2023.11.06

アレックス・カッツとは?経歴や作品の特徴に加えて査定買取について解説

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みなさんは90歳を超えてなお活躍する現役アーティスト、アレックス・カッツをご存知ですか?シンプルかつ大胆にトリミングされた独自のタッチの絵画を数多く発表し、様々な作品スタイルに挑戦し続けています。

本記事では、そんなアレックス・カッツの経歴や作品の特徴、さらに査定・買取が可能かについてご紹介していきます。アレックス・カッツにご興味がある方は、是非参考にしてみてください。

アレックス・カッツとは

アレックス・カッツは、2023年に96歳を迎えるアメリカの現役アーティスト。アメリカのポップアップ運動に参加した芸術家で、絵や版画を中心に、カットアウト彫刻と呼ばれる半立体作品や大規模なパブリックアートなど、様々な作品を生み出しています。そのスタイリッシュな作品感は世界中の人々を魅了し、世界各国の主要美術館にもコレクションされ、アカデミックな賞賛を受けてきました。近年ではマーケットでの人気も高まりを見せています。

アレックス・カッツの経歴

アレックス・カッツの幼少期

アレックス・カッツは、1927年7月24日、アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリンに生まれました。カッツの両親はロシア系移民で、両親共に詩や芸術に興味を持っていました。特に母親はユダヤ劇場のスター女優で、4歳のカッツにエドガー・アラン・ポーを暗唱させていたそうです。おかげでカッツは幼少期より小説や詩、百科事典を読み込んでいました。

カッツは後に「私はやりたいことは何でもやった。それが間違っていたら、両親は“同じ過ちを繰り返さないように”と言い、私を罰したりはしなかった。」と語っています。

アレックス・カッツの学生時代

カッツは小学校2年性の時、市立学校の児童を対象とした絵画コンクールで最優秀賞を受賞します。高校はウッドロー・ウィルソン高校に入学。そこは午前を学業に、午後を芸術に費やすことができるユニークなプログラムをもつ学校でした。バスケットボールや陸上に打ち込み、社交ダンスを嗜むなど、スポーツにも長けていたようです。

その後、1946年にはマンハッタンの私立大学クーパー・ユニオンに進学。ロシア生まれの画家モリス・カンターのもとで、モダンアートの理論と技術を学びました。1949年にクーパー・ユニオンを卒業すると、奨学金を得てメイン州のスコウヒガン絵画彫刻学校の夏期講習に参加し、さらに翌年の夏も奨学金を更新します。

クーパー・ユニオンでは素描から描くことを教えられていましたが、スコウヒガンでは写生を学びました。これは彼の画家としての成長にとって大変重要な影響を与え、以後カッツは写生を重視し続けています。

アレックス・カッツ作品の変遷

カッツの最初の個展は1954年にニューヨークのロコ・ギャラリーで開催されました。この頃、ニューヨーク派(抽象表現主義)第2世代の画家たちと親交を深めます。

1955年には初めてのコラージュ作品を作成。はじめは紙で作った小さな人物を風景画に貼り付ける手法でしたが、次第に肖像画に興味を持つようになり、友人や、特に妻であり“ミューズ”であるエイダを繰り返し描くようになります。

さらにカッツはモノクロの背景を使用し始めました。これは彼のスタイルの決定的な特徴となり、ポップアートを先取りすることとなります。

1959年にカッツは初めて「カットアウト彫刻」を作成。最初はキャンバスに描いた絵を切り出し、木のパネルに貼り付けていましたが、やがて切り出した木に直接絵を描くようになります。1960年代には成形されたアルミニウム版にペイントをすることを始め、以降現在に至るまで継続する作品スタイルとなっています。

1960年代初頭は映画やテレビ、看板広告に影響を受け、カッツは顔を大胆にトリミングした大規模な絵画を描き始めます。さらに振付師ポール・テイラーのためにセットや衣裳デザインも始め、ダンサーのイメージも多く描くようになります。

1965年には版画作成もスタートさせ、リトグラフ、エッチング、シルクスクリーン、木版画、リノリウムカットと、多くの版を用いて作成を続けました。

1980年代後半から1990年代にかけて、カッツは風景画に注目するようになります。それを「環境」と特徴づけ、遠くから眺めた景色ではなく、近くの自然に包まれているような感覚で描きました。形のエッジを緩め、これまで以上に絵画性を高めた作品をキャンバス全体で表現したのです。

1986年に、カッツは「夜の絵」シリーズを描き始めます。これにより、それまで生み出していた太陽に照らされた風景から離れ、新しいタイプの「光」を探求することとなりました。枝から落ちる光をテーマにしたバリエーションは、90年代から2000年代にかけて、カッツの作品に登場します。

21世紀の初めに、カッツは1960年代後半に探求していた「花」を再び描き始めました。以前は単体の花やクローズアップした花を描いていましたが、キャンバスを花で覆い尽くすように描くようになります。

2010年から、カッツはポートレートをより大胆にトリミングし、主題を再構成します。トリミングした同じ被写体を並べ、複数のポートレートとして構成する試みも始めました。

2015年以降、カッツは頻繁にiPhoneで撮った写真をプリントアウトし、コラージュして作品を作る方法を開始します。

このように、カッツは常に様々な表現方法で自分のスタイルを探求し続け、多様な作品を生み出してきました。

アレックス・カッツ作品の展示や受賞歴

アレックス・カッツの作品は、1951年以降、世界中で250以上の個展と、500近くのグループ展に出品しました。ニューヨークのホイットニー美術館やブルックリン美術館、ロンドンのナショナルポートレートギャラリー、パリのオランジェリー美術館、ソウルのロッテ美術館等々、世界各国の展覧会で展示されています。1996年にコルビー大学美術館にオープンしたThe Paul J. Schupf Wingでは、カッツの絵画、切り抜き、素描、版画といったコレクションが常設展示されています。

さらにカッツは、そのキャリアを通じて数多くの賞を受賞してきました。1972年にジョン・サイモン・グッゲンハイム記念絵画フェローシップを受賞。1978年には、ソ連との文化交流に参加するための助成金をアメリカ政府から受け取ります。1988年には、アメリカンアカデミーおよび芸術文学研究所に殿堂入りしました。

そして2007年に、ニューヨークのナショナル・アカデミー美術館から生涯功績賞を贈られています。

現在、アレックス・カッツの作品は、世界中の100以上の公共施設のコレクションに所蔵されています。

アレックス・カッツの作風

カッツが画家としてデビューした1950年代、アート業界は抽象画が牽引していました。しかしカッツは一貫して具象画家を志し、抽象表現主義に動かされることはありませんでした。カッツが目指しているのは「目の前にあるものを描く」こと。さらにカッツは自らの「スタイル」をもつことを最も重視しており、具象ではあるが単なる写実ではなく、ディテールの省略や大胆なモチーフのトリミングといった手法で、被写体を最も効果的に見せる工夫を試みてきたのです。

また、カッツは制作スピードが大変速いと言われています。幅1メートルを超えるリトグラフを5時間で描き上げるなど、考えるより先に筆を動かし一気に作成するのが特徴です。その時代や瞬間を捉えるように、テレビ広告や映画といった最新のメディアからのインスピレーションも大切にしています。

アレックス・カッツとファッション

カッツは父親の影響もあり、若い頃からファッションに敏感でした。ファッションモデルをモチーフとして取り入れることも多く、カッツは「ファッションこそ今この瞬間に直結したもの。ファッションには常に興味があった。はかないものだからね」と語っています。

ファッション業界からカッツへの注目度も高く、映画「プラダを着た悪魔」の劇中にカッツの作品が飾られていたことでも知られています。

代表作や代表的なシリーズ

「ブラック・ドレス」シリーズ…モダンなリトル・ブラック・ドレスを着た女性たちを等身大で描いたシリーズで、妻エイダがモデルになっているものもある。

「パブリックアート・プロジェクト」…カッツは、1977年にニューヨークの中心街タイムズスクエアに描いたビルボードペインティングなど、大規模なパブリックアート・プロジェクトに参加してきました。中でも2022 年に描いたテキサス州ウッドランズの巨大な花の壁画は、テキサス州屈指の大壁画として話題になっています。

「夜の絵」シリーズ…自然光が降り注ぐ風景画を描いてきたカッツが、1986年ごろから作成し始めた新しいタイプの「光」を追い求めた作品。枝から溢れるような光の粒がたびたび描かれています。

「カットアウト彫刻」…アルミニウム板や木板を切り抜いて作られる、平面と立体の境界にあるような肖像。もともと、気に入らない背景を消すために人物を切り取り、ベニヤ板に貼り付けたことから生まれた偶然の産物でしたが、今やカッツの代表的な作品スタイルとなっています。

アレックス・カッツの作品は査定・売却は可能か

カッツの作品は、ここ数年で一気に人気が高まっています。これまで、時代の潮流に抗うようなスタイルから、理解が得られず過小評価が続いていましたが、2019年にフィリップス・ロンドンに出品された「Blue Umbrella Ⅰ」が予想落札価格の3倍以上となる約4.7億円で落札されたのを皮切りに、次々に高額落札されるようになりました。以降もゆるやかに価格指数は上昇を続けていますので、作品の状態も良いものであれば、査定は満足のいく結果につながると言えるでしょう。

まとめ

本記事では、アレックス・カッツの経歴や作品の特徴、査定や売却についてご紹介してきました。

90歳を超えてなお活躍を続けるアレックス・カッツは、常に新しい時代のインスピレーションを受けながらも、自分のスタイルを貫く唯一無二のアーティストです。

今後も人気の高まりが予想されるアレックス・カッツの作品を、これから集める、または手放そうと考えている方は、ぜひ査定や売却について弊社にご相談ください。

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