2024.11.30
作家名
2024.11.30
森村泰昌は、京都市芸術大学美術学部でデザインを学び、その後写真家に師事した人物です。彼は、個性的なセルフポートレートという手法にこだわり続けた芸術家と言えます。
「セルフポートレート(自画像的作品)」をテーマにし、西洋美術や日本美術作品に自ら扮して写真を撮る、個性にあふれた表現方法が特徴です。
作品のコピーをしながら、自分のオリジナリティを大きく表現している芸術家だと言えます。
森村泰昌のセルフポートレートの独自の魅力を紹介しながら、買取査定・売却について見ていきますので、参考にして下さい。
目次
1951年大阪市生まれで、京都市立芸術大学美術学部卒業、専攻科修了後、写真家アーネスト・サトウに師事しています。
1985年に自らが扮装してゴッホの自画像「包帯をしてパイプをくわえた自画像」になる写真作品を発表したことで、海外から高い評価を受けます。
その後、有名な美術作品のセットや衣装を模して、名画を再現するセルフポートレート写真を多く撮影しています。
模倣するために、絵の構成や背景を細かくリサーチして、撮影のためのライティングやフェイスペインティング、合成やCGなどの技法を駆使しているのが特徴です。
それはまさにコピーではなく、彼自らの解釈による新たな表現作と言えます。有名な美術作品が変貌しているものもあってオリジナリティにあふれています。
森村泰昌の作品の特徴は、ただ絵画の人物になりきるだけでなく、作品のイメージに対して、彼なりの思いをぶつけているところにあります。
森村泰昌自身は、高校の時に美術に目覚め、西洋絵画やアメリカの現代美術に至るまで、ハマっていった人物です。そんな彼の美術への熱い思いが数々のセルフポートレート作品を生んだものと言えます。そこには、有名な西洋絵画などへの尊敬と熱い思いがあったのです。
こうした有名絵画になりきるポートレートが海外で評価されたことによって、その後、彼は多くのポートレート作品を継続的に作っていきます。シリーズ化もされ、彼のオリジナリティのある表現が認められたものと言えるでしょう。
そして、忘れてはならないことは、これが高校時代からの多くの美術知識や写真家としてや美術家としてのスキルに支えられていることです。
こだわる所はこだわって、原作の雰囲気を出し、彼独自のオリジナリティも出すという作風が魅力です。
よくここまで表現したというものも多いでしょう。表情や陰影や絵画の質感などを写真で上手に表現しています。写真でありながら、一つの作り上げた美術作品となっていて、彼の作品は、たくさん集めて鑑賞してみたくなります。
そして、現在森村泰昌は、意図せずにして、日本の現代美術の旗手のような存在になっています。発想もテクニックも豊かな彼の作品は世界から評価され、いつの間にか日本の現代美術を引っ張る1人です。
今でも大阪在住でありながら、世界に向けた作品を発信し続けています。
森村泰昌がなぜセルフポートレートにこだわるのかというと、例えば「西洋美術史になった私」の有名なシリーズを見てみるとわかるでしょう。原画に似ているというよりも、どう自分でアレンジを加えるかを大事にしています。
森村泰昌は、様々な「美術史シリーズ」を制作していて、美術作品を自らの体で再現し模索するという手法を取っています。それは、一種の森村泰昌なりの美術批評をしているとも言えるでしょう。
美術作品を体感することによって、初めてわかることもあります。例えばエドゥアール・マネによる「オランピア」という絵画では、横たわる裸の娼婦と黒人男性がいます。女性役と男性役の両方に扮した彼は、そこで、人種・民族、ジェンダーなどの問題などを体感することができます。
美術作品の中に入り込むことで、そこにある背景を自らの体で感じとることができていると言えるでしょう。自分で表現することで、忠実に表現することもあれば、そこに森村泰昌自身のオリジナルの表現方法がある場合もあります。それらを私たちは楽しんで見ることができます。
そして、1989年以降は、複数の人物が登場する絵画の場合は、コンピュ―タによるデジタル合成で作っているなど、様々な手法が取られていますので、それらも鑑賞できるでしょう。
1951年、大阪市生まれ
1975年、京都市立芸術大学を卒業後、翌年京都市立芸術大学美術学部専攻科デザイン専攻に入学
1980年、京都市立芸術大学美術学部映像教室非常勤講師になり、写真家であるアーネスト・サトウ(佐藤善夫)に師事。当時は静謐で幻想的なオブジェや、身体の手足などのモノクロ写真を撮影した作品を制作する
1985年、自ら扮装して、有名なゴッホの自画像の写真作品を発表。西洋の名画を再現する写真で海外で評価を受ける
1989年、ベニスビエンナーレ/アペルト88に選出され国際的にデビュー、国内外で展覧会を多く実施する
2006年、京都府文化功労賞、2007年度、芸術選奨文部科学大臣賞、
2011年、第52回毎日芸術賞、日本写真協会賞、第24 回 京都美術文化賞、同年秋、紫綬褒章など数々の賞を日本でも受章
海外での高い評価を受けて海外デビューを果たしたことから、日本でも評価が高まって多くの賞を受賞しました。
初めてのセルフポートレートで、認められて有名になった作品です。
また、シリーズ物にも有名なシリーズがありますので紹介します。
西洋美術作品の様々な有名作品をセルフポートレートにしたものを集めています。「肖像/ゴッホ」以来、 「第三のモナ・リザ」も含めた約20年間にわたる作品が収められています。また、「唄うひまわり」では、森村泰昌の顔がひまわりの花に扮するなどユニークです。
日本美術作品の多くの有名作品を写真で再現しています。西洋絵画に扮することが多いために、こちらのシリーズでは、浮世絵などに扮した写真もある珍しいシリーズとなっています。
ハリウッドなどの映画女優に扮したシリーズです。マリリン・モンローなど西洋の女優に扮して、日本のロケ地で撮影しています。日本に住んで、西洋の文化の影響を受けた自身の心象風景を写しているとも言えるシリーズです。
20世紀をテーマにしたシリーズです。20世紀の出来事をテーマに、時代の象徴の「男達」になるシリーズで、ヒトラーになるなど20世紀を振り返るシリーズとなっています。
森村泰昌の作品を見るには、自身の美術館「M@M(モリムラ@ミュージアム)」を大阪・北加賀屋にオープンさせているため、多くの作品を常設で見ることができます。
「九つの顔|1989年」は、レンブラントの作品をモチーフに9つの自画像を同居させたものですが、これらの他、多くの作品を見られておすすめです。
有名な「肖像(ファン・ゴッホ)|1985年」のゴッホの自画像のセルフポートレートカラー写真が大阪の国立国際美術館で見られます。
また、「肖像ゴッホ|1985年」「肖像(カミーユ・ルーラン)|1985年」他、数点が金沢の21世紀美術館にも所蔵されていておすすめです。
その他、日本各地の美術館で展示会があって見ることができますので、目に触れる機会が多いでしょう。
森村泰昌の作品を売却したいと思った場合ですが、日本の現代美術の旗手ともなっている森村泰昌の作品は、人気が高いでしょう。
有名な美術絵画をセルフポートレートした写真は、海外でも特に人気です。売却の場合は、高価買取査定も可能です。
例えば、有名なフェルメール作品に扮したカラー写真などは、額装されたものなどが24万以上で売却されていたりします。
また、森村泰昌の作品は、他にもいろいろあり、マドンナやマイケル・ジャクソンをテーマにしたセルフポートレート写真もあり、書や彫刻といった作品もあります。
現代美術作品は、買取査定が難しい場合もありますが、森村泰昌の作品は国内外で様々な作品が高い評価を得ていますので、高額買取査定となることが多いでしょう。
また、飾っていてもオリジナリティに注目されることが多く、ユニークさと独自性が人気で、ファンも増えています。
彼の作品を模倣しようとしても、元の美術絵画への知識と理解がなければ不可能な作品です。様々な技法が必要で、オリジナリティがある作品のために、これからも買取査定はますます高くなるでしょう。
森村泰昌の写真作品などの魅力について紹介しました。有名な西洋絵画などに扮する、セルフポートレートという独自の世界を築いていて、海外でも有名な森村泰昌です。
今も大阪から様々な作品を発信していますが、そのオリジナリティにあふれた魅力は、他のどこにもないものです。
彼は有名な美術絵画などに扮することで、その世界観を自らの体で表現。体で表現するという、新たな技法を創出したと言えるでしょう。そして、このユニークな技法は、美術の知識と細かなスキルがなければ実現しなかったものです。
オリジナリティにあふれた日本の近代美術の代表的な作品となっていますので、そんな作品を買取査定し、売却する場合は魅力をよく知って行うのがおすすめです。
今、高く買取査定してもらえる所を探す方法も良い方法ですし、もっと高く売れる状況を待って売却をすることも可能です。
海外の有名絵画作品に扮しているため海外でもとても人気な森村泰昌ですので、これからも高価買取査定が見込めます。
買取査定と売却について悩まれる場合は、ぜひお気軽に弊社にお問い合わせください。