2024.11.30
作家名
2024.11.30
Backside works.(バックサイドワークス)は、「本名」、「年齢」、「性別」、どのような人物かも全くわかっていない謎のアーティストです。
彼(彼女)の作品の特徴として、「ヒロイン」をコンセプトとした少女アート作品が次々と発表されています。
今回は、そんな謎のアーティストBackside works.(バックサイドワークス)について、深堀します。
目次
Backside works.(バックサイドワークス)とは、福岡を拠点として活動し続ける自称、ミクストサブカルチャーアートを提供する現代アーティストです。
ミクストサブカルチャーアートとは、ストリートカルチャーや映画、アニメーション、漫画などと言ったサブカルチャーを基盤とし創造されたアートであり、Backside works.(バックサイドワークス)の場合、1980、1990年代あたりのアニメ、マンガなどに特に影響を受け創作が続けられました。
彼(彼女)のアートは、キャンバスへのぺイントであったり、シルクスクリーン、また、ジクレー、ステッカーなどと言った様々な素材を活用し、イメージの中に存在している「ヒロイン」をアート世界に誕生させています。
彼(彼女)の周辺に取り巻いているものは、まさに、サブカルチャーの世界です。
オタク文化であったり、ストリートカルチャー、ジャパニーズアニメーション、グラフィティアートなどに好意的で、彼(彼女)のアートはまさに、現代の人たちが気軽に向き合うことができるライト感覚なアートです。
Backside works.(バックサイドワークス)がどのようなアートを描いているのかといえば、ズバリそれは「少女」です。
そこに存在しているのは、ただかわいいだけの少女ではありません。
彼(彼女)はアートを鑑賞してくれる人たちを「主人公」として、主人公との相対的関係によって息づく「ヒロイン」を創造することを狙ったのです。
現代アートとは一体なんなのでしょうか。
アートは、決してアート自体で成り立つものではなく、アート自体、描いた本人も置き去りにして、マーケットの動きであったりアーティスト、アート作品の価値基準、評論家の論評などが絡み構成されていってしまうものではないか。
もしも、現代アートというものがそのようなアートであるとすれば、Backside works.(バックサイドワークス)自身、そのようなものと自身のアートは無関係だと主張しています。
なぜなら彼(彼女)の描く少女とは、主人公との関係で成り立ち、息づくものであるからです。
Backside works.(バックサイドワークス)の「ヒロイン中毒」展でのステートメント、「ヒロインは、バケモノである」とは一体どのような意味なのでしょうか。
少女がバケモノである。
少女がバケモノであれば、少女のすべてを理解しようと思ったところで、裏切られ、はぐらかされ、少女を追い求めたばかりに抜け出すことができないラビリンスにでも入り込んでしまうのかもしれません。
彼(彼女)のアートを鑑賞する人たちも、実際に少女と関わる人たちも、変化(へんげ)する少女に対してこころを奪われすぎてしまうことで、中毒症状のようにもう離れなくなってしまい、危険であると注意しているのです。
少女が純なる存在ではなく異質の、人間でない何者かに見えてしまったら、そのときこそ追い求めることを停止して、少女から撤退する意識が必要なのです。
バケモノだとしたらバケモノ退治をしなければならない。
それをリアルに置き換えてしまうと、一体どうなってしまうのでしょうか……。
最悪殺人事件も起こってしまうような悲惨な向き合い方です。
しかし、アートとは皮肉なことにそのような危険性をはらんでいるから、美しさが滲み出してくるのです。
少女を鑑賞する人たちも、許容できる器が問われているのであり、それを持ち合わせていない人たちは、彼(彼女)のヒロインと直面することは極力控えていただきたい。ということまでBackside works.(バックサイドワークス)というアーティストは、想定しつつアートを抽出しているのです。
Backside works.(バックサイドワークス)のアート作品である「多肉少女」は、彼(彼女)自身が植物を愛し過ぎて、アート鉢を作った際に書き下ろした作品だそうです。
しかし、その経緯を最初に聞いたことで、その少女は、二人羽織のように後ろから操作された怪しいキャラのように見えてしまうことはないでしょうか。
だからこそ、彼(彼女)はどのようなアーティストなのか正体を明かさないのです。
また少女は、鑑賞する人たちとの関係で息づいてくれればいい存在なのです。
Backside works.(バックサイドワークス)は一体何歳なのか。
女性or男性かもわかっていません。
Backside works.(バックサイドワークス)のアートは、そのような戦略によって作者の手を離れ、また、評論家の手垢に晒されることもなく、鑑賞する人たちの心と繋がってもらえることを願っているのです。
それが、まさにBackside works.(バックサイドワークス)のアートの読み方です。
また、「多肉少女」の少女は、鉢植えをもち、赤い舌をペロッと出しています。他はモノクロームであるのに対して、ペロッと出した舌だけが赤い……。
その赤い舌からは、少女の内部に存在している大人へつながる色っぽさを感じることができる一方で、「なんちゃってね……」と、鑑賞する人たちが考えていることを小馬鹿にし、また、はぐらかしているかのようにも見えます。
鑑賞する人たちが、「この鉢植えは一生懸命私が育てたの……と言っているのだろう」とあらかじめ想像する一方で、「さっき百均ショップで買ってきたの……」とさも言っているかのようなストーリーの裏切り。それに対する鑑賞者は、怒ることもできず、ただ少女の存在にたじたじになるばかりです。
また、鉢植えには、「多肉少女」と、そして、背景にもガッツリと雄々しい字体で、「多肉少女」とあります。
ああいえば違うといい、はぐらかされたり、優柔不断な感じのする少女も、奥底をさぐればそうではない、一徹の頑固さももっているかのようです。
少女は、「私のことをなめたら許さないわよ!」とでも言っているのでしょうか。
「MANEATER(マンイーター)」というタイトルの作品は、訳せば男喰いです。
アート自体を見れば、それ程男喰いという感じではないのですが……。
Backside works.(バックサイドワークス)曰く、この少女はごくごく普通の少女であるということです。
しかし、この少女の側には、いつも男が寄ってくる。
そして、いつの間にか男性たちの口から「男喰い」ということが言われるようになったということです。
実際に、少女自身は、男喰いでもなんでもないし、噂なんて気にしないで、今日も夜の街をさまよっている……。結果、男性が少女の側に寄って来て「彼女は男喰い」と……。
まさに、鑑賞する人と少女自体にも、それ程の溝が生まれてしまうものかもしれません。
Backside works.(バックサイドワークス)は、タイトルを男喰い(マンイーター)としました。
しかし、鑑賞する人たちは、そのタイトルを知り、少女を見たときに、彼女はマンイーターではないと叫んでいただきたいのです。
街で、そんな少女を実際に目撃したら、下心は一切持たず、「こんな夜に街をふらふらしていたら、男たちがたかってきてしまうから注意しなさい」とたしなめていただければ。
マンイーターの少女の唇も赤い。
それは、少女の中に存在している大人の女を象徴しているかのようです。少女は、どんなにそんなつもりでないにしても、少女の中の大人の女が、男性たちを呼び寄せているのです。
だから少女よ。ふらふらしていないでお家へお帰りなさい。
親心をもって紳士的にアートに触れてください。
2021年3月、東京国際フォーラムで開催された「アートフェア東京」において展示された、Backside works.(バックサイドワークス)の「不機嫌な彼女達」は、なぜか、不機嫌面をした少女たちが並んで描かれています。
また、「さらに不機嫌な彼女」「やたら不機嫌な彼女」「そして不機嫌な彼女」という作品も展示されています。
なんで少女たちは不機嫌でいるのでしょうか。
Backside works.(バックサイドワークス)自身では、あえて答えを用意してくれていないのです。あっても言わないのかもしれませんが。
それも、少女はヒロインであり、その答えは、主人公であるあなた自身に託されているからです。
現在、Backside works.(バックサイドワークス)のアートを所有していて、売却査定して欲しいと思っている方々もいらっしゃることでしょう。
彼(彼女)の作品は需要もあり、高価売却査定に繋がりやすく、高い買取額を期待することができます。
Backside works.(バックサイドワークス)の「河合塾」は、2020年あたり大手予備校「河合塾」のキービジュアルを担当することになり、街中いたるところにポスターが貼られたため、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
学生服を着て髪をかき上げる凛とした少女。しかし、少女もやがて戦いに出で立たなければならないときがある……
「河合塾」の買取相場は130万円~150万円あたりです。
いかがでしたでしょうか。今回は、Backside works.(バックサイドワークス)
のアートについて解説しました。
彼(彼女)の描くアート作品に登場する少女は、鑑賞する主人公たちとの関係によって息づくヒロインです。
少女とは何者であるのか、内面には大人の自分をもち、男をそそのかすこともあるでしょう。また、純粋無垢な少女が、バケモノに見えてしまうことも。
少女をあまり追い求めてしまうことで、そんな気持ちになってしまうこともあるかもしれません。
鑑賞する人たちも、許容できる器をもち鑑賞する姿勢が問われているのです。
ぜひ彼(彼女)の作品を売却希望の方は弊社へお問い合わせください。