は妻の影響がある」と画家の夫人と一緒に田園生活を送りながら、作品を制作し、彼なりの姿勢を生き方で示しているとも言えます。
マルシャル・レイスは「ヌーヴォー・レアリスム」の旗手と言われますが、1960年、大量生産品や廃棄物などを使って美術品を作る芸術運動がフランスで起きました。
マルシャル・レイスの作品には、1963年頃以降の作品には、ポップな赤や蛍光緑などの色使いもの物が多く、伝統的な描き方を批判する印象があります。ハエやガラス片、プラスチックを付けたり、ネオンを付けたり、自由で様々な工夫をすることで、より面白い作品を作っていると言えます。
そこには、1960年「ヌーヴォー・レアリスム」の一人として、高い物をいいものとする消費社会への挑戦があります。消費社会全盛の中で、プラスチックやガラス片、ネオン管など、人工的だけど官能的、冷たいけれど柔らかい、それらのおもしろさをアートとして引き出していったのが特徴です。
マルシャル・レイスは、産業拡大の時代に、20世紀の消費社会における芸術とアーティストの概念を考えあわせ、新たな試みをした人物として評価されています。
1936年、フランス、ニース近郊ヴァロリス・ゴルフ=ジュアン生まれ
1950年代、プラスチックなどでアッサンブラージュ作品を制作
1955年、詩集を発行
1958年、初個展で「絵画-詩-彫刻」を発表
1960年、アルマン、イヴ・クライン他とフランスでの「ヌーヴォー・レアリスム」宣言参加
1961年、ニューヨーク近代美術館での「アッサンブラージュ」展に参加
1963-65年 「メイド・イン・ジャパン」のテーマを付けた作品を制作
1969年、日本での「国際サイテックアート」展に参加
1971年、俳優として、映画「ジュピター」(ジャン=ピエール・プレヴォ監督)に主演
1972年、映画「ル・グラン・デパ」で監督、脚本を担当
1978年、パリの国立装飾美術学校教授となり、南西フランスのワインの町、ベルジュラック郊外の廃墟同然の農家をアトリエにして住む
1998年、ウイーン、パレ・リヒテンシュタインにて個展
2012年 「ここは海岸、この世のような」を発表
2013年 「ポップアートデザイン」展(ロンドン、バービカン・アートギャラリー)に参加
マルシャル・レイスの作品は、1963年の「メイド・イン・ジャパン」以降、特に「ヌーヴォー・レアリスム」の影響があります。
ニューヨークのイオラス画廊で発表した有名な作品です。フランスのコートダジュールの魅力、海辺のまばゆいばかりの風景を描いた作品です。美しい色彩が魅力の絵画となっています。
ニューヨークに進出し、「メイド・イン・ジャパン」をテーマに付けたシリーズで高い評価を受けています。ガラスボトルなどを使って激しい抽象絵画作品を作るなどしています。
フランス人画家「アングル」の有名な絵画を流用して、自由に作品を制作。彼自身が日本製品を高く評価していたことから、安くても良い物が日本製品にあるという意味で、「より安くて高性能なアングルの作品を作ったら、きっとおもしろいぞ」と制作した作品が並びます。ポスターのような絵の中にハエやガラス片を付けて、おもしろい作品を作っていて評価されています。
「メイド・イン・ジャパン」の中にある「グランド・オダリスク」は、強烈な色彩を施していて、女性の体は緑に、バックは赤に広告ポスターのようにペイントされています。
また、体が不自然な体勢をしていると言われているこの絵は、蚊やハエがいたのではと言われていますが、実際にハエと砕いたガラスを貼り付けているユニークな作品となっています。
こちらも「メイド・イン・ジャパン」の中のもので、モード雑誌の美女に口だけを人工的な明るさのネオン管で飾り立て、口元を明るく生きているように見せているおもしろい作品です。ポップアートの絵に、飛び出したようにライトアップされた唇が現代アートの新しい風を感じさせます。絵でありながら、どこかが立体になっているのが彼の作品の魅力です。
横幅がある大作で、まさに広い海岸に多くの人々が集っている楽しさを感じさせてくれます。海岸を明るい絵本のような爽やかな色彩で描いているのが特徴の晩年の作品です。
「グランド・オダリスク」が制作された1964年以降のバージョンがフランス国立近代美術館に保管されています。「ヌーヴォー・レアリスム」の旗手として、マルシャル・レイスの作品が所蔵されています。多くの作品を見たいならば、フランスの中でもこちらの国立近代美術館がおすすめです。
「Ici Plage, comme ici-bas」の2012年の晩年の作品が、パリの新しい美術館「ブルス・ドゥ・コメルス」にあります。美術館に入るとモダンに改装された回廊に作品があって迎えてくれます。大きな作品で、明るく爽やかな色彩のビーチに集う女性らの絵となっています。こちらは明るいが落ち着いた作品となっています。
マルシャル・レイスの作品は、1993年に億万長者のフランソワ・ピノーが購入したことから注目されています。
そして、2011年「カプリ島の去年(エキゾチックなタイトル)」が658万ドルという、存命フランス人芸術家作品として最高額でオークションで売却されました。世界での人気の高さを物語っています。
晩年は古典主義絵画に移行したため、あまり注目されなくなっていましたが、高額売却の実績ができたことで、買取査定にも大きな影響を及ぼしています。
大きな作品では、高額の買取査定も予想されます。
マルシャル・レイスの作品は、赤や緑などのカラフルな色、また光るネオン管などアイデアにあふれたものが多くなりますので、オリジナリティにあふれています。
飾って注目を集めたい人も日本にも多いでしょう。
特にポップな作品は男性に人気の作品が多くなっていますので、売却にもおすすめです。
また、額入りポスター版画などは多く売却されていて、リーズナブルな1万円代の買取査定の場合も多くなっています。
フランスのマルチ芸術家、マルシャル・レイスについて紹介しました。マルシャル・レイスは、俳優であり、詩人であり、芸術家であった人物です。
そして、フランスの「ヌーヴォー・レアリスム」の旗手として、消費社会に高い物だけが価値を持つものではないと、様々な工夫とアイデアで芸術作品を生み出してきました。
特に抽象化したカラフルなポップアートにハエやプラスチック、ガラス片、ネオン管などを付けて作り上げた芸術品は他にはない発想です。
売却時の買取査定での人気も高くなっていると言えるでしょう。
今、高く買取査定してもらえる所を探す方法も良い方法ですし、もっと高く売れる状況を待って売却をすることも可能です。
ぜひ、紹介したマルシャル・レイスの魅力をよく知った上で、買取査定と売却について検討されることをおすすめします。
買取査定と売却について悩まれる場合は、お気軽に弊社にお問い合わせください。