2024.11.15
掛軸
2024.11.15
現在、掛け軸を所有していて、買取して欲しいと考えている方々もいらっしゃることでしょう。
一方では、掛け軸を欲している方々もいます。
若い人たちにとって掛け軸は、既に縁遠いものになってしまったのかもしれませんが、掛け軸には、他のアートにはないような魅力も発見することができます。
掛け軸は、現在でも掛け軸を欲している方々のニーズが存在しているため高い買取価格がつく可能性があります。
今回は、そんな買取価値のある掛け軸の魅力について解説をします。
目次
実家に帰った時など、古いお家の和室には、未だ縦長の紙の巻物が吊ってある光景を目にすることがあるかもしれません。
また、子どものころ、習字の授業で、もどきのものを作った経験もあるかもしれません。
その縦長の巻物が「掛け軸」です。
もどきと言いましたが、習字の授業で作ったものも正真正銘の掛け軸であり、そんなに掛け軸のことを難しく考える必要はありません。
掛け軸を、一般的に定義すれば、書であったり絵を紙や布で表具(ひょうぐ)したものをすべて掛け軸という言い方をします。表具とは、布や紙などを張ることによって仕立てることです。
油絵の場合も、そのまま飾るということはほとんどせず、多くの場合は、額縁に入れて
飾ることでしょう。掛け軸とは、おおかた和的な額縁だと考えればいいでしょう。
額縁をお部屋に飾る場合には、壁に掛けたり天井から吊ったりします。一方で掛け軸の場合は、「床の間」と呼ばれる、和室の中の一段高い所の壁面に飾ることになります。床の間には、掛け軸に合わせて花を生けたりもします。
段々と日本家屋には、床の間もなくなってしまい、なおさら掛け軸も縁遠いものになってしまったのかもしれません。
小さい子どもさんは、きっと「床の間って何?」と聞くことでしょう。掛け軸と床の間は無関係ではないため、床の間が何かも説明が必要です。
床の間とは、日本建築で座敷の上座の床(ゆか)を一段高くした所のことを言います。床の間は和室にあり、掛け軸を飾ったりするスペースがあります。
ワンルームマンションだったりすれば和室自体がないため、床の間を知らないと言っても全然不思議なことではないのかもしれません。
「床」とは、座る場所や寝る場所のことを指しているのですが、床の間のはじまりは、殿様などの身分の高い人が座る場所を一段高いところにしていたのが最初だと言われています。
ただし床の間の起源は他にも説があり、仏壇などの形式が変化してできたものとだというのもひとつの説です。そこは、神の宿る場所と考えられていました。大切な場所である神棚の掛け軸を縁起のいいものにすることによって、家の運気が上がると考えられていました。
床の間の特徴について言えば、お客様をおもてなしする最上の部屋にあります。そして、床の間を背にする人が最も身分の高い人だとされています。
江戸時代になれば、領主などと言った自身よりも身分の高いお客様を迎え入れるため、庶民の家にも床の間が作られるようになってきました。
昔の時代の話しをすれば、床の間にいろいろと装飾を施すことで、自分が権威をもっている人物であることを演出していたようです。
現在でも、床の間は価値観を見いだすものであり、床の間があり、そこに掛け軸であったりお花などが飾られてあることで、大事なお客様をおもてなしするという意味合いがあります。
床の間があれば、掛け軸を飾ろうという気持ちも当然起こることでしょう。現在においても、まだまだ掛け軸の買取ニーズは充分あります。
価値のあるお気に入りの掛け軸を1枚ずっと飾り続けている方々がいる一方では、季節季節で、掛け軸を変えるという方々も多いです。
現代の和室において掛け軸は、鑑賞するためのインテリアとしての意味合いが強くあります。
掛け軸には、季節を表す絵が多く使用されています。春には、桜であったり、梅、桃などを飾り、夏には、朝顔であったり、紫陽花、金魚、清流……などを飾ります。
また、秋には、栗であったり、柿、秋桜、紅葉……などを飾り、冬になれば、雪景色であったり、椿、牡丹、水仙……などを飾ります。
それぞれの季節に違うお花や景色の掛け軸を飾ることによって、それぞれ季節の風をお部屋に取り込むことができ、リラックスできる空間を導きことができます。閉鎖的空間も、掛け軸によって開放された空間へと変身させることができます。そのような意味では、現代のインテリアにも掛け軸を取り入れる余地は充分残されているのではないでしょうか。
季節の移り変わりに風情を感じたい……と思っている方々が多い日本人ならではの掛け軸の発想です。
お祝いごとのシーンにおいて、松・竹・梅であったり、鶴や亀、富士などの縁起のいいモノが描かれた掛け軸を飾ったりします。
昔は、冠婚葬祭も自宅で行われていたため、結婚式などのシーンにおいて、縁起のいい掛け軸を飾ることで、お家の雰囲気を一新させることができました。
また、掛け軸は、節句など行事において合った掛け軸を飾ることをしていました。
桃の節句(三月三日)には、桃の花であったり雛を飾り、端午の節句(五月五日)には、兜や武者、出世鯉の掛け軸を飾ります。
このような感じで、床の間に節句と関連する絵を飾ることによって、お家の神様に子どもさんの成長を伝えようとした狙いもあったようです。
また、お盆であったり、お彼岸、法事などのシーンでは、お経の書の掛け軸であったり、蓮の花、観音様……などと言った仏教にちなんだ掛け軸を飾ったりします。
床の間には、虎であったり、瓢箪……と言った絵が飾られることがありますが、それぞれ絵にも飾る意味が存在していたようです。
虎の絵を飾る方々もいます。その虎には、虎は、本来目つきが鋭い動物であるため、魔物をお家に寄せつけないための魔除けの意味合いがありました。
六つの瓢箪は、「むひょう」と「むびょう」の語呂合わせによって、無病息災を願い飾る方々が多くいました。
松鶴は、「しょうかく」と、「昇格」の語呂合わせで縁起がいい絵と考えられていました。
雪景色の絵は、ゆき(幸)との語呂合わせで、幸せが降ってくる縁起のいい絵です。
そして、老人の絵は、長寿を願い床の間に飾る方々が多くいました。
最近のお家には床の間がないため、掛け軸を買っても意味がない……と考えてしまうかもしれません。
しかし、掛け軸は、和室にマッチしたような、伝統的な絵柄だけということではありません。掛け軸も時代時代で進化していると言っていいでしょう。
現在では、様々なデザインのものが販売されていて、明るいデザインの掛け軸であったり、キャラクター物などにも人気があり、買取のニーズがあります。また、クリスマスであったり、ハロウィンをモチーフとした、現代のイベントに即した掛け軸も販売されています。現代的なモダンなデザインの掛け軸であれば、洋風の和室にもすんなりと馴染むでしょう。
掛け軸は、大きく分類すれば、「書」「画」「書画」の3つに分けることができます。
「書」の掛け軸とは、文字が書かれた掛け軸です。消息と呼ばれる手紙だったり、お経の南無阿弥陀仏が書かれていたり、和歌など様々あります。一文字だけの書も掛け軸には多数あり、高く買取査定されることもあります。
「画」は、そのまま、絵の掛け軸のことです。単に絵であればなんでもいいということではなく、古いしきたりに習えば水墨画が主となり、切絵であったり版画の絵の場合もあります。
「書画」とは「書」と「画」を組み合わせたものであり、誰かが書いた絵に対して「賛」と呼んでいる、その絵を称えた文が書いてあるものなどをあげることができます。
自分で絵を描いて自分で賛をつけることもあったのですが、そのようなことを自画自賛と呼んでいました。現在でも頻繁に使用される言葉ですが、ルーツは、こんな意外な場所に隠れていたのです。
掛け軸は、10世紀後半の中国の北宋時代が最初と言われています。当初掛け軸は、仏教を普及させるために使われていました。日本では平安時代中期にあたります。日本には、中国から仏教とともにもたらされることになります。
中国と同様にして、最初掛け軸は、鑑賞用のものではなく、仏教の普及、礼拝目的としての用途がありました。
そして、掛け軸は茶道が普及するとともに、日本独自の文化として発展します。また、鎌倉時代には、禅宗の影響があり、中国から多数の水墨画が日本にもたらされることになります。
そのなかには、仏教画ではない花鳥山水画も散見されました。そこで、掛け軸は、仏教としての拝む対象から離れ、水墨画をアート作品として鑑賞するために飾るようになっていきます。
室町時代に入れば、より茶道が流行し、茶室の床の間に掛け軸を飾ることがとても重要視されることになります。
安土桃山時代を経て、江戸時代になれば、版画によってアート性のある浮世絵が安価な価格で手に入るようになります。そして、掛け軸は、広く一般庶民に普及することに。
庶民全般に普及するためには、手軽に手に入れられることが大事な条件です。それが可能な時代となり、掛け軸は屏風と並んで絵画を飾るための代表的な手段として、日本人の生活に定着していくことになります。
いかがでしょうか。
今回は、掛け軸のことが何かわからない……という方々のため、掛け軸とは何か、掛け軸の種類、歴史について解説しました。
掛け軸が現在、買取価値が存在しているのは、収集家のニーズによるものです。また、一方では、洋のお部屋に和の様式を取り入れる和洋折衷が評価されるようになったからです。
今後、ますます掛け軸の人気が高まり、買取査定が高くなる可能性もあります。
新しい現代アートに変貌しようとする掛け軸がある一方では、古いまま押し留まり買取価値を見いだす掛け軸もあります。まさに、掛け軸に存在している魅力は、日本の歴史をなぞる幅広さと言っていいのではないでしょうか。