2023.11.22

日本を代表する抽象画家・絵本作家 元永定正の買取査定・売却について紹介

Category

作家名

Tags

前衛的なイラストを描き、抽象画家・絵本作家として有名な元永定正です。多数の受賞歴があり、絵本だけでなく、オブジェもいろいろ作っている芸術家です。

その自由且つ形とカラーを大事にした作風で海外にも多くのファンを持っています。シンプルなデザインで色使いがとても美しく、ユニークな点が彼の作品の魅力です。

元永定正の作品として知られているものに、阪神淡路大震災復興モニュメント「ゆめ・きずな」が有名です。造形作家の妻、中辻悦子との共作で、2001年に全長30メートルの巨大アスレチック遊具型を制作したものが残っています。

絵画だけでなく、オブジェも作り、どちらもどこかユーモラスで人間味のある作風が魅力と言えます。国内外問わず、元永定正の作風に魅了されたという人も多くいるでしょう。

そんな元永定正の魅力について紹介していきますので、買取査定や売却ができるかどうかについても参考にしてください。

元永定正とは

1922年三重県出身で、前衛的なイラストを描くことでも知られている人物です。1950年に兵庫県神戸市に転居し、絵本やオブジェを多く制作しています。

抽象画を描く絵本作家として、詩人谷川俊太郎と絵本「もこもこもこ」などを作ったことでも有名です。絵本で見たこともあるという人も多いでしょう。

様々な絵画技法にも刺激を受け、「たらし込み」という前衛的な技法を試しています。また、形や色にこだわったいろいろなオリジナリティ豊かな抽象画も描いています。

オリジナリティ豊かな作風が国内外で高い評価を得ていて、晩年になって第2回芸術文化振興協会賞、第15回日本芸術大賞、1988年フランス政府より芸術文芸シュバリェ賞、1991年紫綬褒章などを多く受賞。その後、2011年88歳で亡くなっています。

元永定正の特徴・魅力

様々な経歴を持っているのが特徴の元永定正です。活動初期に抽象画を用いた絵本を制作していた頃に、抗議が多かったと本人自身が伝えていますが、直感的な作品の多いことが特徴です。そのため、絵本としては当時自由過ぎて常識的なものでなかったため、抗議を受けたことがあったようです。

しかし、彼の絵本作品には、どこかピュアな作風があって、そこが大きな魅力です。シンプルでユニークなものが多く、見た者の想像力を膨らませるような作品が多くなっています。シンプルであるがゆえに、何に見えるのか、何を意味しているのかをこちらがいろいろ考えさせられるでしょう。そして、そうしたコミカルで人間味がある世界観が長年にわたって元永定正の作品には貫かれています。

また、元永定正は、斬新的な素材を用いることも多く、独特のフォルムで作られたオブジェも人気です。

元永定正の性格はというと、芸術論を正面から唱えることはしない、自ら「アホ派」と称していた人物です。

しかし、彼は、若い頃は漫画家になりたかった人物で、様々な転職を繰り返しながらも芸術についていろいろ探求してきた人物であるといった点が特徴です。自らを「アホ派」と呼びながら、これまでの芸術理論や知識とは異なる、オリジナルの活動をしてきた画家と言えます。

作品タイトルにも、70年代以降の作品に「ZZZZZ」があるなど、タイトルからしてオリジナリティにあふれています。

元永定正は、具象絵画に始まり、初期には抽象作品を制作し、絵具流しの作品を作り、アクリル絵具とエアブラシによるものを作るなど、様々な技法の作品を作っています。長い制作活動の中で、大きく技法やスタイルを変化させてきました。

様々な技法や作風に常に影響を受け、チャレンジしてきたと言えるでしょう。そして、様々なものにチャレンジしながら、オリジナルの作風を得ていったと言えます。

どの元永定正の作品にもユーモアがあり、コミカルな面があったことが共通点です。またそれは彼自身の性格から由来するものだったとも言えます。

元永定正の経歴を紹介

元永定正は、商業校を卒業後、機械工具店に就職し、当初は漫画家を志していました。そして、その後、職を転々とします。

転職を繰り返しながら、本宅的な油彩画をスタートさせ、芦屋市展での抽象画に影響を受けたことから、抽象画家に転向します。

そして、吉原治良らの関西の前衛美術グループ「具体美術協会」の影響を受け、参加した元永は前例のない絵本作りを志します。1958頃から日本画の「たらし込み」の技法にも影響を受けて、画面上に絵の具を流す前衛的な絵画を制作。独特なスキルを活かした絵本作りを行っています。

しかし、活動当初は、こうした抽象画での絵本の作成が世の中になじまず、絵本作家としては、抗議も多い時代だったと言えます。

その後、1960年からはニューヨークの画廊やイタリアのトリノにある国際美学研究センターと契約し、活動の幅を広げていきます。ニューヨークへ渡米した際に谷川俊太郎と知り合ってからは、帰国するまでニューヨークで絵画技法に試行錯誤を重ねます。そして後に、新たな作風を確立。形と色にこだわった作風を多く残しています。

1970年から絵本制作活動を開始し、最初の英文の絵本『ポアン・ホワンけのくもたち』を制作。その後、大きな評価を受け、絵画や絵本原画展を開催するようになり、晩年になって多くの賞を受賞しています。次第にオリジナリティを発揮し、評価を高めていったとも言えます。

元永定正の作品

元永定正は、絵本作家のため、多くの人が目にしたことのある作品が残っています。また、街のアート作品のオブジェも手掛けており、それらも有名です。有名な作品を紹介しますので、どんな作品を作っているのかも参考にしてください。

・「もけら もけら|1990年」

1990年にジャズピアニストの山下洋輔とともに制作した絵本です。第14回絵本にっぽん賞を受賞しています。特に表紙が特徴的で、とても認知度の高い絵本です。シュールで遊び心のある絵が印象的で、アートブックのようになっていて、大人も鑑賞できる絵本としての魅力があります。

・「ゆめ・きずな|2001年」

造形作家の妻、中辻悦子と制作したオブジェで、阪神淡路大震災の復興モニュメントとして全長30mに及ぶ大きなもので、神戸市のなぎさ公園にあります。ユニークなオブジェとなっていて、震災後の子どもたちが触れて楽しめ、想像力を膨らませることができる作品となっています。

・「きいろとぶるう|2011年」

晩年の2011年に制作されたオブジェです。水色と黄色の2本の棒が支えあっている作品です。兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通の兵庫県立美術館に設置されていて、多くの人の目に触れている作品です。シンプルですが、形と色にこだわった元永定正らしい印象的な作品となっています。

作品が見られる日本の美術館を紹介

元永定正の遺作は、妻の中辻悦子によって宝塚市などへ多く寄贈されています。宝塚市では記念の展示会なども開催されることが多くあります。

また、元永定正が三重県出身ということもあり、三重県立美術館には70点の元永作品が所有されています。

さらに、東京国立近代美術館には、「作品 66-1」1966年の作品が展示されています。

栃木県立美術館では生命や宇宙の誕生を思わせる、力強い流し込みの「作品」や「くりー、くりー」などのいかにもユーモラスな作品も見ることができておすすめです。

京都国立近代美術館にも「作品 No.501」1963年の作品と、「ZZZZZ」1971年の作品がありますので、その魅力を堪能してみるといいでしょう。

元永定正の作品の売却は可能?買取査定はどのくらいなのか

元永定正の作品は、高い物では2015年サザビーズのオークションで1mほどの絵画が1億円近くの買取価格で落札された実績があります。

また、一方で10万円未満の買取査定の場合もあります。一般的に、元永定正の作品は、作品のサイズが大きいほど、買取査定が高い傾向にあります。

具体美術協会に属し、前衛的に自由な画風の「具体」をテーマにしたものは、高い買取査定となることが多い傾向です。数千万円で売却されることも多くなっています。

海外で注目されることも増え、絵本作家としてだけでなく、「具体」の画家として高く評価されていることが多いでしょう。その点をよく理解して売却するのがおすすめです。

元永定正の「たらし込み」の技法についての評価も高く、そのような作品の場合高価な買取査定が見込め、売却にもおすすめです。

また、1980年代以降に多く制作されている、〇△□などの記号を使って構成されたシンプル、かつユーモラスな抽象作品も人気です。版画で作られていて、愛好家も多く人気を博しています。

こうした「たらし込み」の技法やフォルムを意識した、シンプルかつユーモラスなものが多いため人気の高い作品となっています。独自のスタイルが用いられオリジナリティが豊かな面が買取査定にも高評価です。

また、これからも元永定正の作品の評価は、さらに高まっていくことが予想されています。

まとめ

ここまで、元永定正について紹介しました。前衛的なイラストを描いた絵本作家だったために、当初はあまり評価されない部分もありましたが、抽象画家として次第に評価を得てきた人物です。

吉原治良らの関西の前衛美術グループ「具体美術協会」が評価されるとともに、個性的な元永定正のユーモラスで人間味のある作風も評価が高くなっています。

絵本作家としてだけでなく、抽象画家としても評価を高く受けているのが元永定正です。海外でも評価が高く、買取査定や売却の面でも、これからますます値打ちが高まっていくことが考えられます。

今、高く買取査定してもらえる所を探すというのも良い方法ですし、もっと高く売れる状況を待って売却をすることも可能です。

海外からも評価の高い、元永定正の作品です。また、日本でも、親子で絵本に親しんだという人がいて作品を集めてみたい人もいるでしょう。シンプルでかつオリジナリティ豊かな作風に惹かれるファンが多くいます。家でのインテリアとしても明るくユニークな作風を楽しめるのが魅力です。

ぜひ、紹介した元永定正の魅力をよく知った上で、買取査定と売却について検討されることをおすすめします。



« »

この記事をシェアする

Category

Tags

この記事をシェアする

あなたにおすすめの記事

人気記事