2023.11.14

ウェッジ ウッド とは

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日本人が好むイギリス土産のひとつに、ジャスパーの名で知られるウェッジウッド社の陶器があります。このウェッジ ウッドは1959年にジョサイア・ウェッジウッドによって設立されたロイヤルロンドン社と肩を並べる世界最大級の陶磁器メーカーの一つです。

このウェッジ ウッドは英国王室御用達ブランドとしても知られています。

ジョサイアの故郷はイギリスの中西部に位置するスタッフォードシャー州。
この地方は古くから窯業が地場産業として栄えたところで、ウェッジウッドはそのなかの町のひとつ、バーレスムの陶器工房主の家庭に生まれました。

ウェッジウッド家の祖先はある程度の財産を持っていましたが、大家族だったので生計を補うために陶器工房を営むようになったといわれています。
十三人兄弟の末子として生まれたジョサイアは、九歳で父親を失い、父の工房で陶器製作の修業を始めます。病を患いながらも才能を開花させ、成型技術やデザイン、そしてそれらと色彩の組み合わせといった、後に彼の数々の作品を特徴づけることになる陶器の美的側面に関する知識や製陶の技術を幅広く学び、修業の終わる十代後半には、独自に釉薬の効果などを試してそれを製作にも使用するほどに成長します。

その後、実践の場を求めて兄の工房を離れ、フェントンで窯を構える陶工、ウィールドンと出会いが転機となります。自分の窯を持ったウェッジウッドは、伝統的な鉛釉陶器を改良したクリーム・ウェアーや、緑と鼈甲を合わせた釉の陶器などの名器を、ウィールドンと共同で生み出すことに成功します。十分な資金がない中でも自分の才能を頼みに邁進した結果、バーズレムの小さな工房は大きく発展します。

独立してからの十年間、彼は手狭になった旧式の工房の環境を改善し、作業上のシステムを整える一方、陶器の製作にも工夫をこらして、実用性に優れた「贅沢」な陶器の量産に乗り出すなどして地域の窯業の繁栄に努めます。彼は地元に学校を設立するなどの慈善活動にも積極的で、その後、名工であると同時に大企業家に成長していきます。その後、新たに工場を始動させ、その工場は地中海沿岸に栄えた古代美術の地にちなんで「エトルリア」と呼ばれました。

腕一本で製陶業界の大立て者になったウェッジウッドは、ロイヤル・ソサイエティーの会員や尚古協会の会員に選ばれたことでも有名です。ウェッジウッドは、産業に従事する中流階級が成長するこの時代を代表する人物です。

ウェッジウッドのスタンプ

ウェッジウッドといえば、カップやソーサー、プレートの裏にはバックスタンプが印字されています。このスタンプは数種類あり、デザインやカラー、文字によって作られた年代や製造方法などがわかります。

同じデザインでもスタンプによって、価値が大きく異なる場合もあり、マニアやコレクターが一番注視する点であり、これらはとても重要な情報源と言えるでしょう。

ブラックの印字

ウェッジウッドの印字のカラーといえば、ジャスパーのブルーのイメージが強く、「The Black is sterling and will last forever」(黒は純粋であり、永遠である)ジョサイアがそういって「ブラックバサルト」を誇りにしていたことは案外、知られていません。

またブラックの印字(文字+壺)は、どんな方法でいつ製造されたのか知られていないものが多く、ウェッジウッドの製品の中でも希少価値の高いものとなっています。

なぜウェッジウッドの印字に壺の絵柄が描かれているのか。それには今日までウェッジウッドが歩んできた歴史を紐解くと見えてきます。

ポーランドの壺

ウェッジウッドのバックスタンプには多くの場合、壺が描かれています。

これは「ポートランドの壺」と呼ばれているもので、ウェッジウッドのシンボルマークとして用いられています。

この壺のモデルとなったのが、16世紀に古代ローマ皇帝の墓から発見されたガラス製の壺と言われています。壺は紀元前から14世紀のあいだに作られたもので、発見後は貴族たちの観賞用品とされていました。

その後、ポートランド夫人の手に渡ったことからこの壺が「ポートランドの壺」と呼ばれるようになったと言われています。

これをみたウェッジウッドは「ポートランドの壺を模したものを作りたい」と考え、製作を開始しました。

完成した「ジャスパー製のポートランドの壺」は繊細なカメオ装飾が美しく、「まるで本物のポートランドの壺のようだ」といわれるほどの出来でした。

一説によれば、実際に本家の壺が破損した際、ジャスパー製ポートランドの壺が参考にされたという話も残っており、このふたつの壺は現在ロンドンにある大英博物館で大切に保管されています。

このことがきっかけでウェッジウッド社は「最高品質である証」としてロゴにポートランドの壺のシルエットを採用することにしたと言われています。

エトルリア工場の「初日の壺」

ジョサイアは1769年、エトルリアとは、前七世紀から古代ローマに滅ぼされるまでの間、美術が栄えた北イタリアの地域の名前が由来とされる新工場「エトルリア工場」を開業させ、ウェッジウッドの商品が、シャーロット王妃のクイーンズウェアとして認められたことがきっかけで、注文が殺到しました。ここでは、主に美術工芸品としての製品が手掛けられました。この工場で初めて作られたのが、ブラックバサルトの「初日の壺(First Day’s Vase)」。壺は全部で六個制作され、内、二個は壊れてしまい、二個はウェッジウッドの家族が所有しています。その他の二つは、ストーク・オン・トレントの市立博物館とウェッジウッド・ミュージアムに展示されていることで有名です。この壺は、美術品の製作を主眼とした工場を象徴するような作品で「黒は永遠なり」と語ったジョサイアの思い入れが伝わってきます。この壺は、荘重な雰囲気を持つ黒の壺に、レンガ色で描かれたギリシャ神話をモチーフにした図柄。エトルリア工場オープンの日付なども描かれています。またエンカウスティック(蜜蝋画)と呼ばれる古代絵画技法を模したエナメル彩が使われています。

貴婦人の白い手が際立つ黒のティーカップ

産業革命時代の十八世紀には、日焼けした肌は労働者の象徴であり、白い手は上流社会の誇りだったと言われています。また黒いカップでお茶を飲むと、コントラストで、より手が白く見えると言われ、貴婦人たちはこぞってウェッジウッドの黒いティーカップを求めました。この時もブラックバサルトは、エレガントでありたい女心をも掴み、この時期のファッショナブルな貴婦人にも好まれたブラックバサルトもまた、ジョサイアのヒット作として知られています。

これらからウェッジウッドがこれまで多くの人に評価されるようになった大きな理由に「壺」が関係しているということがわかったでしょう。これらの理由からウェッジウッドの製品の裏には壺の印字がされていると考えられています。

価値

ウェッジウッド社のカップやソーサーは、英国王室から誰もが知るスーパーセレブの食卓に並ぶ鮮やかな食器として知られています。世界中から認知されている高級食器メーカーであるウェッジウッドは高値で取引されています。

アイコン カップ&ソーサー、プレート、マグカップなど

7000円~3万円程

アストバリー カップ&ソーサー、プレート、クリーマーなど

15万円~70万円程

アメジスト カップ&ソーサー、プレートなど

1万円~3万円程

アリス カップ&ソーサー、プレート、ティーポットなど

5000円~23000円程

アレクサンドラ カップ&ソーサー、プレート、ティーポット、クリーマーなど

6000円~4万円程

アンセミオン カップ&ソーサー、プレート、ポットなど

3万円~10万円程

インタグリオ カップ&ソーサー、プレート、ジャパニーズティーなど

3000円~1万円程

オズボーン カップ&ソーサー、プレート、マグカップなど

8000円~3万円程

クイーンオブハート カップ&ソーサー、プレート、ティーポットなど

1万円~5万円程

グレンミスト カップ&ソーサー、プレート、マグカップなど

4000円~1万円程

コロンビア カップ&ソーサー、プレート、ティーポットなど

2万円~10万円程

サムライ カップ&ソーサー、プレート、マグカップなど

7000円~3万円程

ジャスパー カップ&ソーサー、プレート、花瓶、写真立てなど

1万円~5万円程

ジャスパーコンラン カップ&ソーサー、プレート、マグカップ、ボウルなど

3000円~2万円程 

スウィートプラム カップ&ソーサー、プレート、マグカップ、ポットなど

3000円~3万円程

ストロベリー&バイン マグカップ、ボウルなど

3000円~1万円程

トンキン カップ&ソーサー、プレート、ポットなど

2万円~20万円程

バタフライブルーム カップ&ソーサー、プレート、マグカップ、ポットなど

4000円~1万円程

ピーターラビット カップ&ソーサー、プレート、ポット、時計など

2000円~2万円程

フェスティビティ カップ&ソーサー、プレート、マグカップなど

1500円~1万円程

フロレンティーン カップ&ソーサー、プレート、ポット、マグカップなど

1万円~5万円程 

ユーランダー カップ&ソーサー、プレート、ポット、グレービーボードなど

2000円~2万円程

ワイルドストロベリー カップ&ソーサー、プレート、ポット、時計など

5000円~5万円程

まとめ

ここまで述べたように、ウェッジウッド社の製品は伝統を重んじるとても素晴らしい食器メーカーとして世界中の愛用者が存在します。また愛用者だけでなく、マニアやコレクターも数多くいるとされ、使わずとも”飾っておきたい”、”集めたい”人が世界中に数多くいるとされています。もしあなたがウェッジウッド社のカップやソーサーをお持ちの場合、高い価格で手放すことができるかもしれません。当社はウェッジウッド社の製品を数多く鑑定してきました。そのため、目利き力は他店を大きく上回り高値で下取り買取することが可能です。全国に出張買取可能かつ郵送でも下取り買取も可能です。ブルーのロゴはもちろん、ブラックの場合、思ってもみない価格になる可能性もございます。製造時期が不明でも付属品が無くとも構いません。まずお気軽に弊社にお問合せくださいませ。



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