2023.11.26

谷口正造(たにぐちしょうぞう)とは、どんなアーティスト?略歴や作風、作品の特徴や現在の買取価格について解説

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「谷口正造」という今注目のアーティストがいます。現代美術作家である谷口正造の作品は、グラフィティカルチャーを基礎にスプレーやコラージュ、時には廃棄物を使用するなどした独特かつ、柔らかなタッチで描く作品が特徴です。

また作品に登場する可愛らしいキャラクターが、悲しみ、楽しみ、喜びなどの感情を表現しており、その繊細かつ大胆な作画に多くの鑑賞者が魅了されています。

ここでは、今後ますます注目されるであろう、現代アーティスト谷口正造の生涯や作品、これまでに開催された個展やグループ展について詳しく解説していきます。

略歴

 谷口正造は1990年愛媛県生まれの現代美術作家です。現在は東京を中心に活躍しており、個展やグループ展で多くの作品を発表しています。

出版物・メディア掲載

 谷口正造の作品は、そのファンタジックな世界観とやさしいイメージからか、さまざまな出版物に採用されるだけでなく、メディアでも紹介されるなど、数多くの場で取り上げられています。また、谷口正造の作品と言えば「馬」をモチーフとした作品が多いことでも知られています。

作品集「My Song」

 2022年に制作された作品を中心に収録した谷口正造初の作品集になります。2022年夏、東京のbiscuit gallery という個展の開催に合わせて刊行された1,000部限定の作品集です。この展覧会も、ギャラリーの3フロアを使用した大規模なもので、代官山と銀座の蔦屋書店では、関連イベントとして、作品集の刊行記念展も行われました。

「&Premium」(ウェブ版)

 マガジンハウスが発行するクオリティライフ雑誌「&Premium」の公式ウェブサイト内、「&illustration 今日の一枚」という企画では、2020年6月の1か月間、毎日谷口正造の作品が掲載されていました。この企画では「1日を明るく過ごすための1枚」を紹介することをテーマとして、作品が選ばれています。

「おいで、アラスカ!」

 「おいで、アラスカ!」は2020年3月にフレーベル館から発行された小学校高学年以上向けの児童書です。全国学校図書館協議会選定図書にも指定されています。

 原作者はアンナ・ウォルツで、原作「Alaska」は2017年にオランダの児童文学賞、銀の石筆賞を受賞しています。物語は二人の少年少女が主人公で、その二人をつなぐ存在として、一匹のゴールデンレトリバー「アラスカ」が登場します。この本の表紙、イラスト、挿絵を担当したのが、谷口正造です。その表紙からも谷口正造の特徴である、ゴールデンレトリバーのアラスカが醸すやさしさ、あたたかさが伝わってくるようなイラストです。

「GINZA」(ウェブ版)

 マガジンハウスが発行する月刊誌「GINZA」の公式ウェブサイト、「GINZAMAG」で音楽家テンテンコがGINZAガールのために、各回テーマに沿って選曲をしたプレイリストが連載されています。谷口正造はそのジャケットのアートワーク作品を手がけています。調理がはかどるプレイリスト「Kitchen Works」や春の風をイメージしたプレイリスト「Like A Spring Breeze」、やる気や勇気を芽生えさせてくれるプレイリスト「ゆるぎなき決意」など、その回ごとのテーマに合わせたイラストが印象的です。

「QJクイックジャパン 145号」

 太田出版が発行するテレビ番組や芸人、アイドルなどを取り扱うユース・カルチャー雑誌「QJクイックジャパン」145号(2019年8月発行)の「箸休めコーナー」で見開き2ページに渡って谷口正造の作品が掲載されています。 

「さよなら、スパイダーマン」

こちらは、2017年に偕成社から発行された小学校高学年以上向けの児童書です。原作者はイギリス人作家、アナベル・ピッチャーです。全国学校図書館協議会選定図書にも選ばれています。
 主人公の姉がイスラム過激派による同時多発テロに巻き込まれて亡くなったことをきっかけに、主人公一家は離れ離れになってしまいます。お酒に溺れ、悲しみと娘を失った喪失感から立ち直れない父は、イスラム教徒を毛嫌いするようになります。一方、主人公はイスラム教徒の少女と出会い親交を深めていきます。さまざまな関係や葛藤、衝突を通して主人公が成長し、家族も少しずつ前へ進んでいく様子を描いた物語です。この書籍の装画、中面の絵を手がけたのが谷口正造です。

展覧会・個展

  

2021年4月 グループ展「Youth(仮)」ーYutaka Kikutake Gallery(東京)

 2021年4月から6月にかけて行われた中原正夫、奈良美智、上村洋一、ナタリー・ホーバーグとのグループ展です。この展覧会では、奈良美智の原案により、それぞれのアーティストが、各々失うことができない青春をテーマに制作、展示が発表されました。青春、夢、恋、自分自身の存在を示すエネルギー、社会に組み込まれていない自由な想像力が生み出すことができるカオスと秩序が表現されていると紹介されています。

 この展覧会が開催されたYutaka Kikutake Galleryは2015年にオープンし、新進アーティストを国際的な舞台に紹介すべく活動を行っているギャラリーで、日本の現代アート界を形成してきたアーティストたちとともに様々な展覧会を開催しています。それらの展覧会を通じて、新しい価値観が交錯する国際社会において、アートの重要性を考えるための場所を牽引していくことに挑戦しています。また、そのアーティストたちの活動を紹介し、支えるため、オリジナル雑誌やアーティストブックの制作にも力を入れているそうです。

2021年1月 個展「My country road」ーEvent Space &Cafe キチム(東京)

 この個展は、会場であるEvent Space & Cafeでキチムでの6回目となる個展でした。こちらの会場では、2016年から毎年谷口正造の個展が開催されていました。2021年の「My country road」では、家や馬をモチーフにした作品を中心に、平面作品のみならず、立体的な作品も展示されました。

2020年10月 個展「The exciting and melancholic sun」ーEvent Space &Cafe キチム(東京)

 この個展における谷口正造の挨拶文では「このまま終わっていくんだろうかと思いながら見た朝焼けと絶対終わらないと思ってみた夕焼け。」という一文が添えられています。一日の始まりであるはずの朝焼けを「終わり」と表現し、一日の終わりであるはずの夕焼けを「終わらない」と表現しているところに、谷口正造独自の世界観、哀愁のようなものを感じます。この展覧会では来場者に先着で手書きシールが配布され、一部の作品は会期の後半、オンラインで販売もされました。

2019年11月 個展「Everybody is a Star」ーEvent Space &Cafe キチム(東京)

 これは、2016年から毎年行ってきたシリーズの最終回となる展覧会で、「みんな星で、それぞれがそれぞれ光ってる感じがいいなと思って」この展示タイトルをつけたそうです。そのタイトルの通り、星をイメージした作品や明るい色彩の作品が多く展示されていたようです。

2018年10月 個展「REBORN」ーEvent Space &Cafe キチム(東京)

 この個展は2016年から連続して3回目となる個展で、谷口正造自身もその開催にあたって、感謝のことばを添えています。また、「キチムでの3年間で絵も新しく変わることが出来ました。」と語っていることから、それまでとは作風が多少変化してきたのかもしれません。ここで展示された作品の一つは2023年、SBIアートオークションに出品され、約440,000円で落札されました。

2017年11月 個展「GOOD BYE MY GHOST」ーEvent Space &Cafe キチム(東京)

 前年の展示が終わってから最初に書き上げた絵のタイトルからまた絵を描き始めたそうです。その代表作品はタイトルの通り、立っている女の子に幽霊のようなものがまとわりついています。その「幽霊」との決別を示すように女の子の目はしっかりと前を見つめています。

2016年11月 個展「RUN」ーEvent Space &Cafe キチム(東京)

 

 これが、キチムでの谷口正造最初の個展です。「散らばった色につよい光を感じて、立ち止まらないことに憧れて描きました」と谷口正造自身が、シンプルなことばで個展を紹介しています。そのことばとタイトルの通り、代表作品はスニーカーをはいた女の子がカラフルなモザイク柄の地面にしっかり足を付けて走り出すような様子が描かれています。

作品の取引価格

 

SBIアートオークション

 木製パネルにアクリルやペン、コラージュで制作された「SUNGOES DOWN」という作品は、2023年1月にSBIアートオークションに出品され、3,680,000円で落札されました。落札価格も破格の値段ですが、予想落札価格200,000円~300,000円だったところ、その10倍以上の値が付けられたことも驚異的と言えるでしょう。同じ回のオークションに出品された「SKY BLUE SKY」というパネルにアクリルと色鉛筆で描かれた作品は2,530,000円で落札されました。こちらも予想落札価格150,000〜250,000円を10倍以上上回る価格でした。谷口正造の作品は、これら2点が国内初出品の作品で、その落札価格の伸びから、大変大きな注目を集めました。また、これをきっかけに、谷口正造というアーティストがより世間に知られることとなり、今後の活躍や作品に期待が高まったとも言えるでしょう。

 その後、2023年7月に行われた回に出品された「MY SWEET SWEET BABY YEAH!!」という作品は予想落札価格も500,000円~800,000円と1月に比べて倍以上に上がり、その予想落札価格内のおよそ720,000円で落札されました。

 同じ回に出品された別の作品は、2018年10月にキチム吉祥寺で開催された個展「REBORN」で展示された作品で、細かい毛埃や軽度の絵具のひび割れがあるというコンディションだったものの、予想落札価格を超える約440,000円で落札されました。

販売・売却・査定

 

 谷口正造はインターネットメディアや個展をベースに活動を行っており、オークションでの落札価格を見ても、今後の期待の大きさが予測できるアーティストです。これらの作品は個展やギャラリーで購入することも可能です。これからの活躍、飛躍が期待されているだけに、その作品の価格も今後、上昇していることが予想されます。売却を検討している場合、今後の動向を見極めるべく、複数の業者に査定を依頼したり、情報を集めたりして、慎重に検討することが大切でしょう。

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