2023.11.27

浮田克躬の重厚感ある海外の風景画の魅力と買取査定・売却について紹介」

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浮田克躬(うきたかつみ)は、西洋の都市を中心に海外の風景を描いた洋画家として有名です。重厚感のある海外の風景画は、独特の雰囲気を漂わせています。

油絵の色合いが落ち着いていて重厚感があるのが大きな魅力です。

風格のある雰囲気のある海外の風景画を描くのが浮田克躬の魅力です。

今回は、浮田克躬の独特な海外の風景画の魅力を紹介しながら、売却が可能なのか、買取査定がしてもらえるのかなどを紹介しますので、参考にしてください。

浮田克躬とは

浮田克躬は1930年東京都に生まれますが、母親が病気だったことから、幼少期に母方の叔父に預けられます。神奈川県茅ヶ崎へ転居したことで小学校ではなじめずに不登校となり、好きな絵を描きながら育ちました。

そして、尋常高等小学校4年時に、第1回聖戦美術展を見て感動し、油絵画家を早くから志した人物です。その後、14歳の時に小林萬吾に石膏デッサンの個人指導を受け、造形に対する知識を早くから身につけました。このことが、浮田克躬のあとの陰影のはっきりした作風に繋がっていったと考えられています。

そして、中学終了時15歳という若さで、東京美術学校(現在の東京芸術大学美術学部)油画科に特例で入学します。その後20歳という最年少で卒業、卒業したその年に出品した作品が初入選し、早くから才能を開花させています。

そして、浮田克躬と言えば、ヨーロッパを中心とした海外の風景が描かれた作風が特徴と言えます。重厚な雰囲気漂う風景画を描くことになった、浮田克躬の作品の特徴と魅力について次に詳しく紹介します。

浮田克躬の作品の特徴と魅力

浮田克躬は、東京美術学校油画科を20歳で卒業して、洋画家、田崎広助に師事し、その後受賞を続けて受けています。そして、1959年頃北海道へ初めて取材に行ったことをきっかけに、雪景色に魅力を感じ、「まず自分の周囲を描くことから始めよう」と思い立ち、しばしば北海道を訪れ、「北の風景」シリーズを制作。なんと8年間もシリーズを続けています。彼の画家として初期の1959年からの8年間は、北海道作品が多くを占めていると言えるでしょう。

そして、浮田克躬は1967年37歳の時に初めて渡欧し、フランスなどヨーロッパを8か国回ります。それ以降、頻繁にヨーロッパに行き、西洋の都市を多く描いているのが特徴で、その後、中南米の景色も作品にしています。

ヨーロッパの石造りの堅牢な建物などを描くことが多く、そこに人があまり登場しないのも作品の特徴と言えるでしょう。人があまり描かれないこともあって、建物や風景の重厚感が迫ってくるような油絵が多い印象です。

色も暖色というよりは、抑えられた色合いで多く描かれていて迫力があります。

彼の作品の魅力は、初期から風景画を中心としていますが、絵具を塗り重ねた重厚なタッチで、構図・明暗・濃淡、彩度などがシャープですが、重厚な色使いが特徴です。激しい筆致での繊細でありながら真に迫るような迫力のある写実表現が魅力です。独特の雰囲気が漂っていると言えるでしょう。

その風景画の芸術性は海外でも評価され、ブラジルの賞も受賞。59歳という若さで亡くなりましたが、日本洋画界を代表する画家として期待されていた人物です。

浮田克躬の経歴を紹介

1930年東京都杉並区生まれ

1940年高座郡茅ケ崎尋常高等小学校の4年時に第1回聖戦美術展を見て感動し、油絵画家を志す

1944年14歳で小林萬吾に石膏デッサンの個人指導を受ける

1945年中学3年修了後に15歳で東京美術学校(現在の東京芸術大学美術学部)油画科に特例で入学

1950年20歳で東京美術学校油画科を最年少記録で卒業、新制作派教会第14回展に出品した「集荷場」が初入選

1954年24歳のときに田崎広助に師事、第16回一水会展に出品した「教会」が初入選

1957年の第13回日展に出品した「山手の路地」が初入選、第1回新日展に出品した「丘の工場」が特選入選

以後、一水会展、日展への出品を続け、一水会常任委員や日展会員に推挙される

1958年「場末の河」で安井奨励賞受賞

1959年~8年間、北海道をテーマにした「北の風景」シリーズを手掛ける

1967年初めて渡欧、フランスを中心にヨーロッパ8か国を巡る。この渡欧時の作品「サンマルタン水路」で第10回日展の特選を受賞

その後、頻繁にヨーロッパだけでなく中南米やブラジルも訪れ、その地の風景を描く

1968年昭和会賞受賞

1979年コメンダドール・オフィシャル賞(ブラジル)受賞

1981年第13回日展出品作「シシリーの家」で会員賞を受賞

1986年第4回宮本三郎記念賞を「城砦の島」で受賞

1988年第20回日展内閣総理大臣賞を「海風の館」で受賞

1989年59歳の若さで逝去

浮田克躬の有名作品

・「北の風景シリーズ「北国の町」|1961年」

1959年から北海道を描いた「北の風景」シリーズの「北国の町」などの作品が有名で、繊細かつ鋭いシャープなタッチで、雪景色が描かれています。雪景色ならではの陰影の際立つ世界が魅力です。8年間も通って多くの作品を描いていて、雪の表情を浮田克躬ならではの独特な肌合いで描いています。白い雪が降り積もった絵ですが、表情を持った雪景色が印象的です。また、一面に広がる白銀世界の中で、そびえ立つ樹木も印象的に描かれています。彼らしく激しいタッチで荒々しく描かれていて、北国のイメージを強調している作品です。

・「オーヴェルニュ早春」

フランスを訪れて描いた油彩作品です。フランスの中央高地のオーヴェルニュの街並みを描いています。早赤い屋根の家が並び立つ様子が重厚感たっぷりに描かれているのが特徴。浮田克躬のヨーロッパの風景作品には、赤い屋根が描かれている絵画が多くあり、彼の作品の重厚な雰囲気の中に赤い屋根が印象的で人気の作品です。

・「丘陵と古い村|1977年」

丘陵に要塞か城壁のようなものと一緒に、多くの建物が建っている景色を眺めることができます。こちらの油絵も、緑の丘陵の中に立っている、多くの赤い屋根の建物とのコントラストが印象的です。

・「シシリーの家|1981年」

地中海のシチリア半島を描いている作品です。赤みを帯びた家々がぎっしりと立ち並ぶ様子が重厚に描かれています。シチリア島ならではの海岸にそびえたつ家々の存在感がたっぷりと描かれています。日展に出品した際に会員賞を受賞した作品です。

作品が見られる場所を紹介

「荒天の日|1982」が「京都国立近代美術館」に所蔵されています。まさに「荒天の日」というべき、重厚な色彩で描かれた油彩作品です。暗い色使いの作品ですが、じっくり見ることで、たくさん描かれた建物それぞれの雰囲気を味わうことができておすすめです。

「城砦の島|1985」の油彩の作品が「東京国立近代美術館」にあります。第4回宮本三郎記念賞を受賞した作品ですので機会があれば見てみるといいでしょう。モノクロで陰影を強調して描かれた城砦がまさに堅牢な雰囲気を漂わせています。コントラストが強く、迫力ある立体感が魅力の作品です。

また、兵庫県但陽信用金庫本店2Fギャラリー「たんようギャラリー」には多くの所蔵作品があり、浮田克躬の「シシリーの家」などの作品があります。

浮田克躬の作品の売却は可能?買取査定はどのくらいなのか

インパクトのある海外の風景画として人気の浮田克躬の作品です。売却が可能かどうかについてですが、独自性のある作品のため人気も高くなっています。

ヨーロッパを中心に描いた、堅牢で重厚な雰囲気の風景画が魅力となっています。浮田克躬の風景画では、建物一つ一つの存在感が魅力です。とても迫力のある画風のため、人気も高い傾向です。

また色味が抑えられていて、油絵ならではの厚塗りが特徴となっています。ダイナミックな肌合い、タッチが魅力です。少し好みが分かれるかもしれませんが、多くのファンがいますので、売却もおすすめです。

部屋に飾っておくと、ヨーロッパなどの景色の歴史や空気感まで感じることができるのではないでしょうか。

日展を始め、多くの賞を受賞していますので、売却時の買取査定も高くなっています。

買取の際には、海外の景色を描いている油絵では、赤い屋根が描かれているものが浮田克躬らしいため買取で高値査定が付くでしょう。色味が抑えられた作品が多いために赤い屋根がポイントになった作品は人気です。浮田克躬の場合は、全体的な色味は抑えられた作風のものが好評です。

買取金額としては、例えば「古城と村」などが数十万円台と高額査定になることが多く、100万円を超える作品もあり、売却におすすめです。

また、北海道を描いた北国シリーズの絵は15万円~30万円の場合が多くなります。

そして、買取査定の特徴としては、風景画の場合も、自然だけを描いている作品ではなく、建物が描かれている作品やフランスを中心とした歴史あるヨーロッパの街並みを描いた作品が売却時にも高評価です。

また、パステル作品もありますが、油絵よりも少なくなっていて、売却時の査定としては油絵の10分の1程度に下がる傾向です。

まとめ

浮田克躬の海外の風景画の魅力について紹介しました。若くして絵画に目覚め、早くから様々な賞を受賞してきた浮田克躬です。彼は残念なことに若くして亡くなっていますが、多くの風景画作品を残しています。

北海道の雪景色の作品やヨーロッパの堅牢な建物や中南米やブラジルの景色などを描いた作品が多くあります。景色を重厚な色使いと激しい筆致で繊細かつ迫力ある肌合いで描いているのが魅力です。

堅牢ともいうべき雰囲気を携える作品が多く、存在感の大きな作品が多いでしょう。部屋に1枚飾っておけばとてもインパクトがあるインテリアとなるであろう作品が多くなっています。浮田克躬の作品ということがよくわかるオリジナリティのある作品で、人気が高い傾向です。

今、高額で買取査定してもらえる所を探すのも良い方法ですし、もっと高く売れる状況を待って売却をすることも可能です。

ぜひ、紹介した浮田克躬の魅力をよく知った上で、買取査定と売却について検討されることをおすすめします。



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