2024.01.19
勲章
2024.01.19
「家の蔵から勲章がでてきた!でもこれって何かの価値があるの?」
「そもそも勲章って今でももらえるものなの?」
「勲章の鑑定って何が基準になっているのだろう?」
現代、私たちが日常生活を送る中で「勲章」を意識することがあるとしたら、著名人の叙勲の場面くらいでしょう。
身内の誰かが叙勲を受けるくらいの場面がないと、勲章を目にする機会すらないかもしれません。
当記事では、次の事柄についてご説明します。
この記事を読むことで、勲章の種類や序列について理解が深まり、骨董価値のある勲章がどんなものかを把握することができるでしょう。
ぜひご一読いただき、勲章の鑑定についての参考にしてください。
目次
明治時代、日本では国家が国民の功績や業績に応じて「官位」や「勲位」を与える「叙位」と「叙勲」が整備されましたが、叙位制度は戦後に廃止され、現在は叙勲制度だけが残っています。
叙勲を受ける国民は、国家行事の場面でその功績をたたえられ、褒賞や賜杯を授与されますが「勲章」はそのときに受け取る「栄誉を示すために身に着ける飾り」のことです。
叙勲における勲章の種類にはどのようなものがあるのかをお伝えします。
日本国内での勲章には「菊花賞」「桐花章」「旭日章」「瑞宝章」「宝冠章」「文化勲章」の6つがあります。
このうち、菊花賞と桐花章は特にすぐれた功労がある人に対してのみ与えられる章で、もっとも序列が高いのが「大勲位菊花章頸章」、序列2位の「大勲位菊花章大綬章」、3位の「桐花大綬章」となっています。
国家や公共に対して功労を残した人に対して与えられるのが「旭日章」と「瑞宝章」です。
旭日章は民間企業に勤める人、瑞宝章は公務員や公共的な業務に携わってきた人に与えられるという点で違いがあります。
宝冠章は「婦人の功労ある者」に授けられると定められており、現在は女性皇族や外国人に対する儀礼叙勲として運用されています。
文化勲章は名前のとおり、文化の発達に大きな功労を残した人に与えられる章です。
旭日章、瑞宝章、宝冠章は序列4~9位まで制定されていますが、文化勲章は4位しかないのが大きな違いです。
勲章の序列は次の通りとなっています。
1位大勲位菊花章頸章
2位大勲位菊花章大綬章
3位桐花大綬章
4位旭日大綬章/瑞宝大綬章/宝冠大綬章/文化勲章
5位旭日重光章/瑞宝重光章/宝冠牡丹章
6位旭日中綬章/瑞宝中綬章/宝冠白蝶章
7位旭日小綬章/瑞宝小綬章/宝冠藤花章
8位旭日双光章/瑞宝双光章/宝冠杏葉章
9位旭日単光章/瑞宝単光章/宝冠波光章
女性に与えられる宝冠章の5位~9位には花や蝶をイメージする名前が付けられているのが特徴的です。
戦前までは国内でも「叙位」制度があり、この制度下で与えられた勲章があります。
戦前までの制度なので、現存する勲章は少なくなっていますが、種類としてはかなり豊富だったともいえます。
そのすべてを紹介するのは難しいのですが、戦前と戦後の勲章を比較すると、一番の違いは旧日本軍人および軍属を対象としていた金鵄勲章の存在でしょう。
金鵄勲章は武功があった人に授与される勲章なので、言い換えれば戦争での貢献に対する勲章ともいえます。
そのため、戦後旧日本軍の解体に伴い、金鵄勲章も廃止されたわけですが、廃止になったからとって金鵄勲章に価値がなくなったわけではありません。
むしろ市場での評価は高く、場合によっては高額買取になることもあります。
金鵄勲章は最大で3,000,000円という高額取引が行われたこともある勲章なので、もし金鵄勲章を持っているのであれば、一度鑑定してみることをおすすめします。
功績のある人物をたたえるための叙勲制度ですが、同様の制度は海外にもあります。
イギリス、ドイツ、フランスなどのヨーロッパ諸国では爵位が存在している国もありますので、勲章は海外の方がより身近に感じられているかもしれません。
海外の勲章は日本国内では当然授与されるものではないので、高額取引されるものもあり、コレクターの方達からも人気があります。
海外の勲章にはどのようなものがあり、どのようなものなら高い価値がつくのかをお伝えします。
ヨーロッパの勲章制度は日本のものとは異なる点があり、専門家の中では「勲章ではない」と扱われるものもありますが、海外の勲章の中では特にヨーロッパの勲章はコレクターの方達には人気があります。
イギリス、ドイツ、フランスで与えられる勲章は大きく分けて「オーダー」「デコレーション」「メダル」「クロス」の四つに分けることができます。
オーダー「騎士団勲章」または「勲爵士団」と呼ばれる、騎士団に入団した証の記章
デコレーション「栄誉勲章」または「功労勲章」と呼ばれる、功績に対する栄誉を称えて授与される勲章
クロス「十字章」または「十字勲章」と呼ばれるもので、メダルより上位に位置する
メダル褒章、従軍記章、記念章なども含んだ記章
勲章の例としては次のようなものがあります。
名前だけでも聞いたことのあるものもあるのではないでしょうか。
ロシア(ソ連)、韓国、台湾、タイなど現存している国のほか、戦時中に存在した満州国にも勲章制度がありました。
満州国は現在では存在していない国でもあり、数が少ないため希少価値が高くなります。
勲章の例としては次のようなものが挙げられます。
勲章のなかでも高価買取の可能性があるものは「年代が古いもの」「状態がよいもの」「付属品がそろっているもの」「希少価値が高いもの」であり、このような勲章は高額取引される可能性が高くなります。
授与された期間が短い満州国の勲章や、文化革命のときに消失した中国の勲章などは希少価値が高いため高価買取が期待できるほか、上位の勲章も買取価格が高くなる傾向があります。勲章の価値基準についてお伝えします。
骨董的価値という観点からいえば、明治時代に与えられた勲章や、戦前・戦中の勲章はやはり高額で取引されています。
「満州帝国皇帝訪日記念章」に代表される、満州国に関する勲章は現存数が少なく、そもそも現在では国自体も存在していないので、今後似たような勲章がつくられることもあり得ません。
このようなものは特に高い価値があるとみられ、高額取引の対象となっているようです。
保管していたときの状態がよいものはやはり高額取引の対象になります。
これは勲章だけに限らず骨董品全般にいえることですが、買取の場合は現物の保存・管理状態が非常に重要視されるものです。
状態のいい、新品の状態に近ければ近いほど、買取金額は上がります。
古いものなら当然経年劣化の影響はあるでしょう。
しかしそれでもできるだけ綺麗な状態での保管を意識したいものです。
状態の良し悪しは買取金額に大きく影響します。
汚れやシミ、埃や割れなどがあれば確実にマイナス評価となり、期待にそうような取引にならないおそれがあります。
それだけ「状態」の良し悪しが買取市場では重要なポイントになると考え、勲章を鑑定や査定に出す場合には、きちんとお手入れをした綺麗な状態で鑑定を受けられるようにしておきましょう。
勲章を鑑定、査定に出すときは、勲章についていた付属品も忘れずにそろえておくようにしましょう。
勲章の付属品は、箱や勲章についているリボンなどになります。
箱の状態も鑑定ポイントとなるので、本体と同じく、箱の汚れやほこりをはらい、しっかりとお手入れした状態にしておきましょう。
綺麗な状態で鑑定、査定を受けることが価値を上げることにつながります。
また、勲章の付属品として、勲記が存在する場合があります。
勲記とは、叙勲者に対して勲章とともに与えられる証書のことで、受賞者の氏名や受賞する勲章の名称、受賞年月日などが表示され、国璽を押した証書となっています。
勲記は勲章を受章したことの間違いのない証明になります。
鑑定、査定の前には勲記があるかどうかも確認しておくようにしましょう。
保存状態によって価格は変動しますが、日本の勲章ではそもそも授章者が少ない序列1位~4位の勲章は希少性が高いので、価値が高いものとみなされ、高額で取引されます。
また、勲章には男性用と女性用でデザインが異なるものがあり、女性は男性に比べて授章者が少ないことから、序列の別なく、男性に与えられたものより女性に与えられた勲章の方が高い価値で取引される傾向があります。
美術的価値、歴史的価値も高い勲章は、国内外に数多くのコレクターがいる骨董品の人気ジャンルの一つです。
一方で勲章は付属品の内容や授与の条件、形式、種類などが非常に細かく分かれており、またあまり日常的に目にするものではないため、価値を正確に判断するには専門的な知識と経験が必要です。
高価買取を希望するなら、勲章の状態などに加えて、知識が豊富な業者を選ぶことも重要となります。
勲章の鑑定をご検討されるなら、一度弊社にご相談ください。
勲章を所有される皆様の思いにこたえられるよう、誠実な鑑定をお約束します。