2023.11.22

イカールとは?経歴や作品の特徴に加えて査定買取について解説

Category

作家名

Tags

みなさんは1920年代から1930年代にかけてアメリカやヨーロッパで人気があったフランスの画家、ルイ・イカールをご存じですか?

イカールは、自身も生き抜いた第一次世界大戦をモチーフにした作品が多く、その中でもグラマラスな女性を描くことに優れていました。

本記事では、イカールの経歴や作品の特徴だけでなく、査定・買取が可能かについて ご紹介します。イカールに興味のある方やこれからイカールの作品を集めようと考えている方 は、ぜひ参考にしてみてください。

イカールとは

イカールは、フランスのトゥールーズ出身の画家で、アール・デコ期の絵画やデッサン、エッチングに銅版画などが作品の種類として存在します。特に銅版画は独自の手法や色彩を取り入れた作品が多く、イカールが生み出した多くの作品は銅版画で制作されています。

イカールの作品は、戦争と女性を題材にしたものが多く、当時の時代背景や空気観が見るものに伝わる素晴らしい作品です。

イカールの経歴

イカールの生い立ち

イカールは、1888年9月12日にフランスのトゥールーズで生まれました。銀行家であった父ジャン・イカールと母エリザベートの長男として裕福な家庭で育ちました。

その後、イカールは順調な人生を過ごし、1904年に地元のトゥールーズ高等商業学校を卒業しました。1905年には兵役を終え、当時17歳であったイカールは、友人であるエスキロルと共に芝居役者を目指してパリに行くこととなります。

パリでの経験

パリでは生活の基盤を築くため絵ハガキ工房で働きはじめます。その工房で、エッチングやリトグラフ、銅版画制作の技術を学び、後の作品に反映されています。

また、1908年には、演劇批評の表紙にイラストを描き、これが思いのほか評判が良く、その後はカタログなどの注文が依頼されるようになりました。

イカールは、この頃から非凡な才能を発揮し始め、自身としても画家の道を歩もうと考え始めたといわれています。

世界のイカールへ

イカールは、1912年にスペインのバルセロナにて初の個展を開きました。この個展がきっかけとなり、1913年にワグラム画廊が、イカールの作品をアメリカ合衆国に販売しました。ワグネル画廊は、イカールの作品のアメリカでの爆発的な人気に大きく貢献しました。

また、1914年にはパリ市内にある宮殿エリゼ宮にて、パリ・オペラ・バレエ劇団公演の衣装をデザインしました。この公演は、デンマーク国王夫妻歓迎特別公演だったこともあり、既にイカールがある程度の地位に達していたことが伺える出来事でした。

そのほか、1914年にはファッション誌「ガゼットデュポントン」の個展をベルギーのブリュッセルで開催したり、ベルギーのゲントの展覧会に作品を出品し、栄誉賞を受賞しています。

第一次世界大戦

イカールの母国であるフランスは、第一次世界大戦の連合国側として参加し、イカール本人もパイロットとして参加しています。この大戦は1914年から1918年まで続き、その間に行われた1917年のラ・ボエシー画廊主催の「戦争とユーモア画家展」でイカールは、版画作品を4点出展しています。

戦争をテーマにした作品

第一次世界大戦の終戦後、復員したイカールは、アメリカを中心に数多くの個展を開き、戦争をテーマにした個展もいくつか開催しています。また、1927年にはフランスのレジオン・ドヌール5等勲章を受章しています。

1940年の画家としての晩年期には、第一次世界大戦のドイツ軍侵攻をテーマとした「エクソダス」を制作しました。

イカールの作品の特徴と代表作

作品の特徴

イカールの作品は、妖艶な女性をモデルとした作品が多く、主な手法は、銅板を彫り腐食法であるエッチングを施したものが特徴となります。エッチングとは、化学薬品などの腐食作用を利用して、金属の表面を加工する方法で、エッチングを使用したイカールの作品は、柔らかさであったり、繊細さが際立つ表現と自身が経験した戦争観が融合した仕上がりとなっています。

戦争という歴史と空気感を漂わす作品の多くに、女性が盛り込まれることで、どこか優しさや暖かみを感じる部分もあり絶妙なバランスで多くの人を虜にしました。

イカールは、芸術における革新的な試みや実験的な試みを拒みました。20世紀を代表する画家パブロ・ピカソやキュビズムの代表的な画家のひとりであるジョルジュ・ブラックによる新たな画法であるキュビズムや写実主義とは異なる心で感じ取れる色彩技法フォーヴには目もくれませんでした。

イカールの作品を制作する上での手法は、「赤い手法」や「ゴールデンパレット」という呼称があります。イカールの妻であるファニー・ヴォルメールやギリシャ神話のレダと白鳥、馬、犬、猫などがモチーフとして採用されていました。

また、イカールの作品には部数の記載がない事でも有名です。現代版画の作品には、直筆のサインと部数が記載されていることがほとんどであり、それをすることによって作品の権威性を保っています。1900年代初期の多くの作品は、部数の記載をする考え自体があまり無く、直筆のサインをすることも稀であったとされています。

イカールの代表作

ルイ・イカールは、アール・デコ期を代表する画家で、戦争と女性をモチーフにした銅版画が有名です。ここでは、そんなイカールの代表作といえる作品をいくつかご紹介します。

銅版画「ミミ・パンソン」

ミミ・パンソンは、1927年に制作された傑作と呼び声の高いイカールの銅版画です。フランスのロマン主義作家であるアルフレッド・ミュッセの小説に出てくる登場人物を描いた銅版画作品であると考えられています。

全体的に暗めの配色を選択し、夜のフランスという想像がつく作品です。作品の真ん中に配置された女性の姿がとても印象的で髪の色が茶色から金色ということもあり、暗めの配色の中で際立っています。

ただ、女性の服装や少し悲しげにも捉えられる表情は、時代背景などを取り入れるイカールならではの特徴であるといえます。構図や人物の配置、配色に至るまでバランスのとれた作品で見る人々の心を奪う強いメッセージも伝わる傑作と言えるでしょう。

銅版画「リリィ」

リリィは、1934年にアメリカ・ニューヨークでイカールが制作した銅版画です。大木の根元に座り込む女性が印象的な作品です。

またドレスアップした女性の腕の中にはゆりの花が描かれ、背景色は暗めでありながら、中心に描かれた女性を、真逆の配色である白を使うことで、さらに印象深い仕上がりとなっています。

胸に手をあてる女性の姿は、見るものに様々な印象を与え、どこか悲しげな印象もある作品となっています。また、背景色に暗めの色彩を選ぶことで、当時のうす暗い時代背景を想像できます。

イカールの作品は、女性を題材に使うことが多く、この作品でも描かれている人物は女性であり、独自の銅版画技法を駆使して見事な作品として評価されています。

銅版画「狩猟Ⅱ」

1930年にイカールが銅版画で制作した狩猟Ⅱは、京都八瀬瑠璃光院の一角にあるルイ・イカール美術館京都に所蔵されており、鑑賞も可能な作品です。

イカールの作品は、女性を題材にしたものが多くありますが、この作品のように犬を題材にした作品も少なからず存在します。狩猟Ⅱの特徴は何といってもその躍動感で、イカールの作品で定番の女性画は楽し気な印象も感じ取れます。

また、背景に使われている色も白を基調とした配色で躍動感と共に蒼白で美しい印象を見るものに与えます。作品名とは違い、3匹の犬と戯れる様子にも見え、イカールの戦争をテーマにした作風とは一線を画すものとなっている印象もあります。

そのほか、ルイ・イカール美術館京都は、瑠璃光院の拝観料を払うことによって、イカールの作品「サラブレッド」も鑑賞可能ですので、ご興味のある方は一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

イカール 査定・売却

ここまでイカールの経歴や作品の特徴についてご紹介いたしました。ここからはイカールの作品を所有してる方、これから所有しようと思っている方に向けて、査定売却のポイントについてご紹介します。

イカールは1920年代から作品を制作しているということもあり、作品によっては100年以上経っているものも少なくありません。基本的に多少の痛みがある程度であれば査定額に大きく差はでませんが、損傷がひどく見受けられるものに関しては、大幅な評価額の減少につながってしまいます。

また、イカールの油絵に関しましては、総数自体が少ないため、希少性の観点から評価額が高い傾向にあります。イカールの作品のほとんどは、エッチング加工された銅版画となり、買取価格といたしましては、数万円程度のものが傾向として多いです。

銅版画の評価は油絵と比べると、やや厳しく評価され、サインなどの証明書が印刷の場合は、値が付かない場合があります。

そのほか、イカールの作品では、女性を題材にしたものが多いですが、犬が加えて描かれているものは、評価額が高く設定されています。また、部数の表示がないものでも評価は可能です。

まとめ

本記事では、イカールのプロフィールや経歴、作品の特徴などについて紹介してきました。

1920年代から1930年代のアール・デコ期にかけて活躍したイカールの作品は、女性をモチーフにした銅版画が多く、当時の時代背景をもとに独特な描写で人々の心に感銘を与えてきました。

現在もイカールの作品が色褪せることなく、その人気や価値は年々高まっています。エッチングを施した銅版画で一躍、世界的な名声を得たイカールの作品は、是非一度所有してみたいものです。

イカールの作品をこれから集めようと考えている方も、手放そうと考えている方もイカールの作品を査定・売却したい方は、ぜひお気軽に弊社にお問合せくださいませ。

この記事をシェアする

Category

Tags

この記事をシェアする

あなたにおすすめの記事

人気記事