2024.01.24
焼き物
2024.01.24
伊万里焼は「古伊万里」として歴史も古く、高価なものは骨董品としての価値があります。伊万里焼の買取を依頼したいと思った場合に買取相場がどのくらいなのかが気になるという人も多いでしょう。
買取相場や高額査定のポイントなどを紹介します。また、どんな買取専門業者に依頼するのがおすすめなのかのポイントも参考にしてみませんか。
目次
「有田焼」の方が有名かもしれませんが、江戸時代に有田も含めた肥前(佐賀県・長崎県)で焼かれていた歴史のある磁器が「伊万里焼」です。当時制作されていた磁器を伊万里港から積み出していたため、「伊万里焼」と呼ばれています。
鎖国当時に伊万里港からヨーロッパへ「伊万里焼(IMARI) 」として、ヨーロッパに輸出されたため、世界的にも知れ渡った磁器です。
ヨーロッパでは当時まだ磁器が作れなかったことから、日本・中国の磁器は「白い金」として珍重され、王侯貴族のステータスとして扱われた歴史があります。ヨーロッパの有名な磁器「マイセン」にも大きな影響を与えたと言われています。
「古伊万里」は、具体的には佐賀県の有田町、塩田町、長崎県の波佐見町、三河内町などで制作された磁器の名称です。
そして、現在では、佐賀県伊万里市で作られている器を「伊万里焼」、佐賀県有田町で作られている磁器を「有田焼」呼んで産地で分けています。江戸時代には、有田焼が伊万里港から出荷されたため、「古伊万里」と言って区別されていたものと言えるでしょう。
「古伊万里」の定義は次のようになりますので、知っておいてください。
・江戸時代の初めの1610年頃~江戸時代終わりまで(明治を含む場合もあり)に肥前(佐賀県・長崎県)で制作された磁器
また、古伊万里が制作されていた時期は、3期に分けられます。
・(初期)江戸時代の元和(1615年)から貞享まで
・(中期)江戸時代元禄(1688年)から延享まで
・(後期)江戸時代寛延(1748年)から幕末まで
後半になるにつれ、生産は増えていきますが、作品は初期の方が形状や色彩などに優れていて、職人の技術が集結しているものとも言われていて高評価となっています。
古伊万里は江戸時代の焼物ということで、有田焼、伊万里焼よりも骨董品としても評価が高いのが特徴と言えます。
歴史の古い「古伊万里」は、藍色の染付の磁器が多く、釉薬がたっぷり塗られていて厚ぼったいような釉薬が特徴です。
そして、その後「古伊万里焼」は、17世紀後半以降には、赤、青、黄、緑、紫といった色を使った「色絵」が作られるようになっていきます。「柿右衛門様式」と呼ばれる様式が人気を博し、職人の高度な技術と手間とコストがかかる様式の器が作られていきます。
「有田焼」と言われるようになってからも、白磁に呉須の染付を中心にしながら、多彩な彩色を施す絢爛豪華な色絵が魅力です。また明治以降に制作された「伊万里焼」は、一度素焼きをしてから釉薬を塗っているのが特徴です。
古伊万里には主に次の種類があり、それぞれに特徴があります。
・「古伊万里様式」柿右衛門様式と金襴様式、鍋島様式を除いたもの
・「柿右衛門様式」:乳白色と赤絵が特に美しい様式
・「金襴様式」:金と色絵で華やかな絵柄
・「鍋島様式」:幕府や調停へ献上されていた器
染付が多い時代、そして色絵の「柿右衛門様式」から、中国との価格戦争が盛んになった頃から、量産化でコストを抑えるために金と色絵を施す「金襴様式」が誕生しています。植物や動物、幾何学、唐草模様などが描かれていて華やかなのが特徴です。日本では富裕層向けの食器として、ヨーロッパでは宮殿やお城での室内装飾品として大型の皿や壺が制作されました。そのため、「IMARI」という名前はヨーロッパに良く知られていて、世界中にファンがいて高価買取が可能というわけです。
買取相場についてですが、たくさんの種類があるため、それぞれの買取相場がありますので、参考にしてください。
例としては、
初期伊万里水指 作者不明 箱有 10万円~20万円
伊万里焼皿(天保年製) 在銘/共箱有 2.3万円~3.5万円
古伊万里染付大皿(直径:約39cm) 1~2万円
初期伊万里染付皿(直径:約21cm) 5~8万円
伊万里焼徳利 香蘭社造(高さ:約20cm、幅:約7.5cm) 1~2万円
古伊万里染付大皿の場合、窯や装飾によっては高額なものは数十万円単位の買取相場です。
また、例を見ても、1610年代~1630年代頃までの「初期伊万里」の染付皿は骨董品として相場が高くなっている傾向です。歴史的価値があり、歴史的な文献に掲載されたものは最大15万円前後の買取相場が付いているものがあります。
また、1879年(明治12年)に設立された佐賀県本社の磁器メーカー「香蘭社」の器は、有名で、有田焼や伊万里焼作品を多く制作し、高い買取も行われています。
江戸時代に作られた古伊万里は骨董品的な価値が高いのですが、本物かどうかを見分ける方法が難しくなっています。歴史のある骨董の古伊万里の場合には、次のような特徴がありますので、知っておいてください。
本物の古伊万里の特徴
・丁寧な模様が描かれている
・字が書かれている場合はきれいな文字になっている
・釉薬がたっぷり厚ぼったくかかっている
・表面の光沢があまりない(光を照射した時にきれいに反射しない)
・焼いた際のゆがみが多少ある
・使った際の細かな汚れや傷がある
これらの古伊万里の特徴は、古伊万里や伊万里焼の専門家でないと判断が難しく、精巧にできた偽物もたくさん出回っていますので、しっかり鑑定してもらうことが必要です。
古伊万里を高額査定してもらうには、次のようなポイントがあります。
・古伊万里の器の底に印があること
・付属品(書付や鑑定書)があること
・共箱があること
「書付(かきつけ)」とは、作者が誰なのかなどを記したもので、箱の蓋の表裏、箱の側面などに本物かどうかを鑑定する際の資料となる作者名や器の銘などが書かれています。
また、器の裏印、高台の内側などに直接、落款や陶印が記されていると、どこで制作されたものかが証明されて、価値が上がります。古伊万里の有名な作家、窯元であれば、高く買取されます。
裏面に「福」という青色の文字があれば、柿右衛門窯が商標登録している印です。また、古い時代の柿右衛門窯以外の伊万里焼にもこの印があり、こちらの場合も高価買取の可能性が高い傾向です。
そして、購入した当時の共箱が付いている場合も高額査定になりやすいでしょう。木箱に「箱書き」として、作者のサインや元の持ち主の情報が書かれている場合には高額査定の可能性が高まります。
古伊万里・伊万里焼の買取を依頼するならば、買取品目に「陶器」や「陶磁器」などがあり、実績のあるところを探す方法がおすすめです。
買取専門業者を探すポイントとしては、次のようなポイントがあります。
・陶器や陶磁器の買取実績があること(買取取扱い商品として明記してあること)
・骨董品店や古美術品店もおすすめ
・鑑定士がいること
陶器や磁器の買取専門店ならば、買取の可能性が高まり、高額査定となることあっておすすめです。
・キズやヒビ、割れ、カケがあっても買取の可能性がある
・作家名がわからなくても大丈夫なことがある
・共箱がなくても高価買取の可能性がある
・書付がない場合も買取可能
・鑑定書がなくても大丈夫
・購入の経路や経緯がわからなくても買取可能
・専門の鑑定士がいて高額査定が見込める
通常はキズやヒビ、割れやカケがあると買い取ってくれなかったり、査定額が急に下がったりする場合があります。しかし、陶器や磁器の買取専門店で実績があるところならば、古いものの価値を理解してくれておすすめです。
また、共箱や書付や鑑定書などの資料がある方が高く買取をしてもらえます。共箱の表側には作者名が捺印されていることが多く、違う場所に書かれていることもありますが、共箱があると高値になっていいでしょう。
また、購入経路がはっきりしていることも大事です。「骨董品収集家のコレクションから購入した」「きちんとした骨董品、美術品のオークションや骨董市などで高額で購入した」「裕福な人、著名な人からプレゼントされた」などという場合は高い査定が付くことが多い傾向です。
そして、陶器や磁器の専門の鑑定士がいることで、しっかり鑑定してもらえる点が大きなポイントとなります。誰の作品か、どこの窯元のものなどかがわからない時も、鑑定してもらえて価値がよくわかってもらえます。高額査定も見込めていいでしょう。
古伊万里・伊万里焼の買取について紹介しました。買取相場や高価買取されやすいポイント、おすすめの業者選びのポイントなどを紹介しましたので知っておくのがおすすめです。
古伊万里・伊万里焼は、人気で需要が高いために高く売れる可能性が高くなります。世界中にファンがいて、窯やデザイン、装飾などによって高額買取となる可能性があるでしょう。
ただ、自分ではなかなか判断が付かないことも多いために、買取は古伊万里・伊万里焼の買取実績のある専門業者、骨董品・古美術品などに依頼するのもポイントです。リサイクルショップや一般の買取業者よりも高く売れるためおすすめです。
陶磁器は、専門業者でないと、特徴や価値に気づかずに高く売れないことも多くあります。しっかり評価してもらえるように、例え遠くても古伊万里・伊万里焼の買取に実績のある業者に依頼することをおすすめします。
古伊万里・伊万里焼の買取に実績のある会社ならば、正当な値段で買い取ってくれる可能性が高くなりますので、ぜひ弊社のような専門業者にお任せください。
古伊万里・伊万里焼の買取依頼に悩んでいる場合は、弊社にお気軽にお問い合わせ頂ければ高額買取可能となりますので、ご検討頂ければと思います。