2023.11.30

ペルシャ絨毯を売りたい方必見!ペルシャ絨毯の売却と買取について解説

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 「ペルシャ絨毯」についてご存知でしょうか。実際に目にしたり、手にしたりしたことがなくても、名前は聞いたことがあるという人が多いのではないでしょうか。ペルシャ絨毯は、現在のイラン(旧称ペルシャ)で生産されてきた伝統的な手織りの絨毯です。現存している最古の絨毯は、およそ2500年も前に織られたものであると言われており、その歴史は3000年前とも、5000年前とも言われています。ここでは、そんな歴史と伝統あるペルシャ絨毯とその売却、買取価格について解説していきます。ペルシャ絨毯を売りたいと考えている方、必見です!

ペルシャとイラン

 ペルシャ絨毯が作られているのは、現在のイランを含む地域で、その起源は古代ペルシャまで遡ることができます。「ペルシャ」という呼称は1935年まで、現在のイランとその周辺、イラクやトルコ、東はタジキスタンやパキスタン、西は現在のエジプトやリビアの一部まで、広範囲に渡る地域を指す名称として公式に用いられていました。そして、当時から、その地域に住む人々は、ペルシャではなく、「イラン」という名称を使っていたようです。1935年を境に「イラン」という名称が国際的に使われるようになり、1979年のイラン革命によって「イラン・イスラム共和国」が誕生し、国名として「イラン」が使われるようになりました。同時に、この地に住む人々も公的には「ペルシャ人」ではなく、「イラン人」と呼ばれるようになりました。しかし、イランは他民族国家であり、様々な民族や部族が暮らしています。

 現在でも、「ペルシャ」というと、「イラン」を指すことが多いのは、現在のイランが古代ペルシャ帝国とほとんど同じ場所にあるからです。

 また、「イラン」とは公的な呼称で、政治や経済の場面ではそちらが用いられます。「ペルシャ」という言葉の響きには、アラビアンナイトを連想させるようなエキゾチックで、異国情緒を感じさせる、ゆったりとした雰囲気が感じられませんか。「ペルシャ」という呼称は、文化や文明的な文脈で用いられる場面が多いようです。

ペルシャ絨毯の産地とデザイン

 

一言に「ペルシャ絨毯」と言っても、実は、作られている産地は様々で、その数は100近くに上るとも、それ以上とも言われています。そして、地域や産地ごとに様々なデザインや素材、織り方や染料が使われており、特徴が異なります。ここで、日本で人気が高いペルシャ絨毯の5大産地をご紹介します。ここに挙げる5大産地はいずれもイランの北西部に位置します。では、南の地域から順に見ていきましょう。

イスファハン – Isfahan

 イスファハンはイランのほぼ中央に位置し、イラン第2の人口都市です。2600年以上の歴史を持つ古都で、古くから東西南北を結ぶ交通、政治、文化の拠点として栄えてきました。また、多くの遺跡や、美しく荘厳な宮殿や寺院が今も残っており、中東随一の観光地としても知られています。16世紀~17世紀にかけてこの地に首都を置いた王室により、宮廷職人として各地から腕のいい職人たちが集められ、絨毯の生産が盛んになり、ペルシャ絨毯の一大産地として発展しました。

 モスクの丸天井に見られる同心円状の「ゴンバット」と呼ばれるデザインやメダリオンを、唐草文様で囲んだようなデザインが特徴的です。

ナイン-Nain

 ナインは19世紀末から絨毯の生産を始めた比較的新しい産地です。地理的にイスファハンと近く、イスファハンの指導により、絨毯作りが発展してきました。そのため、デザインもイスファハンで作られるような伝統的で古典的な文様が多く見られます。柔らかい羊毛をベースに、絹が織り交ぜられており、経糸が細く、重量が軽めであるのが特徴です。

 ベージュやクリーム色など、優しく淡い色彩を基調として、そこに青や白などを配色する、全体的に落ち着いた色合いも特徴的です。

カシャーン(カーシャーン)-Kashan

 カシャーンは「タイルの町」とも呼ばれており、絨毯だけでなく、陶器やタイルでも有名な地域です。カシャーンの絨毯はウール製のものが中心で、伝統的なメダリオンや唐草文様のオーソドックスなデザインが主流です。色調は、赤や紺、ベージュを基調としたものが多く、イランの家庭で広く使われているのが、このカシャーンの絨毯だと言われています。

クム(コム)-Qum

 

クムで絨毯の生産が始まったのは、1930年代半ばと言われており、ペルシャ絨毯の歴史においては、新しいと言えるでしょう。何千年にも及ぶ歴史と、数えきれないほどの産地があるイランにおいて、わずか100年足らずで5大産地と呼ばれるまでに発展したことは驚異的だとも言えます。

クムは、新興産地であるということもあり、伝統に縛られることなく、様々な地域の技術やデザインを積極的に取り入れているのが特徴です。斬新で、革新的、そして芸術的なデザインのための技術を確立しています。また、生産される絨毯の9割以上がシルク製と言われるほど、「オールシルク」の絨毯制作に力を入れていることも特徴的です。他の産地の伝統的なデザインや技術と、シルクの持つ滑らかさや上質な光沢、発色の良さが融合し、他の産地とは一線を画す華麗な絨毯を生み出しています。

タブリーズ-Tabriz

 タブリーズはイラン北部、アゼルバイジャンの国境に近い町です。そのため、イラン西部におけるシルクロードの玄関口となり、古くから交易の要所として栄えてきました。かつてはペルシャの絨毯のほとんどがこの町からヨーロッパへ運ばれたと言われています。イランで最も近代的な工房が多く、品質管理を徹底していることから、その製品も高く評価されています。ナイフと鉤針を合わせた独自の道具を使った「トルコ結び」が特徴的です。この技術で作り出される結び目は非常に細かく、機械で織ったものだと間違われるほどだそうです。デザインも豊富で、伝統的なモチーフや唐草文様に縛られない、絵画絨毯のようなデザインが特徴です。

ペルシャ絨毯の価格と産地

 ペルシャ絨毯を売りたいと考えている方は、まずお持ちのペルシャ絨毯の産地を知ることが大切です。上に紹介した5大産地の製品はブランド力があり、高値で売ることができるかもしれません。

 最も人気があり、高値で売ることが期待できるのはナイン産です。ナイン産のペルシャ絨毯にはウールとシルクが使われており、落ち着いた色合いが多く、日本のインテリアになじみやすいことから、日本では人気があります。次にタブリーズ産です。デザインが豊富で、売りたい製品が、買い手にとって特別感を与えてくれる1点物である可能性もあります。トルコ結びという独自の結びで生みだされる緻密な織りが、高値に繋がりやすいということもあるかもしれません。そして、イスファハン産です。一般的にウールよりシルク製品の方が高値で売れることが多いものの、イスファハンで作られる「コルクウール」と呼ばれる柔らかい子羊の毛を用いた製品は非常に価値が高いと言われています。カシャーン産のペルシャ絨毯は、古典的なデザインとウール製が主流で、イランでは広く使われていますが、日本では特別人気があるデザインや素材とは言えないため、他の産地のものに比べると、高値はつかないかもしれません。最後にクム産です。クム産のペルシャ絨毯はそのほとんどがシルク製で、高級感があり、高値が期待できます。しかし、シルク製は日常使いにはやや不便な面もあり需要は限られるかもしれません。また、その歴史が浅いため、アンティーク製品はなく、その分売却価格は低めのこともあります。

ペルシャ絨毯の価格とは

 ペルシャ絨毯の価格を決める要素は、産地だけではありません。産地のほかに、ノット数、サイズ、年代などが、ペルシャ絨毯を売るときの価格の判断材料となります。

ノット数

 「ノット数」とは、織り目の数です。このノット数が多ければ多いほど、高品質であるとされています。1平方センチメートルあたり100ノットを超えているものは最高級品に分類されます。1平方センチメートル100ノットということは、1平方メートルあたり100万個です。ノット数が多ければ多いほど、高密度でなめらかなのです。それほど高密度なものは、目がしっかり詰まっているので、ほこりやこぼした液体が絨毯の内部に浸透することなく、表面を拭くだけでお手入れもできます。

サイズ

 サイズはノット数とも相関関係があります。100万個以上の結び目を作りながら、手作業で絨毯を織っていくには、膨大な時間を要します。したがって、サイズが大きければ大きいほど制作時間も長くなり、それに比例して価格も上昇します。

年代

 ペルシャ絨毯には、そのコレクター性もあり、それがいつ作られたものかも重要な要素です。作られてから100年近く経ったものは「アンティーク絨毯」として、希少価値も高く、高価格での売却が期待できます。

売却と使用状態・お手入れ

 しかし、いくら元々の製品が素晴らしくとも、状態が悪ければ高額査定には繋がりません。ペルシャ絨毯を売りたいと考えている方は、お手元の絨毯がどのような状態であるかをしっかり確認し、きちんと手入れをしておく必要があります。

 ペルシャ絨毯は、とても丈夫です。踏めば踏むほど目が詰まり、光沢も出てきて美しく育っていきます、ウールの場合には、掃除機で十分で、1年に1回ほど硬く絞ったタオルなどで拭くと皮脂や汚れが落ち、よりきれいに使うことができます。しかし、天然素材であるため、虫に弱く、長期間保管するときはビニールなどに包まないで、湿気を避けて保管した方がいいでしょう。

一方、シルクの製品はウールよりデリケートなため、より注意が必要です。具体的には濡れないように気をつけることや、アルカリ性の薬品などに触れないようにすることです。また、摩擦にも弱いので家具の下に敷くことなどは避けた方がいいでしょう。

まとめ

 ここまで、ペルシャ絨毯の特徴とそれを売りたい場合に注意すべき点や注目すべき点について見てきました。ペルシャ絨毯は、アンティークであれば、金や宝石と並ぶ資産価値があるとも言われており、アンティークでなくとも、その全てが1点1点手織りで、同じものはこの世に2つとない、アート作品だとも言えます。

 もしかすると、自宅に眠っているペルシャ絨毯や、長年使っていないものを探している人もいるかもしれません。ペルシャ絨毯を売りたいと考えている方は、ぜひ、一度お手元にあるペルシャ絨毯を査定に出してみてはいかがでしょうか。その際は、複数の業者を尋ねて見積もりをしてもらい、実際にコミュニケーションを通して、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

 弊社でもペルシャ絨毯の買取を行っております。お手元のペルシャ絨毯を売りたいと考えている方、売ろうかどうか迷っている方は、ぜひ一度、お問い合わせください。



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