2023.11.06

アントニ・タピエス買取できる?売却と査定のためのポイントや性格・代表作品などまとめ!

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スペイン・バルセロナ出身の現代アーティスト『アントニ・タピエス』

20世紀現代美術の巨匠の一人とも言われており、日本国内でも人気が高いアーティストです。

アントニ・タピエスの作品は、スペイン・バルセロナを始め、世界中の美術館に飾られており、熱心なコレクターも多くいらっしゃいます。

これからアントニ・タピエスの作品を買取しようとしている方に向けて、買取ができるのか、売却と査定のポイントをご紹介致します。

また、アントニ・タピエスの性格や代表作、作品の特徴などの情報をおさらいしていきます。

今回は、

  • アントニ・タピエスの買取はできるのか
  • アントニ・タピエスの売却と査定のポイント
  • アントニ・タピエスの性格や代表作品などまとめ

などについてまとめていきます。

アントニ・タピエスの買取はできるのか

アントニ・タピエスの作品は、買取することが可能です。

1996年に「アントニ・タピエスの大回顧展」が開催され、日本国内でも知名度が一気にあがりました。

そのため、アントニ・タピエスの作品もこれに併せて多くの作品が輸入されました。

現在、日本国内の美術商でも、アントニ・タピエスの作品の買取・販売をしている店舗が多いので、気軽に査定してもらうことができます。

また、「売却済み」となっている作品も多く、残っている作品でも30万円以上の価格がついています。

ほとんどの作品が売却されているので、アントニ・タピエスの人気の高さが伺えますね。

また、出回っている作品は、アントニ・タピエス直筆のものではなく、版画作品の方が流通量が多いのが現状です。

版画作品の買取価格は、数万円~数十万円ほどと様々です。

また、アントニ・タピエスは、コラージュを得意とした作風で、「カーボランダム」という技法を取り入れています。

「カーボランダム」は版画技法の一つで、木版画とは違い、版に特殊な混合物を塗り、表面をボコボコとさせ、その凹凸部分に色を塗りプレスして用紙に刷るという技法です。

アントニ・タピエスの作品も、カーボランダムを多く取り入れていますが、買取の価格にこの技法の有無はあまり影響していないそうです。

どちらかというと作品の知名度や珍しさが重視され、人気の高い作品がより高額に査定される傾向にあります。

アントニ・タピエスの売却と査定のポイント

アントニ・タピエスの売却と査定のポイントを4つご紹介します。

  1. オリジナル作品かどうか
  2. 記号や数字が描かれているかどうか
  3. 大回顧展などが開催されるタイミング
  4. 附属品のコンディション

① オリジナル作品かどうか

アントニ・タピエスの作品は前述した通り、版画作品が多く出回っています。

しかし、直筆サインなどが入ったオリジナル作品は美術品としての価値が大変高く、査定価格も高額となっています。

オリジナル作品は、日本国内でお持ちの方は数少ないと考えられるので、その分査定の価格もぐっと上がります。

②記号や数字が描かれているかどうか

ミロの作品に「*」星が描かれているように、アントニ・タピエスの作品には十字架のモチーフが描かれています。

この十字架モチーフは、キリスト教の「クロス(X)」や、アントニ・タピエスと妻・テレサのアルファベット「T」を意味していると言われています。

アントニ・タピエスの作品の中で、十字架マークがより鮮明に描かれているものは、人気の作品となっています。

また、記号の他にも数字が描かれているような、現代アーティストらしい作品にも人気が集まっています。

作品の中に、記号や数字が描かれているものは、特に人気のある作品なので、その分査定も高くなる傾向にあります。

③大回顧展などが開催されるタイミング

一般的に、絵画の査定は人気や注目度によって左右されます。

大回顧展などの大型展覧会が開催されると、人々の注目が集まり、出典アーティストのファンになる方も増える傾向にあります。

アントニ・タピエスは、ピカソ・ミロに続く20世紀現代美術の巨匠と言われているので、現代美術大回顧展などが開催されれば、ピカソ同様にアントニ・タピエスの知名度もぐっとあがることでしょう。

知名度や人気があがれば、その分査定にも影響するので、アントニ・タピエスの作品も再評価され、高い査定を受けることができると予想されます。

④附属品のコンディション

絵画の査定に影響する附属品は主に4つあります。

  1. 額縁
  2. 黄袋(布製の袋)
  3. 保証書(鑑定書)

作品の価値は、もちろんその作品自体を加味して査定されますが、美術品買取業者からすると、次に売る時のことも考えて価格を設定しています。

附属品の中でも、最も査定に影響するのは「額縁」です。

キャンバス・ボード・シートといった、額縁に入っていない状態では、見栄えが良くないだけでなく、運搬時のダメージにもつながります。

元から額縁がついていると、買取業者が新たに額縁を新調する必要がなくなるので、査定も少し上乗せしてもらえるケースがあります。

「額縁が傷ついているから、捨てて、作品だけ査定してもらおう!」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は額縁は新しく購入するより、修理する方が安くなる場合もあります。

額縁がないだけで、査定価格が数千円~2万円程度下がってしまうので、額縁は安易に捨てないようにしてくださいね。

次に重要と言われるのが、「保証書(鑑定書)」です。

保証書と鑑定書は以下の違いがあります。

保証書:作品の販売元が独自に作成しており、作品が本物であることを示した書面

鑑定書:美術協会が認めている公的なもので、亡くなった作家の作品で、ある程度高い市場価値を有しているものに付けられる書面

保証書は査定の際には「あれば尚良し」ですが、鑑定書は再度流通するために必要な書面なので、査定に大きく影響します。

公的な鑑定書がなくても流通可能な作品もあるので、お近くの美術商に聞いてみることをオススメします。

最後に「黄袋・箱」ですが、こちらは査定に大きく関係することはあまりないようです。

しかし、附属品がすべて揃っていることで、査定にも影響する可能性があるので、こちらもあると尚良いとされるものです。

このように、附属品が揃っているかどうかで、査定価格が変動するので、将来的に作品を査定に出すことを考えているのであれば、購入したままの状態を保つことが重要となります。

アントニ・タピエスの性格や代表作品などまとめ

アントニ・タピエスの性格や代表作品などの情報をまとめていきます。

経歴

誕生~1950年ごろ

アントニ・タピエスは、1923年にバルセロナの中産階級の家庭に生まれました。

10歳ごろに、近現代のアートを紹介する雑誌を見て、芸術に興味を持ち、独学で絵を描き始めました。

1945年ごろには「ゴッホ」の影響を受けた油彩画を描いていましたが、徐々に超現実主義的(シュルレアリスム)に移行し、ミロやパウル・クレーから影響を受けたそうです。

アントニ・タピエスは、哲学・文学・東洋思想などの幅広い分野に興味を持っており、日本文化にも興味を持っていたそうです。

禅や俳句、書道に関する本を愛読し、詩人・滝口修三と詩画集『物質のまなざし』を協同で制作したこともあります。

1950年に、バルセロナのギャラリーで初めての個展を開催し、その作品が評価され、フランス政府からの奨学金を得て、拠点をパリに移しました。

1950年代半ば~1960年

パリに拠点を移したアントニ・タピエスは、アンフォルメルの流れをくんだ「抽象表現主義」に移行しました。

アンフォルメルとは、第二次世界大戦の中で生まれた激しい抽象表現が特徴的で、荒々しいタッチや生々しい質感によって、人間の本質に迫る作風です。

アントニ・タピエスは抽象表現主義に移行してから、藁や砂、大理石の粉などを混ぜ込んだ絵の具のようなものを使い、壁のように巨大なキャンバスに描く「ミクストメディア」の作品を制作し始めました。

1952年以降から、アントニ・タピエスは数々の国際美術展に出品し、イタリアやドイツでも高い評価を得たことにより、アンフォルメル派の芸術家として国際的に認められました。

しかし、1966年に反フランコ政権の政治活動によって、荒々しいタッチの作品が批判されるようになり、アントニ・タピエスは逮捕され、罰金刑を科されました。

1970年代

アントニ・タピエスはこの頃から、政治的な色合いを持つ作風へと移行していきました。

1970年には、スペインのバスク地方における「テロリスト死刑判決」に抗議し、修道院に立てこもるなど、独立をめぐる運動などに参加していました。

アントニ・タピエスは、独立をめぐる運動に参加するうちに、1970年代にアメリカで流行していた「ポップアート」の影響を受けることになります。

ポップアートの影響を受け、身の回りの物体に目を向けるようになり、家具の一部を貼り付けた絵画作品や、椅子を布で覆った立体作品などを生み出していきます。

絵画ではなく、立体で表現することで、アントニ・タピエスの作品は、よりリアルな表現が可能になりました。

1990年代~死去まで

アントニ・タピエスは、1990年にスペイン王室からアストゥリアス皇太子賞(芸術部門)を贈られました。

日本でも、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞するなど、高い評価を得ました。

1990年にアントニ・タピエスは、若手芸術家の支援に力を入れるようになり、「アントニ・タピエス財団」を起ち上げます。

日本各地の美術館を巡回するなど、晩年も世界的な活動をし続け、2012年、生まれ故郷であるスペインバルセロナにて、88歳でこの世を去りました。

性格

アントニ・タピエスは、1970年代半ばからは政治色を強めた、荒々しい作品が有名ですが、年代ごとに新たな技術を取り入れる柔軟性もあるアーティストです。

それぞれの年代で作風は多少異なりますが、一貫して強いメッセージ性があるのも特徴的です。

アントニ・タピエスは、常に人類の問題や紛争に対する懸念を表現し続けたアーティストです。

代表作品/作品の特徴/所蔵されている場所

アントニ・タピエスの作品の多くは、バルセロナにある「タピエス美術館」に所蔵されています。

日本国内で見ることのできる、アントニ・タピエスの代表作をご紹介します。

『茶の上の黄土(1964年)』

素材・技法:ミクストメディア・カンヴァス

所蔵:長崎県美術館

本作品はほとんど「黄土色」を占めており、地面に踏み下ろされた足を表現しています。

この足は傷つけられていますが、力強く大地を踏みしめているようにも見え、「抗議の象徴」とも捉えることができます。

足は人間の身体の中でも最下層ですが、それと同時に一番自由な存在でもあります。

アントニ・タピエスは、虐げられながらも自由な一面も併せ持つ足に、生きた痕跡を残す、スタンプのような意味合いも込めていると考えられます。

『網と十字の刻印(1981年)』

素材:陶・土ほか

所蔵:長崎県美術館

本作は、絵の具に砂を混ぜ、多少のレリーフ性を見せながらも絵画的な作品となっています。

素材の可塑性(物体に力が加わり変形した状態で、加えられた力がなくなったとき、変形したまま元に戻らない性質)を利用し、リアリティを画面として残す作品です。

網や十字やハンマーなどの傷跡は、キリストの捕縛や磔刑などを表現しており、歴史上の刻印的リアリズムを知的に表現しています。

江戸時代の踏絵と、どこか通じ合うものが感じられるような作品となっています。

『ひび割れた黒と白い十字(1976年)』

素材:ミクストメディア・木

所蔵:三重県立美術館

本作では、土や砂などが重厚な壁のように塗り固められています。

この上に黒い塗料が広がり、所々がはじかれて、全体に模様や斑点が浮かび上がっています。

作品上部には、下地である木が見えるほど深くえぐってつけられた十字の痕跡があり、堅固な物質性と精神性が同居しています。

物質の本質への瞑想に誘われるような作品となっています。



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