2023.11.13

下田ひかりとは?経歴や作品の特徴に加えて査定買取について解説

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皆さんは、ロサンゼルスのアートシーンで最も注目を浴びている日本人女性画家「下田ひかり」をご存知でしょうか?

下田ひかりは、日本のイラスト表現をベースに「可愛さ」「恐ろしさ」「孤独」が同居する世界を表現するアーティストです。

本記事では、そんな下田ひかりの経歴や作品の特徴だけでなく、査定・買取が可能かについてご紹介します。

下田ひかりに興味のある方や、これから下田ひかりの作品を集めようと考えている方は、是非参考にしてみてください。

下田ひかりとは

「下田ひかり」という人間のアイデンティティーを外側から見た時に作品として分かりやすく、伝わりやすいフックとして「漫画アニメ的」な表現を積極的に取り入れる事により、世界中の人にコンセプトを伝えるアーティストです。

元々、美術家を目指していたわけではなかった下田ひかり。作り手としての影響は、他のジャンルのクリエーターから受ける事が多いようで、特に宮崎駿監督の思想哲学や物作りへの姿勢などから強い影響を受けている。

下田ひかりの経歴

下田ひかりは1984年長野県で生まれました。短大卒業後、イラストレーターを目指しイラストレーション青山塾で2年間学んだ後、2008年から現代アーティストとして活動を始める。

子どもをモチーフとしながら、現代社会が抱えている問題をテーマにペイティング制作を開始。

デビュー直後にリーマンショックがあり、作家活動の出だしは好調とは言えず、かなり苦しい期間が続いた。

そんな、下田ひかりにとっての大きなターニングポイントとなったのは2011年に起きた東日本大震災であったとのこと。

この震災を経て、作家としてのテーマが「孤独と不安」「崩壊しつつある世界の描写とその事への思い」であることを自覚し、その2つを大きな軸に作風を変化させ、現在に至っている。

また、その年の4月に初めてNYで個展を開催。その時に「自分の作品にはフックがなさ過ぎる」ことを自覚し、今までいかに自分よがりな作品だったかを自覚することとなる。

日本独自の「イラスト表現」をベースに可愛さと恐ろしさ、孤独が同居する世界を展開している。

書籍の装丁に作品が使われるなど10代、20代の若年層を中心に、ネットを通じて国内外にファンを持つ。

2011年から海外でも作品を発表するようになる。2014年にロサンゼルスのCorey Helford Galleryにて個展を開催し、ほぼ完売するほどの盛況ぶり。

また、2015年にはベルリンのPICTOPLASMAアートフェスティバルに招待参加するなど、活躍の場を広げている。

下田ひかりの作風・コンセプト

下田ひかりの作品は、子供の頃に観た日本の漫画やアニメにインスピレーションを得て、現代の問題をカラフルに表現している。多くの場合は星空の目をした子供たちを描き、下田はスーパーマンや魔法少女に似た英雄的な衣装をキャラクターに着せ、テキスト、コラージュの並列を通じ現代社会の問題・葛藤を明らかにしていきます。

このような登場人物は、人類の救い主イエス・キリストに対するキリスト教の油注ぎの解説であり、ファンタジーの英雄の鏡でもある。

また、世界中の子供たちを育て構築したこの世界を守りたいという、私たち大人たちの願望も表している。

2011年の東日本大震災と福島原子力発電所の事故をきっかけに、下田は世界のさまざまなつながりに以前より関心を持つようになりました。

チェルノブイリのネックレスで飾られた異世界の子供たちをフューチャーした、下田のポートレートシリーズ「神の行方」「この星の子供たち」では子供たちは、下田が無数の可能性と表現するための空白のキャンパスとして機能している。そこではファンタジーと現実が出会い、過去と未来が出会い、生と死が出会い、そしてまだ生まれ変わらない世界が広がっている。

各キャラクターの目は個性を伝えるだけでなく下田自身の感情や考えを反映しています。

下田いわく「彼らはただ存在しているだけの『誰か』なのである。したがって、彼らは子供であるという領域を超え存在し、自分を評価してくれる人なら誰とでも同一化できる可能性がある。

絶望と孤独を抱えたうつろな表情を浮かべる子供たちは、それを見つめる人々の感情を映し出している。

空っぽになった子供たちはいわば「私(下田)自身の感情の入ったコップ」であり、下田自身の感情を注ぎ込めるものでした。光と闇を映しながら宇宙を見つめる輝く瞳、その角(ツノ)はこの世の理不尽なことに対して人が抱く「怒り」や「絶望」といった言葉にならない感情の比喩なのです」

下田ひかりの絵のモチーフには人物、特に子どもを使う事が多い。

下田ひかりが考える世界観を人に伝えるには、人物が一番共感を呼びやすいと考えているからである。

人間は成長するに従い、さまざまな属性が付与され、外から「人そのもの」として見られることが難しくなる。その為、人ではなく、属性で語られることもしばしばあると考えている。

しかし、下田ひかりは「人間そのものが持つ感覚や感情」を表現したいと考え、その為に子どもを選んで描いている。

余計な属性がなく、性別などに捉われず絵の内容にシンプルに入り込め、「人間そのもの」を表現することできると考えているからである。

子どもというモチーフそのものが下田ひかりのアバターであり、根底にある「不安と孤独」は、下田ひかり自身が幼少期から抱えている問題がある。

この「不安と孤独」は世界中どの人も抱える普遍的な問題でもあり、描く子供は「下田ひかり本人であり、あなたである」「全ての人であり、誰でもない」事が重要と考えている。

色使いやモチーフは、花や星など可愛らしくて明るい雰囲気を出しているが、描かれている子供は無表情、どこか寂し気な表情をしているのは、下田ひかりの考えとして「世界は相反する事象の集合である」という考えから、作中にも常に相反するイメージを取り入れている。これは見る人の思考を促す装置でもある。

例えば「苦痛が生まれる環境」をテーマにしたとして、「苦痛の表情をした人物」だけでは「苦痛の感情」は伝わっても「苦痛を生み出す環境」は伝わりにくいように、物事の本質を伝えるためにはショッキングな一面だけを取り上げると返って伝わらないという経験をしたため、あえて相反するイメージを組み合わせ、そこから生まれる違和感をフックに思考を誘発したいと考えている。

また、カラフルな色や可愛いモチーフも、単体では可愛い、ポジティブであっても、集合体になったり色の組み合わせによっては暴力的なイメージにも転換されてしまう。この「イメージの反転」は、「環境や人に優しいと謳っていた原発が、事故により人間や環境への脅威へと反転した」事から着想を得ている。

背景のカラフルさ、可愛さはいつ反転するか分からない世界の危うさとカオスを表現し、そのカオスを背景に佇む人物は、そんな孤独と不安の世界に生きる我々の姿を描くようにしている。

一人の2つの瞳もそれぞれ一つ一つ違った表現をしているには訳がある。

これに関しても相反するイメージを作中に入れる事の一つである。人間には様々な感情や多面性があり、それを左右の瞳の描き方を変える事で表し、また、視線が合わないようにする事でも、受け取る感情や印象の複雑化を狙って描いている。

ちなみに、大きく輝く瞳は、子供の頃に好きで憧れた少女漫画の瞳からの影響です。「目は口ほどにものを言う」というように、瞳の表現は語らずとも伝えられるツールであると考えている。

また、魔法少女とスーパーマンの格好をした子どもも頻繁に出てくる。魔法少女もスーパーマンも空想上のキャラであるがヒーローとして見ると昔から姿・形を変え、いつの時代にも存在していた。

最近では、その時代の情勢を作品に反映させて描いている。

これについては、作品作りをする動機の大きな要素の1つが「自分が見た社会を自分というフィルターを通して表現し、作品で社会に問い直す」という考えがある。

アートの役割というものは、人によって考え方が違うと思うが「視点の可視化」が役割の1つであり、表現できる事であると考えている。

世界とは、視点の可視化によって形づくられ、その数が多いほど正確な形となり、逆に数が少なくなればそれは世界を表してはいないでしょう。
個人の力は微力でも、より沢山の人が自分の視点を表現する事が重要。世界を形作る視点の1つでありたいと思っている。

下田は新しい作品を発表するたびに、救いの探求とこの混沌として世界への理解を求めている。

海外で活動するようになったきっかけ

元々沢山の人に作品を知ってもらいたかったので、ネットのサービスにあちこち作品をアップしていたようで、SNS黎明期もあって海外の方に見てもらう機会が増え、その時に展示の話も頂くようになる。

日本国内よりも海外のコレクターから購入される事が増えていた時期に、今一緒に仕事をしているアメリカ人マネージャーに声をかけられ、海外のみでやっていく事を決めたのが2015年頃。

それからは海外をメインに作品を発表していたが、また日本でも発表の機会を作っていくようである。

下田ひかりの作品は査定・売却は可能なのか

ここまで下田ひかりの経歴や作風やコンセプトについてご紹介いたしました。

ここからは下田ひかりの作品を所有している人や、これから所有しようと思っている方に向けて、査定売却のポイントについてご紹介します。

商品の発売直後

通常、査定買取はその作品や作家の知名度が高ければ高いほど、査定買取が可能とされています。

またその商品が発売直後であれば、メディアで取り上げられることで、さらに認知度や注目度が高まり、査定額もアップすると言われています。

下田ひかりは海外でも活躍する人気アーティストであるため、作品も状態が綺麗かつ発売直後であれば、満足のいく査定結果につながりやすいと考えられます。

メディアで注目されたとき

人気芸能人や海外セレブが愛用することで、「急激に人気になる」といった事があります。

このようにトレンドとなった商品は、発売から時間が経過しているにも関わらず、査定可能となるケースがあります。

下田ひかりは国内外問わず人気のアーティストですので、作品の売却を検討する場合は、タイミングを逃さないよう、こまめにメディアやニュースなどをチェックすることをお勧めします。

まとめ

本記事では、下田ひかりの経歴や作風やコンセプト、作品の査定と売却についてご紹介しました。

日本を代表する現代アーティストの最前線をゆく「下田ひかり」は、国内外問わず今後もさらに注目度と知名度、そして人気が上がるアーティストと考えられます。

これから集めようと考えている方も、手放そうと考えている方も下田ひかりの作品を査定・売却したい方は、お気軽に是非、弊社にお問い合わせくださいませ。



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