2024.01.22
書道具
2024.01.22
硯(すずり)は、筆・硯・紙・墨といった「文房四宝」のひとつです。
一般的には硯(すずり)の価値はあまり認識されていませんが、実は非常に高価なものが多く存在しています。
硯の買取を考えている際には、知っておかないといけないことがあります。
それは、一体どうすれば最高値で買い取ってもらえるのか。また、何が硯の価値を決めるのかについてです。
まずは硯の買取がうまく行った例と、そうでなかった例をご紹介します。
これによって、あなたがどうやったら高額で硯を買い取ってもらえるか、
具体的な方法がわかります。
失敗例と成功例
硯を買取してもらう際の失敗例と成功例をご紹介します。
それぞれのケースで重要となるポイントをまとめているので、まずは項目に目を通して、具体的なケースを読んでください。
そうするとあなたが具体的に何をすればいいかがわかります。実際の買取時の参考にしてください。
田中さんのお宅には、先祖代々の遺品として家に古い硯が数点保管されていました。
最初はその価値をあまり認識していなかったのですが、ある日インターネットで硯の買取価格について調べて驚きました。
田中さんはまず、硯に関する基本的な情報と鑑定のポイントを調べ、その後、専門の鑑定士に硯を評価してもらいました。
幸いなことに、田中さんの硯は有名な作家のもので証明書も残っていました。
田中さんは、オンラインと対面での買取サービスを東京都内で比較しました。その結果、評価が高く買取価格の良い店舗を見つけました。
証明書と鑑定結果を持参して店舗に訪れ、しっかりと交渉。最終的には想定以上の高額で硯を買い取ってもらいました。
この田中さんの例から学べるのは、事前の準備と情報収集、そして選択した買取店が成功への鍵だという点です。
特に東京は買取店が多いため、比較と選定が成功の秘訣です。
佐藤さんは、突然の引っ越しを機に、家に眠っていた古い硯を手放すことに決めました。
しかし、その買取は残念な結果となりました。
佐藤さんは硯の価値について事前に調べず、最寄りの買取店に直行しました。
硯には証明書がついていましたが、それを持っていくことを忘れました。鑑定も受けずにそのまま売却してしまいました。
店舗での鑑定後、提示された価格にすぐに同意をしてしまったのです。
買取後、他の買取店とオンラインでの価格を比較して、初めて低価格で売ってしまったことに気づきました。
佐藤さんの失敗したポイントは、準備と情報収集の不足。そして適切な買取店の選定がされなかったことです。
具体的な方法については、記事の最後に解説をしています。
なぜ硯(すずり)に高い価値がつくことがあるのか
実例1祖父の秘蔵の書道セットから驚愕の700万円の逸品が登場!
名作「端石の太史硯」だと判明!
実例2父のコレクションから600万円相当の端渓硯が出てきた!
驚きの価値!
では、高額で硯を買い求めるニーズはどこにあるかを探ってみましょう。
それにより、なぜ高額で取引されるかがわかります。
一般的に骨董品などの多くのコレクションは、投資としての側面があります。
安い時に買っておいて価値が上がったら売って利益を得るというものです。
硯の場合はどうでしょうか。
高価な硯の多くは、著名な書家が収集しています。
書家が硯をコレクションする理由は投資の対象ではありません。アート作品を生む貴重な「道具」なのです。
高級な硯で墨を磨(す)れば、その墨の色合いも質感も一段と際立ちます。
書家たちは、このような価値ある硯を使うことで、自分の作品を次のレベルへと押し上げています。
自身の作品そのものの価値を高め、文化遺産とも言える作品を創造するためです。
わかりやすく、バイオリンを例にあげてみましょう。
有名なストラディバリウスは楽器としては珍しく、数億を超える価値があるものが多くあります。
しかし、非常に高い価値があるにもかかわらず、倉庫や美術館に収められるものは少ないですね。その多くは実際の演奏会で使用されています。
素晴らしい音色が観客の心を魅了する。それが本来の楽器の価値だからです。
実力のある演奏家ほど楽器の持つ魅力を認めています。素晴らしい楽器と演奏者の相互作用で素晴らしい音色が奏でられるからです。
書家にとっての硯も同様です。
その価値は道具として使ってこそ意味があるのです。
文化勲章を授与された書家村上三島のコレクションについてお話します。
村上三島は、文部大臣賞や日本芸術院賞など受賞を重ね、日本芸術院会員になるほか、文化勲章を授与されるほどの有名な書家です。
愛媛県にある村上三島記念館には、貴重な硯のコレクションが多数収められています。
その中には、端溪天然黄龍紋硯といわれる銘品もあります。
書家、小野崎圭太氏の所有するコレクションにも価値の高い逸品があります。
『端渓硯』(たんけいけん)という硯で、中国広東省で採掘される石で作られた硯です。
この硯は、硯の王様として知られ、少しでも書道を経験した人ならだれでも知っているくらい有名です。
どうして有名な書家が、こうした硯を所有しているのでしょうか。
それはコレクションとして収集しているのではなく、書道家が「書を書く道具」として持っているからです。
では、優れた硯とはどのようなものでしょう。
これを説明するためには、書道の歴史を知る必要があります。
近年、プラスチック製の硯が増え、単なる「墨汁の容器」としての認識が一般的になっています。しかし、真の価値を持つ硯は、石で作られています。
硯が生まれた背景
もともと、硯は石製であることが基本でした。
なぜなら、硯が広く使われるようになったのは、墨という発明があったからです。
軽くて堅く、乾いていて持ち運べる墨は、筆記用具として利便さを求めるためでした。
その墨を使うために、叩いたり砕いたりして使うなどの試行錯誤を経て、石に水を乗せて墨を磨るという硯が考え出されました。
石製の硯で墨を磨ると、墨の色が一層際立ち、ツヤも増すのです。
結果として価値の高い硯は、書家の作品の価値を高めています。
ここで硯のことについてご説明します。
硯の買取事例でお話したとおり、硯に対しての知識があると買取の交渉においてとても有利になります。逆に硯の知識がないと、買取業者の言うがままになってしまい、低い金額での買取になる恐れがあります。
硯には和硯(わけん)と中国の唐硯(とうけん)とがあります。
和硯と唐硯、どちらも高級な硯として知られていますが、それぞれに独特な特徴があります。
和硯は滑らかな筆運びが特徴で、日本の書道において非常に重要な位置を占めています。
一方、唐硯はその硬度と質感が評価され、多くの書家に愛用されています。
驚くほど高い評価がつくのは唐硯です。
雄勝硯はその名の通り、宮城県で生産される硯です。独特の風合いと滑らかな筆運びが特徴で、国内外で非常に高い評価を受けています。
赤間硯(あかますずり)
赤間硯は、色合いの美しさと持ちやすさで知られています。
龍渓硯(りゅうけいすずり)
龍渓硯はその質の高さから、プロの書家からも高い評価を受けています。
東京は書道家が多く集まる場所であり、それゆえ硯についても多くの情報と購入先があります。さまざまな種類の硯を手に入れることができ、また買取も盛んです。
これらのことから、江戸時代からの中心地である東京には、硯が文化的な重要性を持つ硯を扱うお店が多いのです。
実際に、お家にある硯をどうやったら買取してもらえるかについてご紹介します。
特に高級な硯の場合、専門知識が必要とされるため、硯に特化した買取店を選ぶことが重要です。
多くの店で、事前にインターネットでの査定が可能です。
事前にオンラインでの査定を利用することで、おおよその価格を知ることができます。ただし、最終的な価格は店頭での鑑定によって決まります。
その店舗がどのような評価を受けているかも確認することは重要です。評価の低いお店を選ぶと、買取価格が低かったり思いがけないトラブルが生じたりすることがあります。
事前に硯の製造時代や産地、石質などを調査しておくと、鑑定時にも役立ちます。
硯の証明書や鑑定書があれば、それを用意しておくと買取価格が上がる可能性があります。また、これがない場合でも、製造者や歴史に関する情報があればそれも用意しましょう。
特に東京には多くの買取店がありますので、いくつかの店舗で査定を受け比較することがおすすめです。それによって、最も高い買取価格を出してくれる店を選ぶことができます。
査定額が出た後は、価格に納得がいく場合はそのまま買取成立となりますが、納得がいかない場合は交渉することも可能です。
特に貴重な硯の場合、しっかりと交渉することで価格を引き上げられることもあります。
以上の手順を踏むことで、硯の買取において最も有利な条件で進めることができます。
今回の記事でご紹介したように、専門の買取店を利用することで、その真の価値を見極め、魅力的な金額で買取してもらうことができます。
特に東京にお住いの方は、多くの専門業者が集まっているため、高額買取の可能性がさらに高まります。
お持ちの硯がどれだけの価値があるのか、ぜひこの機会に調査してみてください。